注射治療で悪化する!?テニス肘の治療方法と根本対策

テニス愛好家のなかにはテニス肘と呼ばれる肘の痛みに悩まされる人が一定数います。肘に痛みや違和感を感じたら、練習を控え、適切な治療を受けることで痛みが治まることがほとんどですが、無理に練習を続けるなどしてテニス肘を悪化させてしまう人も少なくありません。

テニス肘の痛みが悪化した場合の治療法の1つに注射治療が挙げられます。果たして注射による治療はどこまで肘の治療に効果があるのでしょうか。今回はテニス肘の注射治療に関する情報を記事にしました。

テニス肘ってなに?

テニス肘とはあくまでも通称であり、医学的には「上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)」と呼びます。テニスのボールを打つ動作で肘に痛みを感じた場合はテニス肘が疑われます。テニス肘についての情報は下記のリンクにある記事にまとめてあるので、気になる方はご参照ください。

テニス肘になった際に考えられる治療法。

テニス肘が疑われるような痛みや違和感を覚えたら、一刻も早く治療に取り掛かる必要があります。テニス肘の具体的な治療は大きく分けて保存治療外科手術の2種類です。

テニス肘の保存治療

保存治療とは、自然治癒を促すためのさまざまな処置のことです。保存治療で最も効果的な方法はテニスのプレイを控え、極力患部に負担をかけず安静にすることです。テニス肘が疑われる痛みを感じても、テニスをしばらく控えることで痛みを感じなくなるというケースがほとんどです。

安静にする以外の保存療法には、サポーターの利用、リハビリテーション注射治療などがあります。テニス肘の原因は肘関節から伸びる腱にかかる大きな負荷やオーバーユースによって引き起こされた炎症なので、サポーターなどの利用で負荷を軽減したり、注射によって炎症を抑え込んだりする処置が有効です。

外科手術

テニス肘の痛みが1年以上続き、さまざまな保存治療をしても効果がないという場合は最後の手段として外科手術が必要になります。外科手術に至るのは自然治癒ができないほど腱が損傷し強い痛みが出るようなケースです

テニス肘の痛みで外科手術が必要になるのは全体の5~10%程度と言われています。痛みを感じながらもプレイを続けたり、日常生活や仕事で肘に負担のかかるような動作を繰り返すなどしない限りは、手術が必要になるほど深刻な事態にはならないはずです。

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テニス肘の注射治療ってどんなもの?

テニス肘の治療に注射治療があるというのは聞いたことがある人も多いと思いますが、注射治療について具体的な知識がある人は少ないはずです。ここからは注射治療について詳しく整理していきます。

ステロイド注射

テニス肘の注射治療として最も一般的なのがステロイド注射です。痛みの原因となっている腱などの患部にステロイドを直接注射することで炎症や痛みを抑え込む効果が期待できます。

ステロイド注射は即効性が高く、処置後は一時的に肘の痛みを感じずにテニスをプレイすることが可能になるようです。ただ、ステロイドの効果によって痛みが和らいでいる状態に過ぎず、テニス肘の根本的な治療にはならないようです。

また、ステロイド注射は効果が永続するものではないので、痛みがぶり返したらまた注射を繰り返すという悪循環になりかねません。注射を繰り返すことで腱へのダメージも蓄積していき、最終的に外科手術が必要になるケースが多いようです。

ヒアルロン酸注射

テニス肘の注射治療についていろいろ調べると、ヒアルロン酸注射という方法もあるようです。ただ、海外サイトでかるく触れているだけで、国内の病院などでテニス肘の治療にヒアルロン酸注射を利用しているとの情報は見つけられなかったので、日本国内では治療の選択肢としてないのかもしれません。

PRP注射

田中投手も利用したPRP注射
引用:田中将大公式Twitterより

近年、新しい治療法として登場したPRP(多血小板血漿:たけっしょうばんけっしょう)注射はテニス肘の治療にも利用されているようです。PRP注射はかさぶたを作り、傷口を修復する成分を含む血小板を利用した治療法です。

PRP注射は治療者本人から取った血液から血小板の成分を抽出し、痛めた患部に直接注射することで、自己治癒能力を高めて患部の早期治癒を促すという理論です。あくまでも自然治癒を促す治療なので、痛みの原因となる腱が切れたり、激しく損傷している場合は大きな効果が期待できないようです。

注射治療の効果

現時点でテニス肘の注射治療として選択肢に挙がるのは、ステロイド注射とPRP注射の2つです。

テニス肘の痛みが和らぐかどうかという点で考えるとステロイド注射の効果は高いようですが、肘を治すという視点で考えると、肘の痛みがまだ軽い状態であればPRP注射の方が高い効果を得られそうです。

ステロイドにしろPRPにしろ調べた限りでは注射治療が必要になるまで肘の痛みを悪化させる前にテニスを控えるのが一番効果的と言えます。

注射治療の実例

錦織圭は右ひじの手術を経験している。
引用:錦織圭公式Twitterより

実際にプロテニス選手が肘を痛めて注射治療を受けたケースがあるのか調べてみました。テニス肘を発症する割合はプロ選手に比べて一般プレイヤーの方が多いようです。ただ、プロ選手でも肘を痛めて治療のためにツアーを欠場するケースはたまにあります。

肘の治療を理由にツアーを欠場したトッププロとして錦織圭N.ジョコビッチの名前が挙げられます。錦織やジョコビッチが肘の痛みを取り除くため手術をしたという情報はありましたが、注射治療をしたかどうかははっきりと分かりませんでした。

プロ選手の場合、対戦相手に自分の状態が悪いことを知られるメリットがないため、注射治療のような保存療法で間に合う程度の痛みはわざわざ公表しないのかもしれません。

注射治療はどこで受けられる?

テニス肘の痛みが悪化し、注射治療を考えている方はどこで治療が受けられるのか気になるはずです。

注射治療は医師が必要かどうかを判断するため病院やクリニックでしか受けられません。テニス肘の痛みに長い間悩まされているという方は、まず最寄りの病院やクリニックで整形外科を受診してみてください。

PRP注射に関しては、ステロイド注射と比べて対応可能な病院やクリニックが限られています。受診する場所によってはPRP注射が治療の選択肢に挙がらない可能性もあります。気になる方は自分から医師にPRP注射について質問したほうが良いでしょう。

PRP治療が受けられる病院やクリニックは、「テニス肘 PRP治療 受診」などの言葉で検索すると見つけることができます。PRPが気になる方は先にPRP注射を実施している病院を見つけて、そこを受診する方が良いかもしれません。

肘に痛みを感じたら早期治療が最優先!

テニス肘の注射治療についていろいろ調べてみましたが、テニスが仕事になっているプロでもない限りは、注射治療が必要になるほど肘の痛みを悪化させないことが重要です。

注射治療は決して万能な治療法ではなく、それなりにリスクのある治療法と言えます。もしも生涯スポーツとしてテニスを楽しんでいきたい考えているのであれば、痛みが消えるまでテニスを控えたり、肘に負担のかからないフォームの習得を目指したりすることをおすすめします。