テニスのW杯を目指すデビスカップ

出典:DAVIS CUP

テニスにも団体戦がある。

シングルスあるいはダブルスによる競技がメインのテニスにも実は団体戦があるのはご存知でしょうか?

草トーナメントや学校単位で競う団体戦はよく知られていますが。プロレベルの世界でもいろいろな団体戦が実施されています。

全豪前のワールドテニスチャレンジ、フェデラーのマネジメント会社が創設に関わったレーバーカップ、そして2020年に新設されるATPカップなど日本ではあまり報道されませんが意外と多くの団体戦が世界各地で開催されています。

そんな団体戦の中でも世界最高峰と位置付けられているのが男子のデビスカップと女子のフェドカップです。今回は男子のデビスカップについて執筆していきます。

デビスカップとは。

デビスカップとは国際テニス連盟(ITF)が主催する男子の国別対抗戦のことです。テニスのワールドカップと呼ばれることもあり、一般のファンの間では「デ杯」の愛称で親しまれています。

デビスカップの仕組み。

2019年は世界133か国が参加し、これまでの成績を基にGroupⅠGroupⅡGroupⅢGroupⅣに分けられまています。

シーズンの最後に上位18か国が一堂に集い、3か国ずつ6つのグループを作りラウンドロビンで対戦していきます。各グループの1位の国と、各グループ2位の中から勝ち数、獲得セット率などから上位2か国ノックアウト式の決勝トーナメントに進出します。そしてトーナメントを勝ち抜いた国が優勝国となります。

試合形式は、ファイナルズに関してはシングルス2本、ダブルス1本の3本制で実施され、試合は3タイブレークセットマッチで実施されます。

GropeⅠ、Ⅱとグループ昇格を賭けたPlay offについてはシングス4本、ダブルス1本の5本制で勝敗を決めます。

ちなみにベスト4に進出した国には翌年のファイナルズに自動的に出場する権利が与えられ、敗退した残りの14か国はファイナルズ進出をかけた「Rakuten Qualifers」と呼ばれる最終予選からの参戦となります。

最終予選はファイナルズに進出できなかった国はランキングなどからGropeⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4つのグループに分けられます。

GropeⅠ、Ⅱはそれぞれ24か国が参加し、抽選によって対戦相手を決定し、勝てば昇格を賭けたplay-off(入れ替え戦)へ、負ければ降格を賭けたplay-off(入れ替え戦)の試合へ進む形となります。

GroupⅢ、Ⅳについては各大陸ごとにグループ分けされ、ラウンドロビン方式で試合が行われ、勝ち上がった国が昇格を賭けたPlay-offに進出する形で、これまでのデビスカップと大きなフォーマットの変更はありません。

デビスカップの歴史。

アメリカとイギリスの対抗戦がデビスカップの起源と言われ、そこから徐々に参加国が増えていき、 1923年には参加国の増加からアメリカゾーンとヨーロッパゾーンの2種類の地域に分かれ、それぞれのゾーンを勝ち抜いた国が前年の優勝国と対戦する形式に変化していきました。

その後も参加国の増加に伴い、ゾーンが増えていき、1981年から各地域を勝ち抜いた国でワールドグループを形成し、トーナメントにより優勝国を決める形式に変化しました。

しかしながら、近年ATPツアーの日程が過密化し、プレイレベルの強度向上、賞金額やスポンサー料の高騰に伴う高度なプロ化の影響を受け、デビスカップに参戦するトップ選手の減少が問題視されるようになってきました。

その結果、昨年(2019年)より30年近く続いたデビスカップの形式が変化しました。新しいデビスカップのフォーマットは参加選手、大会運営の負担を軽減するとともに、スポーツコンテンツとして、サッカーW杯など他のメガコンテンツを目指す道を進み始めました。

日本のこれまでの戦績。

デビスカップにおいて、これまでの日本代表は目立った成績を残してきたとは正直言えません。2019年からデビスカップのフォーマットが変わりましたが、それ以前に世界トップレベルの国として認識されるワールドグループに所属できるようになったの本当にここ数年の話です。

錦織圭選手が日本のエースとしてデビスカップに出場するようになり、錦織選手の活躍に刺激を受けた他の日本人選手の成長により、2010年代半ばからやっとワールドグループの地位を維持できるようになりました。

それ以前の話をすると、ワールドグループに入れたのは1985年まで遡る必要があります。過去の日本代表の試合結果が気になる方は日本のデビスカップHPから確認することも可能なので、リンクから確認してみて下さい。

デビスカップの改革。

2019年からデビスカップの形式が大きく変化したわけですが、この改革の動きを推進したのが、2019年からデビスカップのスポンサーとなった楽天の三木谷氏とサッカースペイン代表で名門バルセロナに所属するJ.ピケ氏の二人だと言われています。

ピケ氏は自身の運営する投資会社コスモスグループを通じて、ITFと25年間のスポンサー契約を締結し、自身のコネクションを活かして、楽天の三木谷氏の協力も得て、デビスカップの改革に乗り出しました。

デビスカップの改革に関して、初年度ということもあり、選手からの賛否両論はあるようですが、ピケ氏は本職であるサッカーのシーズン中でも試合後にテニスのトーナメント会場に姿を現すほどのテニス好きであり、協力している楽天の三木谷氏も学生時代はテニス部に所属していたことに加え、実業家としても様々な形で多くのプロスポーツのスポンサーをしているとう事実があります。

この二人が協力することにより、今までは日本でもあまり脚光を浴びることがなかったデビスカップに対する扱いや注目が変わっていき、昨年のラグビーW杯のような大きなムーブメントを起こす可能性もあるのではないかという期待もあります。

これからのデビスカップの可能性。

テニスの団体戦については選手の間でも意外と人気があるのも事実です。普段はシングルスで個人の結果にフォーカスしている選手が団体戦を通して本気でチームメイトを応援する姿は中継でも映し出されたりしますが、視聴する立場としてはかなり新鮮な映像です。

そして、ATPカップが2020年から新しく開催されるなど、団体戦という試合形式は大きな可能性を秘めていることが分かります。とはいえ現状ではデビスカップはITFが、新設されるATPカップはATPが運営するなど、それぞれの団体間の調整など解決すべき課題があるのも事実です。

しかしながら、そういった課題が上手く解決すれば、団体戦というフォーマットは団結やチームワーク、国家という単位で選手を応援することが可能なため、日本でいえばテニスに興味を持ってもらい、裾野を広げる大きなチャンスにもなるはずです。

選手個人の立場としても団体戦だからこそ、普段の試合では対戦する機会の少ないトッププレイヤーとの試合を経験できるなど、実力を向上させるチャンスにもつながるはずです。

団体戦が日本のテニス人気につながることを願います。

最後に、個人的な意見にはなりますが、新しくなったデビスカップをきっかけに日本でもテニスへの大きな興味関心が増えることを期待しています。長くなりましたが今回も最後まで目を通して頂きありがとうございます。

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