知ってました?硬式テニスと軟式テニスの違い

テニスと呼ばれるスポーツには2種類存在するのをご存知でしょうか?

一般的にテニスと呼ばれている硬式テニスとソフトテニスと呼ばれている軟式テニスの2種類です。今回はこの硬式テニスと軟式テニスの違いを紹介したいと思います。

中学、高校に入学したお子さんから「テニスをやりたい」と言われたけど軟式?硬式?なに?ってお母さんにも見ていただきたいです。

硬式テニスとは?

一般的にテニスと呼ばれているスポーツです。錦織圭選手や大坂なおみ選手が世界を舞台に戦っているのが硬式テニスです。

向かい合った者同士がお互いに1つのボールを打ち合う形の競技の起源は、紀元前まで遡ることができるそうなのでかなり古い歴史があります。16世紀頃に貴族の遊戯としてフランスに定着しはじめます。その後18世紀から19世紀にかけてヨーロッパの貴族の間で大流行します。この頃までは貴族の遊びだったようです。

その後1877年には第一回ウィンブルドン選手権が行われて4年後の1881年には全米テニス協会の前身であるアメリカ国立ローンテニス協会がルールを標準化し、全米シングルス選手権を開催します。この大会とその後行われるようになる全米女子シングルス選手権が現在の全米オープンの前身となります。1900年には国別対抗戦としてデビスカップも始まり現在に繋がっています。

軟式テニスとは?

ここ数年硬式テニス部のある中学校が増えていますが、中学生が部活動で行うテニスといえば軟式テニスです。

そんな軟式テニスの歴史はというとまず硬式テニスが1870年代に日本に伝わります。第一回ウィンブルドン選手権が行われた頃には日本に硬式テニスが伝わっていたことになります。

この頃日本に硬式テニスのボールを作る技術がなくゴムボールを使ったテニスが普及しました。当時ゴムボールも輸入品でしたが1900年に国産化されゴムボールを使ったテニスは日本で独自の進化を遂げます。

その後アジア軟式庭球連盟が台湾、韓国と3カ国で設立されてアジア圏で普及して南米やヨーロッパでもソフトテニス連盟が出来ています。アジア大会では正式種目となっているもののオリンピックなどの世界規模の国際大会で正式種目となったことはないのでアジア圏で親しまれているスポーツといえます。

現在、ソフトテニスという呼称ではありますが、説明上この記事では軟式テニスと表記させていただきます。

ラケットやボールの違い

ボールの構造と性質

元々代用品としてゴムボールを使ったのが軟式テニスの起源ですから、硬式テニスとの違いはボールであり、そのボールを打つためのラケットを含めた用具が一番の違いとなります。

硬式テニスで使われるボールはゴムボールの表面にフエルトを貼り付けたものです。このフエルトがボールにスピンを与えて、フエルトの下にあるゴムが反発を生みます。そのため硬式テニスボールは軟式テニスボールよりも反発が強くスピードとスピンに優れた打球が可能となっています。

一方軟式テニスボールはゴムのみで作られたボールであり、ボール自体が柔らかく打球時に力が加わってもボールが変形してしまい、打球時の衝撃が吸収されてしまいます。

硬式テニスボールよりも反発力がかなり低くスピンも掛かりますが、表面がゴムのためスピン量は少なめです。ボールの重量は硬式60グラム前後、軟式30グラム前後となっています。この重量の違いがラケットの違いに繋がっていきます。

ボールの価格と種類

軟式、硬式ともに練習球と試合球に区別して販売されています。

軟式テニスボールの大まかな価格は、練習球1ダース(12球)3000円前後、試合球が1ダース(12球)4000円前後といったところです。これを一球にすると練習球が250円、試合球が330円となります。

これに対して、硬式練習球であるセントジェームズは60球で8000円前後、試合球であるフォートは60球で15000円前後となっています。こちらも一球に直すと練習球133円、試合球250円となります。

硬式のボールのほうが単位は違うものの安くなっています。構造を考えると硬式ボールのほうが高いのかな?と思いましたが意外な状況となりました。これは軟式ボールを購入するのが学校、硬式ボールを購入するのが一般市民といったことも関係しているかもしれませんね。

軟式、硬式ともに練習球、試合球と別れていますが試合球で練習しても問題はありません。また多くの大会で使用するボールが決まっているので試合球という言葉が存在します。大会では決まった試合球を大会側が用意します。

ラケットの違い

硬式テニス、軟式テニスで使われるボールが違うことを説明しました。このボールを打つラケットについて説明します。

軟式テニスのラケットはボールの重量が硬式ボールの半分程度であるため硬式ラケットと比較して軽く、スリムな見た目のものとなっています。これはボールが軽いため衝撃が硬式ボールより少ないことが関係しています。

ラケット自体の重量も違います。軟式ラケットの多くが200グラムから250グラムに対して硬式ラケットは300グラム前後であり重いものは340グラムあるものもあります。

100グラムの差はかなり大きくて20グラム程の重量差なら持った瞬間にわかる人がほとんどです。衝撃への耐久性と重たいボールに力を加えるため軟式ラケットより重たいラケットを硬式テニスでは使用します。

また硬式、軟式ともに試合前にはラケットを回してトスを行います。軟式ラケットには片方の面にSTAマークが入っていてマークが入っている面が表となります。

一方硬式ラケットにはこのようなマークはないのでグリップの底の部分にあるメーカーロゴの向きで上下を判断します。このためトスの時に軟式テニスでは表?裏?を選択するのに対して硬式テニスでは上?下?の選択となります。トスの方法自体は同じなのですが言葉が違ってきます。

ルールの違い

軟式テニスと硬式テニスのルールの違いとして思いつくのがカウントの読み方です。

硬式テニスがラブ(0)、フィフティー(15)、サーティ(30)、フォーティ(40)と続くのに対して、軟式テニスはゼロ(0)、ワン(1)、トゥー(2)、スリー(3)と続きます。

どちらも相手に3ポイント目を取られずに4ポイント目を取ればそのゲームを取ることになりますから読み方が違うだけと考えてもいいと思います。

読み方の他の違いはダブルスの試合におけるサーブを打つ選手についてです。

硬式テニスではゲーム毎にサーブを打つ選手が固定となります。1ゲームにサーブを打った選手が次にサーブを打つのは5ゲーム目となります。3ゲーム目はサービスゲームですがこのゲームでサーブを打つのはペアを組む相方の選手となります。

これに対し軟式テニスは現在のルールでは同じゲームの中でも2ポイントごとでサーブを打つ選手が変わります。過去のルールでは前衛はサーブを打たない時代もありました。その時代の軟式テニス選手で前衛だった選手はサーブを打つ機会がありませんでした。軟式テニスのルールはよく変わるので同じ軟式テニス部出身者でも少しずつルールが違うので話していると噛み合わないことがよくあります。

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軟式テニスから硬式テニスへの転向

中学生、高校生の頃に軟式テニスをしていて大学や社会人になってからサークルなどで硬式テニスを始める人はとても多いと思います。社会人サークルで硬式テニスをやっていると軟式経験者は決して珍しい存在ではないです。

ただこの軟式から硬式の転向にはメリットもデメリットもあります。仮に子供の頃から将来硬式テニスを行うことが決まっていて子供〜高校生くらいの期間に硬式か軟式どちらを行うか迷っている人がいれば迷わずに硬式をお勧めします。

技術的にはラケットの握り方が違うことで、軟式経験者はサーブ、ネットプレーで苦労することになります。グリップの握りが違うということでボールに対する体勢が全く違ってくるのです。これが軟式から硬式への転向時に戸惑い、困る部分といえます。

では軟式の時のスキルが全く役に立たないかといえばそうではありません。フォアハンドは大きく変えることなく対応でき、硬式転向時に大きな武器になるといっても過言ではありません。

力の伝わりにくい軟式ボールをボールの真後ろから撃ち抜くフォアハンドは硬式テニスでいう厚いあたりのフォアハンドとなり硬式歴の長い人も驚かせることができます。この厚いあたりはテニスを上達させる中でとても重要なスキルであり感覚的に体得している軟式経験者の大きなメリットです。

軟式テニスから硬式テニスへの転向は苦労も多いけど、軟式テニスの技術の流用も一部可能といったところです。しかしテニススクールに通っている小学生が中学の部活で軟式も行いたい。中学の間だけ軟式を行い高校から硬式を再開するというのはおすすめしません。対応はできるものの競技力を第一に考えた場合、転向は効率的とはいえません。

まとめ

硬式テニスと軟式テニスの違いを記事にさせていただきました。いかがだったでしょうか?筆者自身中学、高校と軟式テニス部であり30代から硬式を始めています。硬式を始めてしばらくは苦労しましたが現在ではそれなりに楽しくプレイしています。

どちらのテニスもとても楽しいスポーツです。テニスは60代、70代でも楽しくプレイできるスポーツですから年齢を問わずいつまでも楽しみたいですね。