スペシャリストが活躍する全仏オープン。今年は開催するのか?

出典:引用:Roland Garrosより

プロテニス選手にとって最も重要な大会である四大大会の一つである全仏オープン。コロナウィルスの影響により、2020年の開催延期が先日発表されましたが、今回のその全仏オープンの特徴や過去の結果についてまとめてみました。

全仏オープン概要

毎年5月末から2週間かけてフランスのパリで開催される四大大会の一つ全仏オープンです。大会運営はフランステニス連盟がしており、大会が開催される会場名から「ローランギャロス」という呼び方でも親しまれています。

大会の本戦ドロー数は他の四大大会と同様にシングルス128ダブルス64となっています。大会の賞金総額2019年€42,661,000(約51億円)で、シングルスの優勝賞金€2,300,000(約2.8億円)となっています。大会の賞金総額はここ数年毎年増加しているので、今後も徐々に伸びていく可能性があります。

また全仏オープンは、センターコートなど一部のコートに往年の名選手やテニス界に深く貢献した人の名前を付けているという特徴もあります。「スザンヌ・ランラン」「フィリップ・シャトリエ」などのコート名は全仏オープンを視聴している方は耳にしたことがあるはずです。

クレーコート

全仏オープンの特徴は何と言っても、四大大会唯一のクレーコートで試合が行われる点です。クレーコートと一言でいっても、細かい種類があり、全仏オープンで使用されるレッドクレーと呼ばれる赤土は、球足が遅く、ボールが高く弾むという特徴があるため、他の四大大会と比べて、活躍する選手に違いが出てきます。

クレーコートの難点としては、雨が降ってくると試合が中断されたり、中止になったりすることです。これは大会運営という観点からも大きなデメリットとなるため、センターコートを含めたショーコートに屋根を設置するという計画が現在進行中です。

スペシャリストの活躍

過去10年の男子シングルスの優勝者を見てみると、R.ナダルが8回N.ジョコビッチが1回、S.ワウリンカが1回と、圧倒的にナダルが結果を出しています。

先に述べたように、高くボールが弾むレッドクレーの特徴は、ナダルの強烈なトップスピンをかけたストロークとの相性が非常に良いため、全仏オープンではR.ナダルが圧倒的な優勝回数を誇っています。

ナダルほど極端でなくても、レッドクレーでは南米やスペインなどクレーコートが普及している国の選手が活躍する割合が高く、思わぬ選手が上位に進出し、大会を盛り上げてくれることも多く、全仏オープンの魅力の一つでもあります。

過去の優勝者

2000~2009年の優勝者を調べてみても、R.ナダル4回、 G.クエルテン2回、R.フェデラー1回、G.ガウディオ1回、J.C.フェレーロ1回、A.コスタ1回となり、ナダルが頭一つ抜けています。

しかしながらナダルは極端にしても、他の優勝者の名前を見ていくと、全仏オープンは多くのクレーコーターと呼ばれるスペシャリストが活躍してきた大会だというのが分かります。

ちなみに上記に挙げた大会優勝者でナダルとフェデラー以外は四大大会の優勝が全仏オープンのみであり、それぞれの出身国を調べると、フェレーロ、コスタがスペイン、ガウディオがアルゼンチン、クエルテンがブラジルとなっています。

やはり南米とスペイン出身でクレーコートで練習して育ったスペシャリストが伝統的に全仏オープンでは活躍しやすいというのが過去の優勝者からも分かります。

ちなみに女子は男子に比べて同じ選手が何度も優勝したり、特定の国の選手が活躍するなどの傾向はここ20年の結果では読み取ることができません。過去20年で複数回優勝した選手は女子だとJ.エナン、S.ウィリアムズの二人が3回ずつ優勝しただけで、男子に比べコートサーフェスの影響は少ないのかもしれません。

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2020年大会はどうなる?

先日、コロナウィルスの影響で全米オープン終了後の9月に開催するとの発表がありましたが、他のツアー大会との兼ね合いもあるため、ATPの公式サイトではスケジュール上まだ大会日程の変更はされていません

仮に全米オープン後にすぐ全仏オープン開催となると、ハードコートから翌週にすぐクレーコートとなり、トップ選手ほどコート変更への対応する時間が短くなるなど、一部の選手から疑問の声が挙がっています。

テニスファンはもちろん選手たちも収入の面から大会開催を望んでいるのは事実ですが、問題が問題だけに2020年の開催は中止という可能性も考慮しておいた方が良いかもしれません。

BIG3以外の活躍はあるのか?

テニスファンとしては大会が開催されることを願うばかりですが、実際に開催されるとなったら今年はどんな選手が活躍するのでしょうか。

BIG3以外の選手が四大大会初制覇をするのではという期待もありますが、その筆頭に挙げられるのがD.ティエムです。もともとクレーコートを得意とする選手で、年々テニスのクオリティも向上させていますから今年こそはという思いがティエム選手本人にもきっとあるはずです。

その他の選手にも注目!

近年は航空路線の整備などで選手の移動負担も大きく減り、出身国によってクレーコートの得意不得意は以前に比べて少なくなってきたように感じます。加えてトレーニングの発達などにより、若手選手が活躍することも増えてきました

ローランギャロスには赤い悪魔が住む」とファンの間では言われているように、全仏オープンでは思いもしなかった選手が上位に進出する可能性も十分あります。日本で言えば西岡良仁は粘り強いラリーを得意とするので全仏オープンとの相性はかなり良さそうなので、期待が持てます。

無事開催されるかどうかの不安はありますが、今年は誰が上位に進出するのか自分なりに全仏オープンの予想をしてみてはいかがでしょうか。