ノバク・ジョコビッチはどんな選手?プレイスタイル、性格、経歴を分析。

2000年代にR.フェデラーとR.ナダルが1位争いを繰り広げていた時に、頂上争いに加わったのがN.ジョコビッチです。その後、フェデラーとナダルの牙城を崩し、実力で世界1位の座を奪い取ったジョコビッチの凄さを今回は振り返っていきます。

ノバク・ジョコビッチ

  • 生年月日:1987年5月22日生まれ
  • 身長:188cm
  • 体重:77㎏
  • 国籍:セルビア
  • 利き腕:右(両手打ちバックハンド)
  • 自己最高ランキング:シングルス1位(セルビア人初)
  • 通算獲得タイトル数:81(2020.11.01現在)

プレイスタイル

ジョコビッチはその身体能力を生かしたプレイが特徴です。フットワークに優れ、コートカバーは非常に広く、強靭なフィジカルで、どんな場所からも強いボールを打つことができます

ショットのプレイスメントは非常に正確で、相手を前後左右に振り回しながらミスを引き出し、自分が遠くに走らされてもバランスを崩すことなく、正確なカウンターでポイントを奪うことができます

ナダルような強力なフォアハンドや、フェデラーの洗練されたプレイのような、人の目を惹くような特徴はなく、全てのショットのレベルが非常に高くオーソドックスなプレイをするため、なかなかその凄さが伝わりにくく、フェデラーやナダルと同等の成績を残しながらも人気面は後塵を拝しています。

性格(キャラクター)

ジョコビッチはオンコートとオフコートで全く違うパーソナリティを見せます。

オンコート

オンコートでは感情を前面に出してプレイします。闘争心を前面に出してプレイし、良くも悪くも感情をどんどん表に出していきます。試合中は観客席のファンと口論することもあり、試合中に負の感情を表に出さないフェデラーやナダルとは違いプレイ中に人間臭い一面を見せてくれるのもジョコビッチの魅力です。

コート上で負の感情を爆発させながらも、プレイが崩れることはなく、憎たらしいほどの強さを見せるため、偉大なチャンピオンでありながらもヒール役のように扱われることもあります。

オフコート

オフコートでは非常に陽気で多くのファンを楽しませようとする生粋のエンターテイナーです。ツアーで世界各地を転戦するなかで、各国の文化に積極的に触れたり、ファンと交流したりする姿は頻繁にメディアに取り上げられます。

経歴

ジョコビッチがテニスを始めたのは4歳で、6歳の時にユーゴスラビアのゲンチッチにその才能を見出され、6年間コーチングを受けます。12歳の時により高いレベルでの競争を求めてドイツのテニスアカデミーに入学し、国際大会に挑戦するようになります。

ジュニア時代はヨーロッパ選手権を制覇し、グランドスラムのジュニア部門にも出場。全米OP JrではSF進出を果たすなど活躍します。早い段階でジュニアからシニアに移行したため、ジュニアでは特筆するほどの成績は残していません。

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戦績とランキング推移

ジョコビッチのこれまでの戦績を振り返ると、現役選手ながら既に男子テニス史でも屈指の戦績を残しています。

獲得タイトル(2020.11.03時点)

ジョコビッチの通算獲得タイトルは81で、主要な獲得タイトルは下記のようになっています。

  • グランドスラム制覇:17回(全豪:8回、全英:5回、全米:3回、全仏1回)
  • ATPファイナルズ優勝:5回
  • ATPマスターズ1000タイトル:36個
  • ATP500タイトル:14個
  • デビスカップ優勝:1回
  • ATPカップ優勝:1回

獲得できる個人タイトルはほぼ全て獲得しています。唯一ジョコビッチに欠けているタイトルは五輪の金メダルだけです。

ランキングの推移

ジョコビッチがプロ転向したのは2003年で16歳の時でした。初めてツアー大会本戦に出場したのが2004年で、その年にランキングを100位台にまで上昇させます。2005年にはグランドスラムの本戦に出場。年末のランキングは78位まで浮上。

2006年にキャリア初のATPツアータイトルを獲得。ウィンブルドンでも4回戦進出を果たすなど、年末のランキングは16位まで上昇翌2007年には初のマスターズタイトルを獲得するなどし、世界ランキングは3位に到達します。

そして2008年の全豪オープンでジョコビッチは自身初のグランドスラムタイトルを獲得します。当時のジョコビッチはまだ20歳ですから今になって考えると驚きです。

驚異的な若さでグランドスラムタイトルを獲得したジョコビッチはすぐに世界No.1になるのかと思いきや、その後はナダル、フェデラー、A.マレーの分厚く高い壁もあり、なかなか世界1位の地位に手が届きませんでした。

しかし、2011年に全豪、全英、全米と3つのグランドスラムを制覇して、念願の世界No.1の座を獲得します。その後は一時的にランキングを2位に落とす期間はあったものの、長期間に渡り世界1位を維持し、現在に至ります。

驚異的な2015年シーズン

これまで数多くのタイトルを獲得してきたジョコビッチが最も輝いたのが2015年シーズンです。この年は誰もジョコビッチには勝てないのではないかと思わせるほど圧倒的な成績を残します。

2015年はシーズン初戦のドーハこそ準々決勝で敗退するものの、全豪OPで自身8個目のグランドスラムタイトルを獲得し、アガシやレンドル、コナーズなどの記録に並びます。その後マスターズ1000のインディアンウェルズとマイアミの2大会を制覇し、両大会を3度制覇した初めの選手となります。

その後もジョコビッチの快進撃は止まらず、クレーシーズンに入るとモンテカルロとローマのマスターズを制覇。その勢いで全仏OPはクレーキングのナダルを撃破して決勝進出。決勝は惜しくもS.ワウリンカに敗れるも準優勝を果たします。

全仏OP後に参戦した全英OP(ウィンブルドン)では自身3度目の優勝。その後全米OPの前哨戦に当たるモントリオールとシンシナティのマスターズ2大会で準優勝し、全米OPは決勝でフェデラーを破り優勝を果たします。

全米OP後もジョコビッチの勢いは止まらず、ATP500北京、上海マスターズ、パリマスターズ、ATPファイナルズとシーズン終了までに参加した4大会全てを制覇。結局2015年シーズンは下記のような驚異的な成績を残します。

2015年シーズン成績
82勝-6敗(勝率:0.931)
獲得賞金額
$18,267,125(約19億1800万円)
獲得タイトル数
11個
(全豪・全英・全米・ATPファイナルズ・MASTERS:6・その他:1)
グランドスラム成績
優勝3回・準優勝1回
(27勝1敗)

特筆すべきは、ジョコビッチも含めてBIG4と呼ばれたフェデラー、ナダル、マレーが3人とも健在だった時期にこれだけの成績を収めたことです。ちなみにこの2015年シーズンでジョコビッチが決勝進出を逃したのはシーズン初戦のドーハ大会だけでした。

お手本のようなプレイをするジョコビッチ。

ジョコビッチのプレイは非常にオーソドックスで、その凄さはテニスファン以外には伝わりにくいかもしれません。しかし、そのプレイは多くのプレイヤーのお手本になります。テニスの上達を望む人ほどジョコビッチのプレイを観察して、そのプレイを真似してみると良いでしょう。