長男は企業に入り今年で社会人2年目となる。就職した企業の陸上部は全国レベルなのだが、あいにくテニス部はない。しかし、運よく関連企業にテニス部があり、企業同士の粋な計らいで運よくその企業(中国電力)のテニス部に選手として参加することができるようになった。昨年度より練習に参加したり、大事な試合に出場させてもらったりしている。(負けることが多いのだが)
筆者は高校、大学の団体戦は数多く見てきたが、実業団の団体戦は経験がない。長男の応援も兼ねて島根県の松江市に行くことにした。
以下に取材してきたことをレポートする。
期日は6月29日の土曜日。試合会場は松江総合運動公園。
この当たりは流石に錦織選手の出身地だけある。テニスコートの周辺の建物のあらゆるところに錦織選手を応援するなメッセージやポスターが貼られている。明日からウインブルドン選手権が始まるが、ベストを尽くして上位にくい込んでほしいものだ。
さて、実業団のテニスクラブなのだから相当な腕前と思いきや、そうでもない。筆者が出場してもダブルスなら十分楽しめるという感じのチームもある。年齢層は幅広く18歳~50代くらいではないだろうか。やはり全体的には若い選手の方が多かった。
試合の雰囲気はとても和やかである。高校や大学の全国大会の団体戦などは、なんともいえないピリピリした緊張感があったが、この大会は違う。結構和やかに行われていた。参加団体は企業だけでなく、市役所、県庁などもあった。もう一つのエリアでは実業団の女子の試合も行っていた。
数日前から日本全体が遅い梅雨に入り、松江も大雨だろうと予想していたが、空はどんよりした雲に覆われているだけで、雨は降らなかった。そのおかげで順調に試合が消化されていった。
実業団の団体戦はシングルス1、ダブルス2本で勝敗を決める。それぞれ6ゲームマッチ。どの試合もシングルス1とダブルス2は隣同士で同時に行われた。普通2-0になったら打ち切りになるのだが、勝敗が決まっても3試合目が行われていた。運営時間に余裕がるのか、レクレーション(お楽しみや親睦)的な意味合いがあるのかもしれない。
試合の様子
長男のチームは、第1試合は出雲市役所と対戦した、結果は3-0で勝利した。その後待たせることもなくすぐに第2試合が行われた。対戦相手は、またもや市役所だった。今度は岡山市役所。公務員も勤務時間後に集まって練習しているのだろう。敗けたとしても、選手と応援者がともに楽しそうに過ごしていたのが印象的だ。
第4試合は日本製鉄との試合だった。これも危なげなく3-0で勝利した。このチームの応援はすばらしかった。シングル1には、18~19歳位の若者だったせいもあってか、彼が1ポイント奪うたび大歓声が沸き起こっていた。しかし、6‐2で敗けてしまったので本人は非常に悔しそうにしていたが、多くの仲間からファイトやプレー内容などを励まされて、笑顔になっていった。
どこの団体も試合が終わると一緒に記念写真を撮っていた。それぞれがテニスのおかげで人間関係が良好で、楽しい職場になっているのではないだろうか。
決勝戦
そして、いよいよ決勝戦。決勝戦は明日行われる予定だったのだが、時間的な余裕と明日の天候を考慮して当日に行われることになった。相手は「JFEスチール」という企業だった。決勝戦だけは、コート3面展開で行われる。それはシングルス1、ダブルス1、ダブルス2のチームが同時に試合し、2つ勝った方が勝利するというシステムである。そして、勝負が決まった瞬間には、残りの1試合は打ち切りになる。最後の1試合を戦う選手にはなんとも残酷なのだがルールだからしょうがない。
3面展開は一斉に5名の選手を応援することができる。そのため、3つの試合状況とスコアを確認しながらハラハラドキドキの緊張感が味わえる。一か所を集中して応援できないので、全体の状況をみながら忙しく応援していくことにもなる。いずれにせよ決勝にふさわしく選手も応援する者も緊張感が最高潮に達する。
試合の結果
決勝戦らしく、サーブの力、ラリーの迫力、ボレーのテクニックのレベルは高い。親睦の気持ちは消え、どの選手も集中した厳しい表情でプレーしていた。応援する方も真剣に取り組んでいることが声援から感じとれた。
試合が始まって50分過ぎたころ、まずダブルス1が6-2で圧勝した。その後、ダブルス2が6-4で勝利した。
シングルス1はどちらも譲らずに競っていた。最初は「中国電力」の選手がバックハンドスライスを効果的に使い、試合を支配しているように見えた。しかし、第4ゲームあたりから、スライスに対応し始めた「JFEスチール」の選手が押し返し、一進一退の攻防が続いていた。かなりのハイレベルの戦いが繰り広げられていたが勝敗が決まった瞬間、それは打ち切りになってしまった。
微笑ましかったのは、チームの勝敗が決まっても、最後の「1球だけやりましょう。」と中国電力の選手のアピールに相手も応えて最後のラリーが始まったことだ。その1球だけの勝負でプレーを止めた。二人の『最後までやりたかったのに』という気持ちが観ている者にも伝わってきた。
本当にいい勝負だったので、ギャラリーも応援者も「最後まで見届けたい。」という意味のことをつぶやいていた。それを聞いた筆者も同じ気持ちになった。
この実業団の予選で優勝した中国電力は、8月に松山市で行われる本戦に出場することになる。本戦は強豪ぞろいなので、このように比較的楽な試合はできないだろう。シビレルような試合ばかり展開されるはずだ。
その本戦を観戦することができたらまたレポートしていきたい。
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次の記事が楽しみです!!
次の取材にも行けそうです。
よい記事を書きたいと思います。