全豪オープンで圧倒的な強さを見せて優勝した現世界ランキング1位、ノバク・ジョコビッチ。しかし、一時期は全盛期の強さは影を潜め、苦しい時間を過ごしました。そんなジョコビッチが不調から再び世界の頂点に立つまでのここ数年の流れをまとめます。
ノバク・ジョコビッチのプロフィール
- 名前:Novak Djokovic
- 生年月日:1987年5月22日(31歳)
- 出身:セルビア、ベオグラード
- 居住地:モナコ、モンテカルロ
- 身長:188cm
- 体重:80kg
- 右利き、両手バック
- 主な成績:世界ランキング1位・生涯グランドスラム達成・生涯ゴールデンマスターズ達成・グランドスラム15勝、マスターズ32勝、ツアーファイナル5勝
無敵の2015年~2016年前半
ジョコビッチはこの時期、誰も手がつけられない強さを誇りました。2015年は、全仏を除くグランドスラム3大会全てで優勝。その全仏ですら準優勝を飾りました。さらに、年間9大会のマスターズのうち6大会を制覇。ツアーファイナルまでも制し、この年は16大会に出場し11大会で優勝、4大会準優勝、年間勝率93.2%という驚異的な成績でした。2016年に入ってもその勢いは衰えず、年始の全豪でマレーを下して優勝すると、全仏でも同じくマレーを下して優勝。グランドスラムを4大会連続で優勝する快挙とともに、史上8人目の生涯グランドスラムを達成しました。しかし、その後は失速。ウィンブルドン3回戦敗退、オリンピックでも盟友デルポトロにまさかの1回戦負け。全米では決勝に進出しますが、決勝でワウリンカに敗れます。ツアーファイナルでは決勝でマレーに敗れるなど、普通に考えれば十分すぎる好成績ながら、2年4か月ぶりに1位陥落となりました。
2017年、完全失速
そして2017年、ジョコビッチはキャリア最悪の時期を迎えます。まず、キャリア6勝を誇り、3連覇中と最も相性のいい全豪でまさかの2回戦負け。その後も時折活躍は見せるものの、結局1年間で獲ったタイトルはドーハとイーストボーンの二つのみでビッグタイトルなしという、それまでのジョコビッチとは程遠い1年となりました。それには、まず第一にひじの怪我によりウィンブルドン以降試合に出ていないことが挙げられます。これほど長期の休養を取るのは、ジョコビッチのキャリアで初めてのことでした。また、2006年から10年以上ともに歩んできたバイダコーチをはじめ、ボリス・ベッカーを含むサポートチームを解散させてしまいます。代わりに、レジェンドであるアンドレ・アガシとラデク・ステパネクをコーチに迎え、2018年シーズンでの巻き返しを図るのでした。
2018年、どん底から再び世界王者へ
そして迎えた2018シーズン、復活をかけた全豪では4回戦でチョン・ヒョンに敗れ、その後ひじを手術するため短期離脱し、再度復帰したインディアンウェルズ、マイアミ両マスターズでは初戦敗退を喫します。その後のクレーシーズンでも結果が振るいませんでした。ただし、ローママスターズと全仏ではベスト8まで進んでいます。しかし世界ランクは22位まで落ちました。誰もが、復活にはまだまだ時間がかかると思っていました。しかし、2017年に関係を終了したバイダコーチを再び陣営に迎えると、芝シーズンに入った途端、クイーンズクラブで準優勝します。さらにウィンブルドンでは錦織圭、ラファエル・ナダル、ケビン・アンダーソンを下し見事優勝。突然、電光石火の速さで復帰を果たしました。その後も復帰が一時的なものではないことを証明するかのようにシンシナティマスターズを制して史上初のキャリアゴールデンマスターズ(マスターズ9大会全てで優勝すること)を達成し、さらに全米、上海マスターズも優勝。怒涛の勢いで勝ちまくり、ツアーファイナルでは決勝でズベレフに負けるものの準優勝。世界ランキング1位に返り咲き、完全復活を果たしたのでした。
2019年、そしてこれから
復活を果たして迎えた2019年、見事全豪で7度目の優勝を果たし、強いジョコビッチの姿を見せてくれました。長い暗闇のトンネルから抜け出し、再びまぎれもない世界の頂点に立ったジョコビッチ。これからも、世界のトップとしてテニス界を引っ張っていってくれるでしょう。
[…] 出典:tennisnavi.jp […]