現行フォーマットでの最後のデビスカップ、クロアチアが優勝

鍵となったのはフランスチームの人選だった?

クロアチアがエースのチリッチ、二番手のチョリッチと万全なシングルスメンバーを揃えてきたのに対し、フランスのヤニック・ノア監督はエースとしてシャルディ、二番手にツォンガをオーダーしました。

ツォンガは今年の春に膝の手術を行い、今回のデビスカップ決勝戦が復帰後の初戦となりました。

もともと実力のある選手であることには間違いありませんが、大切なデビスカップの決勝という舞台で、試合から遠ざかっていた彼をオーダーしたのは監督のミスだったかもしれません。

クレーコートを用意したのもフランスの間違いだった?

フランスチームは、クロアチアのエースであるチリッチ対策としてクレーコートを用意したと思われますが、クロアチア二番手のチョリッチはクレーコートを特に苦手としていません。

またクロアチアのダブルスメンバーであるドディグ、パビッチも比較的オールラウンダーであるため、クロアチアチームにとってクレーコートは大きなマイナス要素となりませんでした。

そして、フランスのエースを務めたシャルディ、二番手のツォンガもクレーコートに特化しているタイプではありません。

つまり、フランスの作戦は非常に消極的であったと言えます。ツォンガのように、サーブの速い攻撃的なプレーヤーをシングルスで起用するのならば、ハードコートでも十分戦えたでしょう。

フランスチームの交代劇も妙だった?

最終日、第4試合で、フランスチームは当初予定していたシャルディに変わってプイユを起用しました。

確かに現時点でフランス国内のランキング1位はプイユですが、彼には下半身の怪我があります。

ベンチにはペイル、ガスケなど、クレーコートを得意としている選手が控えていたので、ノア監督はその二人のどちらかを起用すべきだったかもしれません。

結果としてクロアチアチームのブレない戦略が勝った

クロアチアは、ここ数年ほとんど同じメンバーでデビスカップを戦ってきました。

エースがチリッチ、二番手がチョリッチ、ダブルスには必ずドディグを起用と、チームの結束力においては今回のフランスチームより一枚も二枚も上手だったと言えるでしょう。

また、チョリッチが太ももの痛みと上手に付き合いながら伸び伸びとプレーをしたこと、エースのチリッチが以前よりもクレーコートに苦手意識を覚えず、積極的にフォアハンドから攻撃の展開を作っていたことも優勝の一因となりました。