テニスコーチから見たテニススクールとは?

出典:thesundridgeparkclub.co.ukより

テニススクールに長年通いながらも上達しないのはなぜか?そんな疑問を持っている方も多いはずです。今回はテニスコーチはテニススクールをどのような場所と考えているのか、著者自身のコーチ経験や周囲のコーチの話をもとに記事にまとめてみました。

テニススクールに求められるもの

テニススクールに求められる一番の要素はレッスンを通してテニスが上達できるかどうかです。しかしながらスクールに長年通っていながらクラスがなかなか上がらなかったり、中には上達を半ばあきらめているような人がいるのも現実です。

なぜ上達しないのか?

ではなぜスクールに通いながらも上達できない人がいるのでしょうか。スクールでの私のコーチ経験から考えらることを挙げていきます。

会員の温度差(目的)

まず考えられる第1の理由がレッスンを受ける会員さんの目的がバラバラになってしまっていることです。

多くの人がテニスの上達を求めてテニススクールに入会します。しかしながらスクールに通い続けることで、目的が上達から、仲良くなった人とのおしゃべりに変化したり、元々の目的がストレス発散や健康維持だったりと、会員さんの中でも通う目的がバラバラなのが現実です。

同じレッスンでも、レッスンに参加する会員さんの目的がバラバラだと会員さんの中で温度差が生じてしまいます。コーチにもよって程度の違いはありますが、多くのコーチは会員さんに対して気を遣ってレッスンを進行しています。

全員の目的に合わせたレッスンは不可能なので、そうなるとそれぞれの会員さんの目的になんとなく沿った当たり障りのないレッスンになってしまい、結果としてなかなか上達につながらないという状況に陥ってしまいます。

レッスンの定員数

第2の理由がレッスンの定員数です。

スクールによってレッスンの定員数は異なりますが、1人のコーチで多い時には1面10人を担当するようなスクールも稀にあります。当然のことですが、レッスン定員が多くなればなるほど一人当たりのボールを打つ時間、回数は減っていきます

私自身の感覚では1人のコーチが1面でしっかりと対応できる人数は6人までです。それ以上になるとどうしても指導よりも進行に気を取られてしまうので、技術改善のために個別に時間を割くことが難しくなってしまいます。

レッスンの定員数が多く、技術の改善指導やアドバイスを受けられないのであればスクールでなかなか上達できないのも当たり前かなと思います。

コーチ間のレベル差

第3の理由がスクールに所属するコーチ間のレベル差が激しいことです。

テニスコーチと言っても技術レベルや指導力には大きな差があります。例えば同じ中級のクラスでも技術・指導力の高いコーチとそうでないコーチがそれぞれ担当している場合があります

技術力・指導力の高いコーチのクラスに運良く入ることができれば上達につながりますが、そうでないコーチのクラスに入ってしまうとほぼ上達せずに、在籍期間だけがどんどん積み重なっていくだけになります。

スクールのメリットは?

個人的に思うスクールに通うメリットは4つです。

 1.定期的に確実テニスをする場が得られる

 2.レッスンを通してテニス仲間ができる

後は条件付きになりますが、

 3.所属しているクラスの定員数が4人以下など非常に少ない場合はプライベートレッスンのような形で指導を受けることが出来る場合。そして、

 4.指導力の高いコーチのレッスンを受けられる場合

上記の4点になります。実際に入会して通ってみないと分からない部分が多く悩ましいところですが、上達以外の部分に重きを置くのであればテニススクールはかなりメリットがあると思います。

コーチの本音

一部のコーチはスクールのシステムに疑問を持ちながらレッスンしている現実があります。

マニュアルの限界

ある程度の規模で複数店舗を展開しているようなテニススクールになるとレッスンの質を一定に維持するためのマニュアルが存在します。

経験の浅いコーチにとってはマニュアルがあることでレッスンの進行がしやすくなるのは事実です。しかしながら、スクールに通う会員さんそれぞれに個別の悩みがあるはずです。マニュアルに沿ったレッスンをしているとどうしても個々のニーズに対応できない状況が出てきてしまいます

報酬の少なさ

報酬の少なさは優秀なコーチがスクールに定着しにくい原因の1つとして考えられます。

スクールのレッスン単価は人によってバラバラですが1本あたり1500~5000円程度の幅があります。ただ、3500円以上の単価でレッスンをしている人はそう多くないはずです。一般的には社員以外のコーチのレッスン単価は2000~3000円程度がほとんどではないでしょうか。

レッスンは肉体労働ですから1日に4本やると約6時間。6時間の肉体労働をして3000円×4本の12000円が十分な報酬かと言われるとなかなか厳しいと答えざるを得ないかと思います。

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実績ある選手がプライベートレッスンを選ぶ理由

過去に実績のあるような選手はスクールなどに所属せずにプライベートレッスンをする人が多いです。

プライベートレッスンでは1時間あたり5000円~という料金設定が一般的です。レッスン料は実績や知名度によって自由に設定できますから、コーチによっては1時間で1万円以上稼ぐ人もいます。

そう考えると、実績があり、指導力の高いコーチほどプライベートレッスンに流れる理由が分かるはずです。

レッスンはスクールでなくコーチで選ぶべき!

テニススクールで上達が難しい理由を私自身の経験からいろいろと述べてきましたが、本質的なことを言えばスクールがどうこうよりもどんなコーチがレッスンをしてくれるかが一番重要になります。

現在、スクールに通っているのであれば、そのスクール内でベストのコーチを探す。スクール内で自分自身の上達をイメージさせてくれるコーチがいなければ別のスクールや、プライベートレッスンで探すなどコーチを選ぶ方法はいくらでもあります。

上達したければ最善の方法を自分で探す。

ここまで述べたのはあくまでも私自身や周囲のコーチの意見などからまとめた情報になります。私自身が首都圏在住のため、都心と地方ではテニススクールの状況が違う場合もあると思います。

ただ、もしも今回の記事を読んで何かしら思うことがあれば、今の通っているスクールを見直してみるのも良いのではないかと私は思います。みなさんの貴重なお金や時間を効率的にテニスの上達に投資できることを願っています。