テニスの最高峰グランドスラムとは?

出典:Twitterより

プロテニスの世界では全豪・全英・全仏・全米の4つのトーナメントがグランドスラムと呼ばれ、最高峰の大会として認知されています。今回はグランドスラムという言葉の意味と各大会の歴史を記事にまとめました。

グランドスラムとは?

グランドスラムとはテニスの最高峰である「全豪オープン」、「全仏オープン」、「全英オープン(ウィンブルドン)」、「全米オープン」の4つの大会のことを指します。英語では「major(メジャー)」と表現する場合もあります。

上記の4大会は獲得できるランキングポイントと賞金額が高くコート面数や収容できる観客数、トレーニング施設など設備の充実した会場で開催されます。また、予選も含めて参加選手数も多くテニスファンやメディアの注目度も高くあらゆる面でテニス界最高峰の大会といえます。

グランドスラムにまつわる呼称。

「グランドスラム」という言葉は本来、同一年で4つの大会全てを制覇することを意味していました。しかし現在、それぞれの大会を単独でグランドスラムと呼ぶ場合がほとんどです。

そのため、いずれかの大会を制覇することを「グランドスラムに勝つ」と表現し1年間で4つの大会全てを制覇することを「年間グランドスラム」現役の内に4大会全てを制覇することを「キャリアグランドスラム」と呼ぶのが一般的です。

同一年で4大会全てを制覇し、オリンピックの金メダルまで獲得することを「ゴールデンスラム」と言い、さらに年間最終戦も制覇することを「スーパースラム」と呼びます。また、同一年で4大会全てにおいてシングルス・ダブルス・混合ダブルスを制覇することを「ボックス・セット」と呼びます。

1年間での「ボックス・セット」達成者は男女を通じて1人もいません。キャリアを通しての「キャリア・ボックス・セット」であれば、ドリス・ハート、マーガレット・コート、マルチナ・ナブラチロワの3人の女子選手が達成しています。

グランドスラム大会の歴史。

全豪・全仏・全英・全米の各グランドスラム大会の歴史や特徴をまとめました。

全豪オープン。

1月最後の2週間にオーストラリアのメルボルンで開催されるのが全豪オープンです。全豪オープンの始まりは1905年に開催されたオーストラリア選手権です。その後1969年に全豪オープンに名称が変わり、プロを含めたオープン参加となりました。

1982年以前は、オーストラリアの地理的要因や、賞金額の低さ、施設が充実していないなどの理由から、多くのトップ選手が出場を避けるという状況が続いていました。トップ選手の参加を促すため、全豪OPは1983年から開催場所をメルボルンに移し使用コートもハードコートとなります

開催地をメルボルンに変更してからは、交通便の発達や、賞金を含めた選手の待遇改善が進み、多くのトップ選手が参加するようになりました。それに伴い観客動員数も年々増加、今では「ハッピースラム」と呼ばれ、多くの選手・ファンに愛されるグランドスラム大会となっています。

全仏オープン。

毎年5月下旬にフランスのパリで開催されるグランドスラム大会が全仏オープンです。「ローラン・ギャロス」という呼び方でも有名で、赤土と呼ばれるクレーコートが印象的なトーナメントです。

全仏オープンの前身は1891年から始まったフランス選手権です。当初はフランスのテニスクラブ会員のみしか参加できない大会でした。1925年に全てのアマチュアの参加が可能となり、国際ローンテニス連盟にグランドスラムとして認定されました。

ちなみに、全仏オープンはプロも含めた完全オープン化が最も早かったグランドスラムで、1965年にプロ選手の参加が認められました。全仏オープンの決定を受け、他のグランドスラム大会でも次々とプロ選手の参加が認められるようになっていきました。

全英オープン。

毎年6月の最終月曜日から2週間に渡り開催されるグランドスラム大会が全英オープンです。「ウィンブルドン」という呼び方も広く定着しており、グランドスラム大会で唯一グラスコートが使用されるトーナメントです。

ウィンブルドンは伝統を重んじるトーナメントで、選手が着用するウェアは白で統一しなければいけないという規定があります。その他にも一部の例外を除いてコート周辺にはスポンサー広告を掲示しないなどの独自の大会運営が特徴です。

ウィンブルドンは「オールイングランド・ローンテニス&クロッケークラブ」という私設クラブが1877年に開催したローンテニス選手権が起源となっています。他のグランドスラム大会と同様に最初はプロ選手の参加は認められていませんでしたが、1968年からプロ選手の参加が認められるようになりました

全米オープン。

8月の最終月曜日からスタートするグランドスラム大会が全米オープンです。現在の大会はハードコートで実施されていますが、1881年の開催初年度はグラスコートで試合が行われていました。開催当初はアメリカローンテニス協会の会員にしか参加資格は与えられていませんでした。

1887年からアメリカ選手権として開催されるようになり、1924年に国際ローンテニス連盟によってグランドスラムとして公式に指定をされます。そして1968年にはプロ選手にも参加資格が広げられました

グランドスラムとツアー大会の違い。

グランドスラムとその他のプロツアー大会では大会を管轄する国際団体が異なります。グランドスラムとツアー大会の違いについて簡単に説明しておきます。

グランドスラムはITFが管轄。

グランドスラムと呼ばれる四大大会はITFと開催国のテニス協会が連携してトーナメントを実施しています。今回の記事で触れたように、各グランドスラム大会は、開催国のローカル大会としての開催が出発点となっています。そのため、開催国のテニス協会には強い影響力を持っています。

予選や本戦のWC出場者の国籍を調べると、大抵の場合、開催国の選手が多いわけですが、その理由もグランドスラムがローカル大会から大規模化していったことに理由がありそうです。

ツアー大会はATP・WTAが管理。

日程調整が上手くいかず、ツアー大会が中止に。
引用:ATPより

グランドスラム以外の主要なツアー大会は男子はATPが、女子はWTAが管轄をしています。団体が設立されたのはATPが1972年、WTAが1973年とITFの1913年に比べて遅いためグランドスラムの開催に関してATPやWTAはほぼ意見ができないようです

ATPとWTAはグランドスラムに対してランキングポイントを設定しているだけに過ぎません。事実、コロナショックで2020年の全仏オープンの日程が変更されたときは、ATPやWTAとの日程調整が上手くいかず、ツアー大会が中止となる事態となりました。

意外と知らないグランドスラム。

グランドスラム=テニス界最高峰の大会となんとなく理解している人は沢山いますが、各大会の歴史や、グランドスラムという言葉の本来の意味を知っている人は少ないはずです。

今回の記事を通してこれまでとは違った形でグランドスラムに興味が湧いたという方は、ぜひご自分でもいろいろと調べてみてください。今後、よりグランドスラム観戦を楽しめるようになるはずです。