テニスの得点の数え方とゲーム形式の種類。

出典:Twitterより

テニスのポイントの数え方は特殊で、初めてテニスを観戦した人は戸惑うはずです。加えて試合形式も大会ごとに異なり、いろいろな種類があります。今回はテニスの得点の数え方と、さまざまな試合形式の種類を記事にしました。

得点の数え方。

テニスの得点の数え方は、ポイント、ゲーム、セットと大きくに3つに分けられます。それぞれ確認していきます。

ポイント(得点)

テニスのポイント(得点)は1ポイントずつ数えずに、0(ラブ)→15(フィフティーン)→30(サーティ)→40(フォーティ)と特殊な数え方をします。先に4ポイントを先取すると1ゲーム取得となります。

お互いに獲得ポイントが3得点で並ぶ40-40となるとDeuce(デュース)となり、相手に2得点差をつけるまでポイントを繰り返します

Deuceになった場合、1ポイントリードしたらアドバンテージサーバー or アドバンテージレシーバーとなります。アドバンテージポイントを獲得した選手が続けて得点すると1ゲーム取得となり、得点を落とした場合は再度デュースとなります。

試合によってはデュースを採用せず、40-40になったら次のポイントを取った方がゲームを取得する「ノーアドバンテージルール」もあります。

ゲーム

ゲームの数え方は通常の数字の数え方同様に1→2→3…と数字の順番通りに数えていきます。大会のルールによって変わることもありますが、基本的に6ゲームを取得すると1セット獲得となります。

ゲーム取得数が5-5で並んだ場合は、ポイントの時と同じように2ゲーム差をつけないとセット取得となりません。試合ルールによって変わりますが、ゲームカウントが6-6となった場合はタイブレークを実施し、タイブレークを取った方がセット取得となります。

タイブレーク

タイブレークは通常の1ゲーム分として扱われ、7ポイント先取したほうがそのゲームを獲得します。

タイブレークは6ポイントごとにコートチェンジを行い、奇数ポイント終了の度にサーブとリターンを交代しながらプレイを進めていきます。タイブレークの場合、5-5で並ぶとどちらかが相手に2得点差をつけるまでタイブレークを続けます

タイブレークはセット勝者を決めるために実施します。タイブレーク取ると自動的にセット取得となります。

セット

セット数は普通の数字と同じように1→2→3と数えていきます。プロの試合は3セットマッチが基本で、先に2セットを先取したほうが勝利となります。グランドスラムの男子シングルスは5セットマッチで行われ、先に3セット取得したほうが勝利となります。

試合形式。

テニスの試合形式は大会によってバラバラです。取得ゲーム数で勝敗を決めることもあれば、セット数で決める試合もあります。具体的な大会例を挙げながらどのような試合形式があるかを確認していきます。

3セットマッチ。

プロテニスの試合で最も一般的な試合形式です。6ゲーム先取でセット奪取。先に2セット取得したほうが試合に勝利します。女子プロテニスの試合はグランドスラムも含めて基本的に3セットマッチで実施されます。

5セットマッチ。

プロテニスの試合でもグランドスラムやデビスカップの男子シングルスなど一部の試合で採用されているのが5セットマッチです。先に3セット先取したほうが勝利します。

当然、プレイするポイント・得点数は多くなり、第5セットまでもつれ込むような接戦になると5時間を超えるようなロングマッチになる場合もあります。

4ゲームセットマッチ。

ほとんどの試合は6ゲーム先取で1セットですが、4ゲーム先取で1セットとするのが4ゲームセットマッチです。ATPツアーでは若手選手を対象にしたツアー最終戦であるNextGen ATP Finalsで採用されている試合形式です。

1セットが4ゲームになることで試合進行が早くなります。試合時間が読めないテニスはテレビ放送には向いていませんが、1セットが4ゲームになることで放送時間の短縮が可能になり、選手の身体的負担も軽減し、選手の怪我を減らす効果も期待できます

10ポイントマッチタイブレーク。

3セットマッチや5セットマッチの試合で、1セットオールや2セットオールとなった場合、最終セットの勝敗を10ポイントのタイブレークで決めるのが10ポイントマッチタイブレークです。

ATPなどのプロレベルの試合では現在、ダブルスのみ10ポイントマッチタイブレークが採用されています。こちらも4ゲームセットマッチと同じような効果が期待できます。

1セットマッチ。

アマチュアの草トーナメントでよく採用される試合形式が1セットマッチです。先に6ゲームを先取したほうが勝利となります。

1セットで試合結果が決まるため、相手のテニスに慣れる前に試合が終わったり、試合前にしっかりアップをしておかないと身体が温まる前に試合が終わったりすることも少なくありません。

8ゲームマッチ。

1セットを8ゲーム先取で行う試合が8ゲームマッチです。8ゲームマッチは1セットマッチと3セットマッチの中間の試合といえます。試合時間は短くもなく、長くなり過ぎることもありません。

実力差が大きい場合は30分程度試合が終わる場合もありますが、実力が拮抗して競った場合でも1時間半程度で試合が終わります。

アドバンテージセットとタイブレークセット。

試合時間の長さを左右するのがセットにタイブレークが採用されているかどうかです。テニスは基本的にサービスゲームが有利と言われていますが、レベルが上がれば上がるほどその傾向は顕著になります。

特に男子プロの試合になるとサービスゲームのキープ率は80%を超えることは普通で、実力が拮抗しているとお互いに相手のサービスゲームを破れず、試合時間が長くなってしまいます。

セットにタイブレークが採用されていれば、ゲーム数ではなく、タイブレーク時の得点数でセット勝者が決まるため、試合時間が極端に長くなることもありません。

一方、ゲーム数でどちらかが2ゲーム差をつけるまでセット奪取が決まらないアドバンテージセットを採用していると試合が長時間になるケースも出てきます。

アドバンテージセットにおける最長時間は?

アドバンテージセットで最も試合時間が長くなったのは2010年ウィンブルドンではイスナー対マウの一戦です。試合時間は11時間を超え、総プレイ得点数は980と信じられないような長時間の試合となりました。

ちなみにこの試合で勝利したイスナーの総得点数が478で、マウの総得点数が502と負けたマウの方が多く得点していたというテニスならではの結果となりました。

タイブレークでの最多プレイ得点数は?

タイブレークにおける最多プレイ得点数は42得点で、2019年にアルゼンチンの下部ツアー大会の予選で22-20というスコアが記録されています。タイブレークだけで1セット分のプレイ得点数に匹敵するような数字です、

テニスは目の前のポイントに集中する!

テニスの得点の数え方は複雑ですが慣れてしまえば苦労しません。試合形式もいろいろありますが、どんな形式であれ1得点ずつ積み重ねていく事に変わりありません。

テニスの場合、試合を通しての得点数が相手より少なくても勝利することが可能です。どんな状況であれ、実際にプレイする場合はとにかく目の前の1得点、1ポイントに集中することが大事です。