テニスコートにはいろいろな種類があります。今回は世界のテニス界で最も普及しており、スタンダードなコートサーフェスであるハードコートについていろいろと調べてまとめてみました。
テニスコートの種類。
テニスコートのサーフェスには様々な種類があります。細かく分けていくと際限がありませんが、大きな括り分けると5種類になると思います。
ハードコート、グラスコート、クレーコート、オムニコート(砂入り人工芝)、カーペットコートの5つです。簡単に各コートの特徴にも触れておきます。
ハードコート。
プロの試合など公式戦で最も利用されるコートサーフェスです。コート表面が固く、足腰への負担は大きくなりますが、ボールのバウンドは高くなり、バウンド後のボールスピードもあまり失速しません。
他のコートに比べ、コートメンテナンスに手間がかからないというメリットがありますが、雨が降ってコート表面が濡れてしまうと足元が滑って危険なため、使用できなくなるというデメリットもあります。
グラスコート。
テニスの聖地ウィンブルドンで採用されているコートサーフェスで、その名の通りコート表面が芝になっているコートです。芝の生育管理に大きな手間がかかるため、グラスコートを採用しているテニスクラブは世界的に少なく、日本でも採用しているコートは滅多にありません。
グラスコートの特徴としては、ボールのバウンドが低くなり、加速するようにボールが伸びてくると言われています。
クレーコート。
コート表面が土になっているコートです。四大大会では全仏オープンでも採用されるなど南米やヨーロッパではポピュラーなコートです。一定量の降水量があるとコートの使用が出来なくなってしまうので、降水量の少ない地域で普及しています。
クレーコートの特徴としてはバウンドにボールの勢いがコートに吸収されるため速度が遅くなり、他のコートに比べ長いラリーが続く傾向があります。
オムニコート(砂入り人工芝)。
日本や東南アジアの一部で見られるコートです。主に屋外スポーツであるテニスの場合、降水量の多い地域ではコートの使用が制限される場合が多くなります。
多少の雨でもプレイが出来るようにと生み出されたのがオムニコートです。多少の雨でもコート表面に水が溜まることがなく、コートメンテナンスもクレーコートに比べ楽なため日本では最も普及しているコートです。
コートの特徴は球足が遅く、ボールの弾みも低いためラリーが非常に長く続く傾向があります。
カーペットコート。
屋内テニススクールなどでよく利用されているサーフェスです、足腰への負担が少なく、メンテナンスの手間もあまりかかりません。バウンド後にボールがほぼ失速しないという特徴があります。
ハードコートの普及度合い。
ATPツアーなどプロのトーナメントではハードコートが最も採用されています。四大大会では全米、全豪と全4大会中2大会、MASTERS1000でも全9大会中6大会にハードコートが採用されていることからも世界的にハードコートが世界の主流になっていることが分かります。
ATP250,500の大会での採用コートを調べても、2020年は全51大会中29大会でハードコートが採用されています。このことからもハードコートで勝負できないと世界では戦えないことが分かるはずです。
なぜハードコートがスタンダードに?
ハードコートが数多くの大会で採用されている理由はいくつか考えられます。
コートメンテナンスの負担が軽い。
コートの採用は各大会ごとの判断になります。大会運営という観点で考えるとコートメンテナンスなどコート管理の負担が最も軽いためハードコートが採用されているというのが一つの理由と考えられます。
試合時間の長さ。
もう一つの理由としてはコートサーフェスが試合時間及ぼす影響も関係しているのではないでしょうか。四大大会の男子シングルスの最長時間を調べたところ、全豪5時間53分、全仏6時間33分、全英11時間5分、全米5時間26分となっています。
全英については他の大会と異なりファイナルセットでのタイブレークがなく、サービスキープがしやすいコートという特殊要因があるので、除外して考える必要があります。
全豪、全米、全仏の3大会で考えるとやはりクレーコートである全仏オープンが他の2大会に比べて30分以上試合時間が長いことが分かります。つまりハードコートはクレーコートに比べて試合時間短くなると考えられます。
大会運営の観点からすると、試合時間が長くなり大会の進行に支障が出る事態はなるべく避けたいはずです。そう考えるとクレーコートよりも試合時間が長くなりにくいハードコートが多くの大会で採用されるのも納得できるはずです。
世界で活躍するにはハードコート仕様のテニスが必要。
ここまで述べてきたようにハードコートが世界的にはスタンダードであるコートであるというのは疑いようがありません。つまり、世界を舞台に活躍しようとすればハードコートで通用するテニスをしっかりと身に付けておく必要があります。
ハードコートではしっかりとスイングしてボールを打ちぬく技術が必要になります。チャンスがあれば積極的に攻撃していくテニスが今のプロテニス界では主流となっているからです。
日本で広く普及しているオムニコートはボールの球足が遅くなり、ラリーが続きやすいため、どうしても強打を避けて、ミスしないようなリスクの低いショットを選択するようなテニスでも勝ててしまいます。
リスクを取って攻撃的なプレイにトライしていかないと上達もありませんし、格上の選手にもなかなか勝てるようになりません。実際に、クルム伊達公子氏がハードコートの必要性について自身の論文で言及しています。
上達するにはハードコートでプレイを!
日本ではオムニコートが最も普及しており、足腰への負担が少ないという理由からも一般のテニス愛好家には人気がありますが、テニスの上達という観点から考えるとハードコートでプレイすることを強くおすすめします。
ハードコートは自分が打ったボールがどのように弾むかなどをはっきりと確認することも可能ですし、しっかりとラケットを振りぬけばエースを奪うこともできます。バウンド後にボールスピードもあまり失速しないので、打つ前の準備も自然と早くなっていきます。
自分の技術をしっかりと確認するという意味でもレベルを問わずハードコートでプレイすることは非常に効果があるはずです。いつもオムニコートでプレイしている人もたまにはハードコートでプレイする機会を作ってみてはいかがでしょうか。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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