大坂なおみ、グラフのように!

その瞬間、彼女はサンバイザーのつばを下げ、目元を隠しながら、はにかんだ。

大坂なおみが、全米オープンで優勝した瞬間だ。

筆者は、アナログTV放送時代から、グランドスラムのいずれかの大会で優勝した選手の喜びの瞬間を何度も見ている。コートに仰向けに大の字になる者、ラケットを放り投げ、観客に喜びを全身でアピールする者など様々だ。

張りつめた極度の緊張状態から解き放たれた選手の喜びの表現は見る者の気持ちもを高揚させる。

だが、大坂なおみは違っていた。

セリーナ・ウイリアムズ選手の常軌を逸した行動や彼女を応援する観客になどに遠慮したのか、複雑な心境で優勝の瞬間を迎えた。筆者も一テニスファンとして、初の日本人のグランドスラム優勝を心から喜びたかった。

しかし、彼女の表情と抑えた態度から、心底喜ぶことができなかった。本人も応援していた日本人も、さらに、世界中のテニスファンも釈然としない優勝の瞬間だったはずだ。

そこで、来シーズンもグランドスラムのいずれかの大会で優勝してこの鬱憤を晴らしてほしいと思う。

そのために、次の2つを提案する。

『メンタルをさらに鍛える』

筆者が歴代の名選手でメンタルが一番強いと思うのは、シュティフィ・グラフだ。ピンチの時は、ボールに体重を乗せるように打つバックハンドスライスで粘り、相手の球が少しでも浮くと、回り込みのフォアハンドで確実にエースをとっていた。

さらにすごいのは、1982年のウインブルドンでの準決勝戦のときだ。観戦していたある男性が「グラフ結婚して!」と叫んだ。グラフは少し微笑んで「お金持ってる?」と叫びかえした。

なんという余裕の切り返しだろう。観客席は、笑いに包まれ、ほとんどの観客がグラフを応援したくなったのではなかろうか。女王は、これくらいの強い気持ちと余裕が必要だ。そのためには、対戦相手とたくさん競り合って勝つ経験を多く積むしかない。

『ボレーにさらに磨きをかける』

彼女の武器は、強烈なサーブとストロークだ。また、フットワークも武器になってきた。その上、ボレーがもっと上達すれば、史上最強である。

ボレーでもストロークと同じくらい効果的にポイントが取れるようになれば、ストロークが不調のときもポイントを取ることができる。身長もあるので、ネットにつめれば、大きなプレッシャーを与えることができる。対戦相手にとって驚異だろう。

グラフも大切なポイントでは、素早くネットにつめてボレーやスマッシュを決めていた。グラフはネットプレーも超一流だった。

この2つのことを身に付けることができれば、日本人初のグランドスラムを達成できる可能性は非常に高い。そして、大坂なおみの時代が安定して長く続いていくはずだ。

そして、東京オリンピックでは、金メダルをとってゴールデングランドスラムを達成するべきである。シュティフィ・グラフがそうしたように。

まずは、来年の全豪オープンでの優勝を応援しよう。

コメント 3 件

ヨーロッパに2年以上いますが、大坂なおみの存在は本当にすごい。日本人だとわかると地元の人から「ニシコリー!」と声をかけられてたのが今じゃ「オオサカ〜!!」ですから!笑 特に今年に入ってからは。しかもみんな大ファンで笑顔で応援してくれています。テニス界から日本のポジティブなイメージが広がって嬉しいです。今後も頑張って欲しいですね!

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