テニスの服装にまつわるあれこれ。服装規定を知らずに試合に出ると失格になる場合も!

遊びでテニスを年に1回する程度であれば服装にこだわる必要はないと思います。しかしながら定期的にテニスをやり試合に出るのであれば服装に気をつける必要があります。今回はテニスの服装規定や元テニス選手が立ち上げたアパレルブランドなど服装にまつわるあれこれをまとめました。

テニスウェアとは?

JTA(日本テニス協会)のルールブックでは、公認大会に出場するにはテニスウェアの着用しなければならないという服装規定が明記されています。しかしながらそもそもテニスウェアとはどのように定義されているのでしょうか?

引用: http://nara-tennis.com より

何か特別な定義があるのかと思えば、明確なテニスウェアの定義はないようです。大会でははテニスウェアの着用が明示されていますが、明確な定義がないため、テニスウェアかどうかの最終的な判断は大会レフェリーがします。

ただ、明確なテニスウェアの定義もないのでレフェリーも判断のしようがありません。そのため、グレードの高いトーナメントにでも出場しない限りはウェアについて厳しく指摘されるようなことは基本的にありません。

一つ気をつけなければいけないのは、ショーツ(ショートパンツ)という定義です。テニスウェアかどうかは問題になりませんが、丈の長いパンツの着用は試合で認められないと明確に記載されています

私自身も経験があるのですが、冬場に出場したJTA大会で身体が温まるまでは下にウィンドブレーカーを履いたまま試合に入ろうとしたらレフェリーから注意されてしまいました。

草トーでは黙認される場合がほとんどですが、大会要項にははっきりとJTAルールブックに準ずると記載されていること多いので、試合相手に指摘される可能性もあります。もしも冬場に試合に出る方は注意してください。

実は厳しい試合における服装規定。

アマチュアの試合であれば、細かく服装についてレフェリーから指導が入ることは滅多にありません。しかし、全国大会や、プロの出るような大会になると途端に細かいチェックが入るようになります。

プロの出場する大会や、独自の服装規定を持つ大会など、具体的な事例を挙げて紹介していきます。

公式戦の服装規定。

引用: http://nara-tennis.com より

全国大会や、大会スポンサーがつくような大会になると、注目度も高くなるので、ウェアのブランドロゴの大きさや数など細かくチェックが入ります規定に違反すると場合よっては失格になることもあります。

レフェリーがしっかり進行管理する大会になると、主審によるルール確認や服装チェックがコートに入って行うアップ前に必ずあります。テニスの試合中継でフォトセッションを含めて試合前に選手と審判が話している様子を見たことがある人も多いはずです。

ちなみにラケットのストリングに入れられているロゴは中体連、高体連の主催する大会では広告と判断され認められないので注意が必要です。

ダブルスにおける服装規定があることも。

昨年(2019年)の毎日テニス選手権の予選に出たときに、ダブルスにエントリーしていた選手から聞いて知ったのですが、JTTのようなグレードの高い国内大会ではダブルスペアは同系色のウェアで揃えて着用しないといけないというルールがあったようです。

ダブルスの場合はペアでウェアを合わせることも多いかもしれませんが、大会要項で服装を細かく確認する人は少ないため、同大会では会場でダブルスの服装規定を知り、慌てていたペアもいたそうです。

https://twitter.com/Karinterami1010/status/1162700542222585856

ダブルスペアでウェアの色を合わせるような服装規定がある大会は非常に稀ですが、どんな大会であれ、事前にちゃんと大会要項は確認しておくべきですね。

独自の服装規定を持つウィンブルドン。

テニスの服装規定で最も有名なのはウィンブルドンです。ウィンブルドンでは白を基調としたウェアを着用することが義務付けられています。服装規定があるため、ウィンブルドンではウェアのデザインがかなり制限されます。

制限がある中でも各テニス用品メーカーはなんとかデザインで差別化を図ろうと努力しています。ウィンブルドンでは各メーカーの細かいデザイン性の違いに注目するのも一つの楽しみ方かもしれませんね。

ウィンブルドンで白のウェアが服装規定になっている理由はウェアが白で統一されるテニスの聖地ウィンブルドンの謎。の記事に書いてあるので興味がある方はご覧ください。

元テニス選手が立ち上げたアパレルブランド。

テニス選手で引退後にアパレルブランドを立ち上げる人もいます。スポーツウェアではなく普通のファッションブランドとして有名になることも多いのですが、いくつか具体例を挙げておきます。

ラコステ

ワニのブランドロゴで有名なラコステはフランスの元テニス選手だったルテ・ラコステが立ち上げたアパレルブランドです。2020年シーズンよりジョコビッチとウェア契約を結んだことでも話題になりました。

日本ではスポーツウェアと言うよりもおしゃれなアパレルブランドというイメージが強いので、元テニス選手が立ち上げたブランドだと知っている人は意外と少ないはずです。

フレッド・ペリー

男子テニスで史上初めてキャリア・グランドスラムを達成したイギリスのフレッド・ペリーが立ち上げたブランドです。マレーが77年ぶりにイギリス人としてウィンブルドンを制覇する前の記録をもっていたのがフレッド・ペリーです。

元々はスポーツウェアの会社として、創業したフレッド・ペリーですが、ファッション性から人気が高まり、今ではスポーツウェアよりも普通のアパレルブランドのイメージが定着している印象があります。

創業者のフレッド・ペリーがテニス選手だったことから、会社はテニスへの支援活動を続けています。トーナメントの開催や選手の活動資金のサポートなどがあり、テニスとの関わりの深さを感じさせます。

セルジオ・タッキーニ

セルジオ・タッキーニはイタリアの元国内チャンピオンが設立したカジュアル・スポーツウェアのブランドです。タッキーニの元テニス選手としての知名度はラコステやペリーに及びませんが、今でもテニスウェアをメインにブランド展開をしており、日本でもテニスウェアとしてそれなりに認知されています

過去にウェア契約をしていた選手には、ジョコビッチ、P.サンプラス、M.ヒンギスなどがおり、現在も複数の選手とウェア契約を結んでおり、試合中継などで目にした人も多いはずです。

服装選びもテニスの楽しみの一つ。

テニスウェアについては明確な定義がないため、結局のところはテニスウェアとしてブランドが認知されているかどうかが判断要素になるのではないでしょうか。テニスウェア選びにもしも困ることがあれば、プロ選手が着用している服装・ブランドを参考にすれば試合で注意されることもまずありません。

個人的な印象ですが、テニスをする人は服装こだわる人と、こだわらない人がはっきりと分かれます。テニスウェアによって個性を表現したり、プロのウェアを真似して形からテニスに入るなど、服装だけでも楽しみを見出せるのはテニスの魅力の一つですね。