テニスを始めたばかりの人はもちろん、どんなレベルであれ、テニスラケットを新しく買い換える場合はいろいろと悩むはずです。ネットで検索すればおすすめラケットを紹介するようなサイトはたくさんありますが、今回はラケット選びの注意点と、選び方についてまとめました。
おすすめラケットは信用しない!
ラケット選びでまず気をつけて欲しいのは「おすすめ」の言葉を鵜呑みにしないことです。特にテニスショップのPOPやテニススクールのコーチがおすすめするラケットは、その人へのおすすめとは限りません。
ショップやスクールのコーチがおすすめするラケットは、「おすすめ!」ではなく、「売りたい!」ラケットの場合がほとんどです。特にニューモデルのラケットを勧められた場合は注意が必要です。
契約コーチに課せられたノルマ。
テニススクールのコーチは、スクールを通してラケットメーカーと契約を結んでいる場合がほとんどです。契約を結んでいるコーチは、契約メーカーからラケットの販売ノルマが課せらていることがほとんどです。
もしも契約コーチが使用しているラケットと同じメーカーのニューモデルへの買い替えを勧められたときは一度疑ったほうがいいかもしれません。
スクールのコーチがおすすめするラケットであれば試打用ラケットが用意されているはずです。コーチにラケットをおすすめされた場合は必ず試打をしてから判断するべきです。試打をした上で、自分が納得できれば購入しても問題ありません。
コーチのおすすめを信用しても良いケース。
もしも普段レッスンを担当しているコーチが、コーチ自身が使用しているラケットと異なるメーカーのものを勧めてきた場合は、信用しても良いのではないかと思います。
基本的にヨネックス、ウィルソン、ヘッド、バボラ、プリンスなど有名なラケットメーカーであれば初心者から上級者までそれぞれのレベルに合わせたラケットを開発・販売しています。特定のメーカーだけでなく、各メーカーで似たような種類のラケットを候補に挙げてくれるコーチや店員は信用できるはずです。
引っ越しや高額な商品を購入するときは、複数の選択肢・候補から最終的な決定をするはずです。同じように、ラケット選びでも購入前に複数のラケットを比較してから購入するものを決めたほうが失敗・後悔する可能性は低くなります。
ラケットに求める機能や要素で優先順位を決める。
一部のトッププロがメーカーとラケットを共同開発するような場合を除き、自分の求める機能を全て兼ね備えたラケットに巡り合うことはまずありえません。ラケット選びでは自分なりに優先する機能・要素を明確にしないと、失敗する可能性が高くなります。
ではラケットを比較検討する際に考えられる項目をいくつか挙げておきます。
フェイス面積と重量
最近のラケットのフェイス面積はほとんどが100平方インチなので、フェイス面積でラケットの選択肢が狭まることはありません。ちなみにフェイス面積が大きいラケットほど、楽にボールを遠くに飛ばすことができ、フェイス面積が小さいほどしっかりと自分でラケットを振ってボールを飛ばす必要があります。
重量については長時間の試合でも最後まで振り切れる重さのラケットを選びましょう。また、純粋なラケットの重さよりも、振ったときに感じる重さ(スイングウエイト)の方がラケット選びでは重要になるので、購入前に素振りや試打などでスイングウエイトを確認すべきです。
ストリングパターン
目指すプレイによってストリングパターンも変わってきます。コントロール重視であまりボールに回転をかけない人は細かいストリングパターンのラケットがおすすめです。
一方、コントロールよりもボールにしっかりと回転をかけたいという人は粗いストリングパターンのラケットを選ぶと良いでしょう。
価格やデザイン
直接的にプレイに関係する要素ではありませんが、テニスを楽しむことに重点を置くのであれば、価格やデザインを優先してラケットを選ぶのも一つの方法です。
メーカーは売上を出すために、定期的にニューモデルのラケットを発売しています。しかし、2~3年程度では使用される素材が大きく変わったり、性能が劇的に向上するような大きな変化はほぼありません。
価格だけを考えれば、ニューモデルが発売され、型落ちした一つ古いモデルのラケットを選ぶだけでメーカーの希望小売価格の半額以下で購入できる場合もあります。
デザイン重視でラケットを選ぶのも決して悪い方法ではありません。デザインが気に入ったラケットを使うことでテニスへのモチベーションが上がり、上達につながる人もいるはずです。
誰かにおすすめされたからという理由ではなく、あくまでもラケットは自分なりの優先順位を明確にして選ぶ方が有益です。自分で吟味して購入したラケットを使うことで、テニス熱も高まり、練習にも身が入り大きな上達にもつながるはずです。
ラケット選びに失敗しないために。
ここまで書いた話をもとにラケット探しを行い、もしも気になるラケットが見つかったときは、購入前に必ず試打をすることを忘れないでください。
テニス雑誌やネットなどでラケット紹介はいろいろありますが、最終的には自分の感覚に合う合わないが鍵になります。あとで後悔しないためにもラケットの試打は必須です。
お店によって、試打ラケットの有無はありますがたいていの場合は確認すれば用意してくれます。発売されたばかりのラケットや、売上の多い人気のモデルであれば、試打ラケットを用意しているお店がほとんです。
ちなみに試打ラケットのストリングはお店が任意で張っています。どうしてもラケット選びに失敗したくない人は、普段自分が使っているストリングを張ってもらい、試打するという方法もあります。その場合はストリング代は自己負担になりますが、購入後に後悔する可能性も断然低くなります。
ストリングで微調整は可能。
ラケット選びも大切ですが、どんなストリングを何ポンドで張るかによってボールを打つフィーリングは大きく変わります。打感やボールの飛びなど、細かい微調整はストリングですることができるので、ラケット選びに必要以上にこだわって買い替え控えるのは避けましょう。
ストリングについて詳しく知りたい方は→「テニスでスピンボールを打ちたい人のガットの選び方。」の記事を読んでみて下さい。
ラケット選びも前向きに楽しむ!
誰にとってもおすすめできる万能ラケットはありません。また、ラケットだけでなく、ストリングを変えることでもボールの飛びや打感などフィーリングは大きく変化します。
自分にとって最高のラケットを見つけるのは大変かもしれませんが、理想に近いラケットに巡り合えれば快適にプレイすることができ、大きな上達にもつながります。
今回紹介した方法で1人でも多くの方が自分の理想に近いラケットに辿り着く手助けになれば嬉しいです。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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