白熱のマイアミ大会 男子編

マイアミ大会

ティエム選手が、フェデラー選手を破り、見事マスターズ1000シリーズ初優勝を飾ったインディアンウェルズ大会、息もつかせず翌週開催のマイアミ大会が白熱しています。

マレー選手があのような状況となり、ナダル選手もケガでインディアンウェルズではフェデラー選手戦をWalk Overとなり、ここへきて不安要素が出てきています。そのフェデラー選手もティエム選手に決勝で敗退、ジョコビッチ選手は何とコールシュライバー選手に敗退と、少し「陰り」もみえるビッグ4の動向です。

このまま「戦国時代」へと突入していくのでしょうか?

錦織選手


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マイアミ大会第五シードの錦織選手、初戦2回戦の相手は、セルビアの44位ラヨビッチ選手でした。年齢は28歳、182センチとそう大柄でもなく、ツアー優勝経験もありません。大会初戦は誰しも緊張感のあるもの、その意味では、ラヨビッチ選手には失礼ですが、初戦としてはまさに絶好の相手でした。

圧倒した第一セット

シード選手としての格の違いを見せつけた第一セットは、錦織選手はブレークポイントさえ許さず、相手サーブを2度破り、6-2と圧倒しました。だれしもがこのまま、錦織選手が第二セットも圧倒、勝利するものと信じていました。

どうした?錦織選手

ところが第二セットに入ると、錦織選手のパフォーマンスが相当落ちていきます。本人は試合後、感覚は悪くなかった、とコメントしています。しいていえば、サーブの調子が今一つであったことは言えるようです。少し甘くなったサーブを叩かれて耐えきれずポイントを失い、たびたびのブレークピンチに遭遇して、リターンゲームに中々集中できない、悪循環に陥りました。このセットは3回もブレークポイントを失い、結局2ブレーク差の2-6で落とします。

反撃ならず

ツアー随一のフルセット勝率を誇る錦織選手ですが、第三セットに入ってもパフォーマンスが上がりません。ラヨビッチ選手の粘り強い守備に手を焼き、このセットも何と2度ブレークされ、逆にブレークポイントは2度ともセーブされて、何と初戦敗退です。

フロリダに拠点を置く錦織選手、マイアミは第二の故郷とも言ってよい場所です。今までも2008年初出場時に初戦敗退はありますが、それ以来このような早期敗退はありませんでした。それも爆発力のある相手が当たりまくり、ものすごくいいプレーをした、というわけでもありません。「なんとなく負けてしまった」これは一番怖いパターンです。第一セットの内容は良かっただけに、このアップダウン(従来からもありました)をいかに減らせるかが今後の活躍のカギです。

4月からクレーコートシーズンに入りますが、ここ2-3年の錦織選手はクレーでもとても良いプレーをしています。昨年準優勝のモンテカルロ大会が皮切りとなりますので、コートサーフェスも変わることですし、気分一新の活躍を期待です。

戦国時代到来の予感

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グランドスラムは全豪を終えたばかり、またマスターズ1000もマイアミが2大会目とシーズンは始まったばかりですが、「大きな山」が少しずつ動き出した感があります。

全豪決勝のカードこそジョコビッチ選手対ナダル選手のビッグ4対決となりましたが、その後のツアー大会、インディアンウェルズ、マイアミのマスターズ1000大会の動向は、かなり意外なものになっています。

ジョコビッチ選手敗退

2017年のフェデラー選手、ナダル選手復活劇場は、2017年全豪決勝を二人が争うという、最高の盛り上がりをみせました。そしてこの年のグランドスラムは、フェデラー選手が全豪、ウィンブルドン、ナダル選手が全仏と全米を制覇し、年齢を重ねても偉大なるビッグ4の健在ぶりを示しました。

2016年全仏まで、ほぼ無敵、ビッグ4の中でも一人ぬきんでていた感のあったジョコビッチ選手が、ケガや、燃え尽き症候群と噂されたスランプから、2018年ウィンブルドンでこれまた見事に蘇りました。フェデラー選手の2017年全豪もそうでしたが、錦織選手との試合が、復活へのターニングポイントとなりました。錦織選手との一戦以降、明らかにギアチェンジされたジョコビッチ選手がいました。

ジョコビッチ選手の勢い、取り戻した自信に裏打ちされたプレーは、他選手を寄せ付けず、全米を勝ち取ると、年明け全豪でも決勝でナダル選手を圧倒し優勝、2018年ウィンブルドンから何と3大会連続のグランドスラム制覇です。その安定ぶりは、しばらくの間、ジョコビッチ選手を倒すのは至難の業とも思わせる状態でした。

500グレード大会はともかく、マスターズ1000では上位ランキングの選手にとっては、負けられない戦いが続きます。全豪の勢いでは、インディアンウェルズ、マイアミともにハードコートでもあり、ジョコビッチ選手の優位は動かないと見られていました。


インディアンウェルズでは3回戦で、ベテランのコールシュライバー選手に何と4-6、4-6のストレートで敗退、マイアミでは苦戦続きで勝ち上がった4回戦で、バウティスタ・アグート選手に逆転で敗退と、ベスト8にも残れず大会を去りました。いずれの選手もベテラン、中堅で何度も対戦していて手の内もわかっている相手、当然対戦成績でも圧倒しており、もちろん実力者ではありますが、ビッグサーバーや大当たりのストローク力などの爆発力はさほど持たない選手達でした。こういった選手に大会前半でジョコビッチ選手が敗退するというのは、極めて珍しいケース、それが2大会続けて起っています。

ビッグ4の陰り

マレー選手の故障による事実上の引退宣言、インディアンウェルズをヒザのケガでウオークオーバーしたナダル選手、ここへきてのジョコビッチ選手の早期敗退、未だ安定して勝ち進んでいるのは、37歳になったフェデラー選手だけという状況です。

10年以上もトップに君臨し、グランドスラムをほぼ独占し続けてきたビッグ4もここへきて、陰りをみせています。とはいえ、2017年のあの復活劇場から、グランドスラムは全てビッグ4が勝ち取っていますので、この指摘はまだまだ当たらないのかもしれません。しかし、男子テニス界が戦国時代に突入する予感をさせる雰囲気が、少しずつ現れています。

マイアミでは、ポストビッグ4の1番手とみられている、A.ズベレフ選手が何とワイルドカードで出場したあのフェレール選手に3回戦で敗退、インディアンウェルズでフェデラー選手を破りマスターズ初制覇したティーム選手も、錦織選手を最近2度破ったポーランドのフルカシュ選手の前に初戦敗退、そのフルカシュ選手も続く3回戦でカナダの新星オジェ・アリアシム選手に敗退、すさまじいつぶし合いが展開されています。

チチパス選手、シャポバロフ選手、チョリッチ選手、メドベージェフ選手、エドムンド選手、ハチャノフ選手などまさに群雄割拠状態、これにディミトロフ選手、キリオス選手、アンダーソン選手、チリッチ選手、ラオニッチ選手など中堅勢も健在なわけですから、まさに初戦から息もつかせぬ試合が続きます。

ますます目が離せない!


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若手、中堅の押し上げ、堅固な牙城いまだそびえたつビッグ4、クレーコートシーズンへとなだれ込んでいく今後の展開は、全く予断を許しません。全仏で未だ2敗しかしていないクレーキング ナダル選手を倒す選手は現れるか?グランドスラムに照準を合わせるジョコビッチ選手のコンディションはどうか?見逃せない試合が続きます!

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