ATPやWTAのような世界ランキングを獲得するのは非常に難しいですが、JTAランキングを獲得することは実は難しくありません。難しいどころかその気になれば誰でもJTAランキングを獲得することができます。
今回は私自身の経験も踏まえてJTAランキングを獲得する方法と、JTAトーナメントに出場するメリットをお伝えしていきます。
JTAランキングとは。
JTAランキングとはJTA(日本テニス協会)が発表するテニスの日本ランキングのことです。基本的にJTAの承認した大会に出場することでランキングポイントを獲得することができます。
JTAの公式サイトからJTAランキングは常に確認することができます。現在のJTAランキング1位は男子が錦織圭。女子は日比野菜緒となっています(2020年7月31日時点)。
男女共に世界を舞台に活躍するような選手と一緒のランキングに自分の名前が載るって夢があると思いませんか?では具体的にどういった手続きを踏めばJTAの試合に出場し、ランキングを獲得できるのか説明していきます。
JTAに選手登録をする。
JTAの試合に出場して、ランキングポイントを取得するにはJTAに選手登録をする必要があります。JTAの公式サイトより、選手登録のページを開き、JTAプレイヤーゾーンのサイトへ飛びます。
JTAプレイヤーゾーンのページを下にスクロールしていくと、サインアップ(新規選手登録)の項目があるので、クリックしてあとは指示に従い必要な情報を入力し、登録が完了すればJTAの公認大会に出場することができるようになります。
JTA選手登録に必要なこと。
JTAに選手登録をするためには所属団体とJTAに支払う年会費が必要になります。
所属団体。
アマチュアの場合、JTAに選手登録するためには所属団体が必要になります。プロ登録している選手の場合は所属フリーでの登録が認められています。
所属団体はJTAに登録されている団体でなければなりません。大手のテニススクールなどであればほぼ間違いなくJTAに団体登録しているので、テニススクールに通っているのであれば、スクールの名前を所属団体として利用できます。
スクールに所属していない場合、知り合いのツテなどを頼ってJTAに登録している団体を紹介してもらい団体名を使わせてもらい選手登録するといいでしょう。
もしも何もツテがなければ、JTAに団体登録しているテニススクールなどに直接問いあわせて所属団体として名前だけ使えないかどうかを交渉するという方法もあります。スクール側は選手の活躍によりスクールの宣伝につながる可能性があるので、団体名の使用を認めてもらえることもあるようです。
ちなみに私の知人の中には所属していないスクールを許可を取ったうえで所属先として登録をし、試合に出ている選手も実際にいました。
年会費が必要。
選手登録するには試合へのエントリー費とは別に3000円の年会費が必要になります。
年会費は4月~翌年3月までの1年間で計算されます。年会費は年度ごとに支払いが必要で、例えば年度末の3月に登録すると、4月に再度年会費の支払いが必要になるため、登録時期は考える必要があります。
ちなみにランキングに反映される獲得ポイントは大会後1年間有効ですが、年会費の支払が遅れた場合は、ポイントは保持されたまま、年会費の確認が取れるまでの期間はランキングからは名前が除外される仕組みになっています。
試合へのエントリー。
選手登録が無事に完了したら、いよいよ試合へのエントリーが可能になります。JTAプレイヤーゾーンの左欄のトーナメントの項目を選ぶと、エントリー可能な大会が検索できます。
上記写真の右にあるようにオンラインエントリーと表示されている大会はエントリー受付中なので、エントリーすることができます。ほとんどの大会はオンライン上でエントリーと参加料金の支払いを済ませることが可能です。
ただ、普通の草トーと異なり、エントリー手続きが完了したからといって必ずしも試合に出れるわけでないので注意が必要です。
エントリー完了後に試合に出れるかどうかを確認する!
JTAの試合は各大会ごとに出場選手数の上限が決められています。もしも出場可能人数を超えるエントリー数があった場合は、JTAランキングの上位者から出場権が与えられます。
選手登録をしたばかりで、JTAランキングを保持していない場合は、大会にエントリーしてもランキングでカットされてしまい出場できないことがよくあります。必ずエントリー締め切り後にJTAプレイヤーゾーンの大会ページより出場可否を確認してください。
JTAでは大会レベルを表すグレードが各大会に設定されています。グレードが高い大会は、賞金総額が高かったり、獲得できるランキングポイントが多くなったりするため、高いJTAランキングを保持していないと出場すること自体が難しくなります。
選手登録をしたばかりであればグレードの低い大会にエントリーし、まずはランキングポイントを獲得すると良いです。1度大会に参加すれば、エントリーから出場までの流れを確認できるので、身をもって覚えるのが一番早いです。
大会グレードと出場選手のレベル。
JTA大会のグレードは、一番高いJTT-4から一番低いJ2まで15段階にクラス分けされています。
JTA大会で最もグレードの高い試合は全日本テニス選手権です。全日本テニス選手権になると、予選も含めて基本的にはプロレベルの選手しか出場できません。予選の出場カットラインはプロ選手の目安となる100位前後になります。
最もグレードの低いJ2レベルの大会で、私個人が出場した感覚では参加者のレベルは人口の多い市区町村の市民大会本戦くらいの印象です。市民大会の優勝者であれば、ドロー次第でJ2大会は優勝できると思います。
JTAランキングの決まり方。
JTA大会の結果によって獲得したランキングポイントの合計でJTAランキングは決定します。過去1年に出場した大会のうち、獲得ポイントの多かった上位20大会の合計ポイントを基にランキングは算出されます。
ちなみにATPやWTAなどの世界ランキングの算出に用いられるポイントは一定の倍数を乗じてJTAランキングポイントに変換して計算されます。そのため、JTAの大会に一切出場していなくても、錦織圭のような選手もJTAランキングに名前が載るようになっています。
JTA大会にアマチュアが出ることのメリットとは。
私個人の意見ですが、アマチュアの方がJTA大会に出場することで大きなメリットを享受できると思っています。
JTA大会に出ると、当たり前のように全国大会に出場した経験のある選手と対戦する機会を得ることができます。そして、出場を重ねていけば、プロ選手と対戦するチャンスさえあります。
私自身の経験ですが、これまで対戦した選手には2020年にインカレ優勝した今村昌倫選手や、全米OPジュニアの予選に出場した影山太星選手。全日本テニス選手権本戦出場経験のある髙田航輝選手や福田勝志選手など、プロ選手も含めて、プロレベルの選手と何度か対戦する機会がありました。
もちろん勝つことはできませんし、1ゲーム取れるかどうかの場合がほとんどですが、トップレベルの選手のボールを身をもって体感するのは上達に向けての大きな糧となりますし、試合後にはこちらから聞けば直接アドバイスを受けることもできます。
仮に、プロ選手にレッスンを頼むとなると、数万円必要になることを考えると、試合へのエントリー費だけでプロ選手と試合ができて、自分に足りない技術が分かり、アドバイスまでもらえるのはかなりお得です。
プロ選手と対戦する機会がなかったとしても、自分よりもレベルの高い選手と対戦することは上達への近道になります。本気で上達を目指しているのであれば、JTAの試合に出ることを個人的には強くおすすめします。
JTAの試合に出て日本ランカーになってみませんか?
JTAランキングというとアマチュアには敷居が高く感じるかもしれません。ただ、手続きさえ踏めば、試合には簡単に出れますし、ポイントを獲得して日本ランカーになることができます。
周りの人へのちょっとした自慢にもなりますし、プロ選手や強い人と試合ができ、自分の上達にもつながることは間違いありません。今回の記事を読んで少しでも興味を持った方がいれば選手登録をして、1度JTAの試合に出場してみてはいかがでしょうか。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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