テニスラケット選びでストリングパターンまで気にする人は少ないかも知れません。しかしながら競技志向のプレイヤーにとってはストリングパターンは非常に重要なスペック要素の一つとなります。
今回はストリングパターンがなぜ重要なのか、ストリングパターンの変化によってどのような影響が出るのか、ラケット選びに絡めてお伝えしていきます。
テニスラケットのスペック。
テニスラケットのスペックにはヘッドサイズや重量、バランスなどさまざまな情報があります。スペックが変わるだけでラケットの性能は大きく変化します。その証拠に同じモデルのラケットでも一部のスペックだけ変えて販売してるケースもあります。
せっかくラケットを選ぶのであればスペックについての知識があった方が、よりラケット選びの面白味が増しますし、自分にとって最適なラケットに巡り合う可能性も高くなります。
ストリングパターンとは?
ストリングパターンとはラケットに張るストリング(ガット)の縦糸と横糸の本数のことです。表記の仕方は「縦糸×横糸」の形で数字で表わします。例えば「16×19」であれば、縦糸が16本、横糸が19本という感じです。
ストリングパターンが変わることでラケットに大きな影響がでます。ストリングパターンはいろいろありますが「16×19」を採用しているラケットがほとんどです。それ以外では「18×20」や「16×18」のパターンを採用しているラケットが多く、その他のストリングパターンは非常に稀です。
ストリングパターンで何が変わる?
ストリングパターンが変わることでボールの飛び、ボールの回転量、ボールコントロールのしやすさが変化します。大まかに「18×20」のような細かい目のストリングパターンと、「16×18」のような粗い目のストリングパターンでどのような違いが起こるかをまとめていきます。
細かい目のストリングパターン。
細かい目のストリングパターンはボールをインパクトしたときにストリングのたわみが少なくなります。たわみが少ないのでボールコントロールにブレが少なく、狙ったところにボールを打ちやすくなるというメリットがあります。
コントロールがつきやすい一方で、細かい目のストリングパターンはたわみが少ないため、自分の力でボールを飛ばす必要があります。使いこなすには早いスイングスピードが要求されるというデメリットがあります。
粗い目のストリングパターン。
粗い目のストリングパターンはストリングのたわみが大きくなるのでボールを飛ばしやいのがメリットです。また、ストリングの目が粗いことでボールがひっかかりやすく、細かい目のストリングパターンに比べてボールに回転をかけやすくなります。
デメリットはストリングのたわみのせいでボールコントロールが難しくなるところです。ただ、ボールコントロールについては上級者で、ラケットを試し打ちしながら使い分けないと感じないようなレベルなので、そこまで気にする必要はありません。
ストリングパターン×ラケットの選び方。
ストリングパターンによって打つボールの質をある程度コントロールすることができます。自分なりのプレイスタイルが固まっていたり、特定のプレイスタイルを目指しているなど、何か理由があるプレイヤーはストリングパターンを意識してラケットを選ぶのがおすすめです。
ではストリングパターンと相性の良いプレイスタイルについてまとめていきます。
試合志向の上級者は18×20のラケットを!
試合志向の強い上級者ほど18×20など細かいストリングパターンのラケットを選ぶのがおすすめです。
テニスレベルが上がるほどボールコントロールは重要で、ボール1個、2個の差でポイントが取れる取れないが変わってきます。ボール数個分のコントロールにこだわるのであれストリングパターンの細かいラケットを選びましょう。
加えて、上級者ほどスイングスピードは速くなるのでバックアウトを減らすという意味でも、ボールの飛びを抑えられる細かいストリングパターンのラケットが上級者には最適です。
ボールの回転を打ち分けたければ粗い目のラケットを!
粗い目のラケットは回転がかけやすいので、スピン、スライスなど回転の打ち分けをマスターしたい初心者ほどおすすめです。
テニスコーチの立場から話すと、ボールの回転を打ち分けられるかどうかでテニスの上達スピードが大きく変わります。回転を上手くかけられずにコートにボールを収めることばかりに意識を集中している人はなかなか上達しません。回転の打ち分けを覚えたい方は粗い目のラケットを使ってみて下さい。
その他では、強いトップスピンをボールにかけて回転量で相手を押し込み、ラリーの主導権を握りたいトップスピナーにも粗い目のラケットがおすすめです。
検索ツールによるラケット探し。
テニスラケット検索ツールでストリングパターンをもとにどのようにラケットを探していくのか具体例を載せておきます。ラケット探しの際に参考にしてみてください。
コントロール重視のカウンター系テニスにおすすめのラケット。
相手の力を利用したカウンター系テニスのプレイヤーには「ストリングパターンが細かく(18×20)、重量のある(300g以上)ラケット」がおすすめです。
トップスピンで相手を押し込むストローカーにおすすめのラケット。
コントロールよりも回転量でラリーの主導権を握るストローカーには「ストリングパターンの粗く(16×18)、重量のあるラケット(300g以上)」がおすすめです。
理想のテニスを実現するためのストリングパターン。
ストリングパターンは目指すプレイスタイルや、自分の競技レベルによって変わります。現状のレベルを基準に選ぶのも一つの方法ですが、試合に出て自分の弱点や課題などが明確になることで、どんなストリングパターンのラケットを選ぶべきかが分かることもあります。
これまでなんとなくでストリングパターンを選んでいた方は、自分のプレイスタイルや目指すべきテニスを一度再考してみてはいかがでしょうか。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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