ダブルスのサービスキープは前衛の動き次第!

ダブルスはシングルスと異なり、ペア二人でポイント獲得を目指す必要があります。「200㎞近い高速サービスをコーナーに安定して打てる!」「ナダルのような強烈なトップスピンが打てる!」など特殊な例を除いてどのペアにも当てはまることです。

今回はそんなダブルスにおいて前衛の動きの重要性についてお話ししていきたいと思います。

ダブルスの基本サービスキープ!

ダブルスは圧倒的にサービスゲームが有利になります。シングルスであればリターンはとりあえず返すという選択肢もありますが、ダブルスのリターンになると相手の前衛が邪魔になり、正確にクロスにリターンを返球する技術が必要になるからです。

ダブルスはシングルスに比べリターンのコースが制限される。

少しでもリターンのコースが甘くなると相手前衛のボレーの餌食となってしまいます。サーバー側の前衛は手の届く範囲のボールをしっかりとボレーで決める必要があります。

ダブルスでリターンが制限されるという面はありますが、サービス力があまりにも低い場合は相手リターナーに全くプレッシャーがかからずに自由に強打されてしまうので、ダブルスでも最低限のサービス力が必要なの覚えておいてください。

ボールを打たなくても相手にプレッシャーをかけられる!

当たり前のことですが、ダブルスでは全てボールを前衛が決める必要はありません。しかしながらボールに触れないからと言って前衛は何もしないで良いというわけではありません。

前衛の動き次第で相手ストローカーにプレッシャーをかけることできます。ダブルスをプレイしたことがある人であれば分かると思いますが、相手の前衛が早めにポーチに出る動きを見せると、前衛にボールが取られないようにストレートにボールを打つコースを変えようとしたことがあるはずです。

急なコース変更は当然ミスの可能性を増やします。もちろん上手くいく場合もあれば、失敗して相手にポイントを取られることもあります。けれども前衛が積極的に動くことで、リターナーがリターンの際に何も考えずにクロスに返球することが出来なくなります。

相手の視界の中で動き回ることでプレッシャーをかけてミスを引き出すことが出来ます。それだけ前衛の動きがダブルスでは重要ということです!

イメージを植え付ける重要性!

前衛が積極的に動く重要性は分かったと思いますが、むやみやたらに動いていては効果が薄れてしまいます。少し矛盾する表現になりますが、いかに大事なポイントで動き相手に前衛の動きを印象付けるかが大切です。

例えば、試合の最初のポイントでポーチに出たり、試合の序盤でフォアサイド、もしくはバックサイドどちらか一方のサイドは全てポーチに出るなどすると、相手のリターナーに前衛の動きを強く印象付けることができます!

相手へ前衛の動きをイメージ付けすることができると、対戦相手はリターンの際にロブを使ったり、ストレートへの返球を狙ったりするなど必ず変化をつけてくるはずです。

相手に普段通りのプレイさせないというのは、ミスの可能性を増やすことと同義になります。そういった意味でも試合序盤の前衛の動きはかなり重要になります。

カバーすべき範囲を理解する!

前衛が動き回ってペアに負担を強いてしまう人もたまにいます。そうならないためにもダブルスにおいて前衛がカバーする範囲を理解しておく必要があります。

前衛はドロップショットを打たれた場合のカバーも必要。

上記の図で示したように、前衛は相手がドロップショットを打ってきた場合は後衛のストローカーに任せずに自分で拾う意識が必要になります。その代わりに、後衛は前衛の頭上を抜くような厳しいストレートロブを返球するという意識を持ちながらプレイする必要があります。

二人のポジションや陣形によって多少カバーする範囲は変わってきますが。大まかには上記の図のようなイメージを持ちながらプレイすると良いでしょう。

前衛、後衛がお互いにカバーする範囲を共通認識として持つことで、相手の返球に対して迷わず反応して動けるようになります。ダブルスを上手くプレイしたいという方は最低限の知識として理解しておいてください。

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プレイ中の前衛の動き!

ダブルスではお互いに相手の前衛にボレーされないように、ストロークをクロスに返球するため、クロスでのラリーが基本になります。

ペアがクロスでラリーをしている際にポーチにチャンスを伺って、ほとんどの人がラリーに合わせて左右に動く傾向がありますが、ダブルスの前衛の基本的な動きとしてこれは間違っています。

ダブルスの前衛はいかにしてネット付近でボレーをするかが重要になります。つまり左右の動きよりも前後の動きをより意識して前衛は動いた方がベターです。

詳しく説明すると以下のようになります。

ダブルス前衛の動きA

ペアの後衛がストロークを返球する際は、上図のように前衛は少しポジションを下げ、後衛がクロスに返球しやすいようにコースを空けます。この動きにはもう一つメリットがあり、後衛の返球が相手前衛にボレーされてしまった場合に、前衛が返球に対して反応する時間を確保することが出来るようになります。

ダブルス前衛の動きB

ペア後衛のストロークが相手前衛に取られないことが分かったら上記図のように前衛はすぐにネット前に詰め、相手後衛の返球をボレーを決める準備をします。ネット前に詰めることで相手後衛に圧力をかけると同時に、前衛がボレーを打つ場合にネットミスを減らすことにもつながります。

ダブルス前衛の動きC

更にここで、前衛がボレーを決めやすくなるコツとして、上記図のように、相手が①のサイドで打つ場合は前衛は①のストレート側をケア。逆に相手後衛が②側で打つ場合はせ前衛は②側に寄り、ボレーを決めるチャンスに備えます

もしも前衛が相手のボールに触れることが出来なかった場合は、前衛の動きAに戻り、以降はラリーに合わせてB→C→Aと前衛は前後の動きを繰り返し行います

上記のように動くことで、前衛はボレーを決めるチャンスが増えるだけでなく、後衛はクロスラリーに集中できるようになります。

ダブルスは頭で勝負!

ダブルスはポジション取りやカバー範囲などいろいろと頭を使ってプレイする要素がシングルスより多くあります。考えるよりも先に身体が動くというレベルまで到達するのは大変かもしれません。

しかしながら今回説明したような動きやポジションを理解している一般のプレイヤーは非常に少ないという印象を普段レッスンをしていて私は感じます。

新しい技術を習得することでポイントを獲得するチャンスは当然増えますが、ダブルスにおいては動きなど戦術面への理解を深めることでもレベルアップにつながります。

テニスをする時間が限られている一般プレイヤーこそ頭を使ってダブルスをするということを覚えて頂きたいです。

格上にも勝てるダブルスの醍醐味!

ダブルスはシングルスよりもコートは広くなりますが、ペアでプレイするため一人一人のコートカバー範囲は狭くなります。結果としてシングルスよりも移動距離は減ることになるので、年配のプレイヤーが強力なストロークを持つ若い相手や、格上のシングルスプレイヤーに勝つチャンスも高くなります

ボールスピードに慣れる必要はあるかもしれませんが、慣れることさえできれば戦術と技術でいくらでもダブルスは勝負できるようになります。

ぜひ今回の記事を参考にダブルスについての理解を深め、ダブルスでたくさんの勝ちを掴めるようになって頂けたら嬉しいです。