錦織圭の身長・体格で世界を舞台に戦う凄さ

テニスの世界では身長・体格による有利不利があります。長くトップ10を維持していた錦織圭は決して身長・体格が恵まれていたわけではありません。身長・体格の観点からみた錦織圭の凄さを今回は記事にしました。

錦織圭

錦織圭の体格は身長178cm、体重73㎏です。錦織選手と同世代の日本人男性の平均身長が172.1㎝、体重は71㎏ですから、日本人としては考えれば錦織選手の身長・体重は平均を上回っています。

体重はプロ転向時に公表していた体重が68㎏で、当時から5㎏の筋力アップをしているので、テニスのツアーを戦うなかで、計画的に肉体改造を進めてきたことが分かります。

世界ランキングに入る選手たちの平均身長は?

2019年の男子世界ランキング500以内の選手の平均身長は185.5㎝でした。平均体重については2016年のリオデジャネイロ五輪のテニス競技に出場した選手のデータによれば、平均体重は80.4㎏でした。

BIG3の体格を調べると、ジョコビッチが188㎝・77㎏ナダルとフェデラーは共に185㎝・85㎏なので、BIG3の体格からもプロテニス選手の平均的な体格である185.5㎝・80.4㎏はテニス選手の理想的な身長・体重と言えるのかもしれません。

現在のテニスツアーでBIG3以外で最も四大大会制覇に近いと考えられているD.ティエム185cm79㎏ツアー選手の平均とほぼ一致する体格をしています。

体格で劣る錦織圭

ツアー選手の平均的な体格と比較すると、錦織選手は身長で7.5㎝体重で7.4㎏の体格的ハンデを背負いながらプロテニスの世界で戦っていることが分かります。競技によっては体重で細かく階級が分けられるほど体格はパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。

例えばボクシングの階級で考えると、7.4㎏の差は4階級ほどの差となります。テニスは身長・体重の差を技術・戦術など他の要素でカバーすることが可能ですが、体格が大きな差を生むことは間違いありません。

身長・体重がテニスに及ぼす影響は?

体格が具体的にテニスにどのような影響を及ぼすのか。どんなショットで有利不利が生じるのかを考えてみます。

身長の影響

https://twitter.com/WeAreTennisITA/status/1233339760200110085

身長の高さはサービスを打つときに大きなアドバンテージとなります。ツアーでサービスエースを量産する選手を調べると高身長の選手が上位にランクされることからも、身長の及ぼす影響の大きさがわかります。

サービス以外にも身長が高いと歩幅や腕のリーチが長くなるため、守備範囲が広くなりネットプレー時にロブショットで頭上を抜かれることも圧倒的に少なくなります

アドバンテージだけではなく身長が高いことのデメリットもあります。身長が高いと低い打点の処理が難しいので、2mを超えるような身長になるとデメリットもその分大きくなります。

体重の影響

体重は打ったボールの重さに影響します。体重が重いほど、ボールを打つときに大きなエネルギーをボールに伝えることができるため、自然と重いボールが打てるようになります。

体重が極端に重いと動きが鈍くなるデメリットもあります。一方、体重が軽すぎるとストロークの球質が軽くなるため、テニス選手は自分の身長によってそれぞれの理想体重があると考えられます。

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体格に特徴を持つツアー選手

プロテニスの世界には身長が極端に高かったり、低かったりとさまざまな特徴を持った選手がいます。身長に特徴のある選手をピックアップしてご紹介します。

最高身長

ATP公式サイトに登録されている情報では最も身長の高い選手は211㎝で、クロアチアのI.カルロビッチとアメリカのR.オペルカの2選手です。

身長2mを超えるような選手のサービスゲームをブレイクするのは非常に難しく、カルロビッチとオペルカは2ndサーブでも200㎞を超えるようなサービスを打つことができます。

最低身長

ATPツアーで最も身長の低い選手はアルゼンチンのD.シュワルツマンです。シュワルツマンの公表されている身長は170㎝と、日本人の平均身長よりも低い身長で活躍を続けています。

身長という大きなハンデがありながらも世界ランキングは自己最高11位とエネルギッシュなプレイでツアーを盛り上げている選手です。

西岡良仁

日本人の西岡良仁もATPの登録では身長170㎝と、ツアーでも最も身長の低い選手として認知されています。

身長はシュワルツマンと一緒ですが、プレイスタイルは異なります。シュワルツマンに比べて、緩いボールなど上手く緩急を使いながら左利きを生かした粘り強いプレイで相手のミスを誘うのが西岡選手のプレイスタイルです。

シュワルツマンも西岡選手も身長のハンデを埋めるために工夫して自分なりのプレイスタイルを確立しているので。一般の人でも西岡選手やシュワルツマンの試合を観ると勉強になるはずです。

錦織圭の凄さ

錦織圭がトップ10を維持していた期間2014年9月~2017年8月と、2018年11月~2019年10月の合計で約4年ほどの期間となります。

現在のトップ10選手の平均身長を調べると190.1㎝と、錦織の身長よりも10㎝以上高いことが分かりました。自分よりも10㎝以上身長が高く、200㎞を超えるようなサーブを当たり前のように打ってくる選手たちと同じような成績を4年もの長い間継続してきたことは改めて考えると凄いことです。

四大大会で敗退するたびにメディアやファンからはプレイの批評を受けていますが、そもそも男子の日本人選手で四大大会制覇を現実的に期待させてくれる選手は錦織選手以外には考えられません

これまでの錦織選手の成績はもっと評価されても良いのではないかと個人的には思います。皆さんも自分よりも体格で一回り、二回り上回るような相手と連日試合をすることをイメージすれば錦織選手がどれだけ凄いことをしてきたかが分かるはずです。

テニスは無差別級

テニスは体格によっての有利不利はありますが、ボクシングや柔道のように階級が分かれてはいません。体格が劣る選手は、試合に勝つためにさまざまな戦術や技術を用いて相手を上回る必要があります。錦織選手のプレイが非常に多彩な理由は体格の影響も少なからずあるはずです。

体格に注目してテニス観戦をするときっと新たな発見があります。テニスのツアーが再開したときは選手の体格とプレイスタイルにも注目して観戦してみてください。