テニスのベーグルとは?その意味とベーグルにまつわる記録を調べてみた。

テニスの話をしていると「ベーグルを焼く」とか「ベーグルを焼かれた」と急に食べ物が会話に出てきて不思議に思ったことがある人も多いはずです。今回はベーグルの意味と、ベーグルにまつわる記録について調べてみました。

ベーグルとは?

引用:ATPより

ベーグルとは0-6でセットを終わることを意味します。相手に対して6-0でセットを取る場合は「ベーグルを焼く」、0-6でセットを取られた場合は「ベーグルを焼かれる」と表現します。3セットマッチの試合で6-0.6-0と2セット連続で1ゲームも取れない場合は「ダブルベーグル」と呼びます。

なぜ、1ゲームも取れないことをベーグルと呼ぶのでしょうか?ベーグルの形が数字の0と似ているからそう呼ぶようになったと言われています。0に形が似ているドーナツとはなぜ呼ばないのかは不明です。

英語では6-0でセットを取ったら「serve a bagle (ベーグルを提供する) 」0-6で取られた場合は「recieve a bagle (ベーグルを受取る) 」と表現します。

ベーグルは日本語にするとどうなる?

日本では「団子(ダンゴ)」という言葉がベーグルと同義で使われています。ベーグルよりも団子の方が日本では馴染み深く、数字の0に形が似ていたことから日本では「団子(ダンゴ)」の呼び方が定着したようです。ただ、誰が言い始めたのかは定かではありません。

プロの試合でベーグルは起こるのか?

ナダルはトップ選手相手にもベーグルを焼く。
引用:ATPより

プロ選手同士の試合でもベーグル(6-0)は稀に起こります。

プロ選手のような高い技術レベルを持った相手にベーグル(6-0)でセットを取ることは困難です。ではどのような試合でベーグルが起こるのでしょうか。

ベーグルは四大大会の早いラウンドでランキング上位選手下位選手 or 主催者推薦(WC)で出場した選手が対戦するような場合に起こります。BIG3のようなごく一部の選手は上位選手に対しても6-0でセットを取るケースがありますが、トップ選手同士の試合では滅多に起こりません。

サーフェスの違いによるベーグルが発生する頻度の差。

サーフェスの違いより、ベーグル(6-0)の発生頻度は変化します。

2000~2016年までの四大大会の男子シングルスでベーグルが発生した数を計測したデータがあります。データによるとウィンブルドン127回、全仏OP267回、全米OP275回、全豪OP238回のベーグルが起こっていました。

ウィンブルドンはサービスがより効果的になります。実力差があってもサービスキープできる可能性が高くなるのでベーグルの数が他の大会に比べて少ないと考えられます。

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ベーグルの種類とベーグルにまつわる記録。

ベーグルにはより達成難易度が高い「ダブルベーグル」と「トリプルベーグル」があります。

ダブルベーグル

6-0.6-0と1試合で連続して2セットのベーグルを奪うことを「ダブルベーグル」と呼びます。過去のデータでは男子に比べて女子の方がダブルベーグルが起きる可能性が高いことがわかります。

女子だと四大大会のシングルスでダブルベーグルを5回以上達成した選手が9人もいます。ちなみに最多回数を記録しているスーザン・ランランマーガレット・コートの2人は14回ものダブルベーグルを達成しています。

トリプルベーグル

マレーが2011年にトリプルベーグルを記録。
引用:ATPより

6-0.6-0.6-0と3セット連続でベーグルを奪うことを「トリプルベーグル」と呼びます。ツアー大会は通常3セットマッチですからトリプルベーグルを達成するチャンスは5セットマッチで試合が行われる男子の四大大会とデビスカップしかありません

これまでに四大大会でトリプルベーグルが記録されたのは5回しかありません。1番最後に起きたのが1993年の全仏OPで、25年以上も前のことになります。デビスカップでは17度のトリプルベーグルが記録されており、調べた限りでは直近だと2011年のA.マレー対L.Bramの試合でトリプルベーグルがありました。

究極のベーグルとは?

ゲームだけでなく、1ポイントすら与えずに6-0でセットを奪うことをGolden Set(ゴールデンセット)と呼びます。ベーグルよりも達成難易度は高くなります。

プロの試合で1ポイントも取れずにセットを失うことがあるのかと、調べてみました。2012年ウィンブルドン3回戦でY.シュウェドワが第10シードのS.エラーニを相手に1setでゴールデンセットを達成していました。

試合映像が見つかったのでリンクを載せておきましたが、コメンテーターもゴールデンセット達成には気づいていなかったようです。そのくらい珍しい記録であることがわかります。

ちなみに1試合を通して1ポイントも失わないことをゴールデンマッチといいますが、流石にプロのレベルで達成の記録はないようです。対戦相手の途中棄権という条件付きだと、2015年にR.ガスケが3-0(RET)の失ポイント0で勝っている試合があります

Golden Bagel Award

男子のATPツアーでは2004~2013年まで1年間で最もベーグルを相手につけた選手を「Golden Bagel Award」という形で表彰しています。

過去の受賞者を確認すると、フェデラー2回、ナダル3回、ジョコビッチ3回、フェレール1回、ソダーリング1回と、BIG3の強さが確認できました。ちなみに年間の最多ベーグル獲得数は2006年にフェデラーが達成した18回でした。

プロでは滅多に出ないベーグル

ATPやWTAツアーのような厳しい出場資格が設けられている試合ほど、ベーグルが発生する可能性は低くなります。もしも観戦していた試合でベーグルが発生し、あっという間に試合が終わってしまったら残念に思うかもしれません。

しかし、ベーグルが起こる頻度を知っていれば、珍しい試合が見れたなとまた違ったテニス観戦の楽しみ方ができるかもしれません。