ボレーの苦手な人の共通点と、改善すべきポイント。

出典:Pinterestより

シングルスにしろ、ダブルスにしろ効率的にポイントを奪うためにはボレー技術は必須です。重要な技術でありながら、多くの人は上達に必要なツボを押さえずに練習している印象があります。

今回はボレーが上達しない人に共通するポイントと、ボレー上達のためのツボをお伝えします。

間違った知識を教えられると上達しない!

昔と今では打ち方も変化している。
引用: dorsetfindsより

テニスの技術論は、用具の進化もあり年々進化しています。以前は正しいとされた知識・技術でも、今となっては間違いとなっているものもあります。

しかしながら、一部のテニスコーチやテニススクールでは昔の知識、マニュアルを変えないまま指導を続けているケースがあります。もしも同じコーチ・スクールで長期間指導を受けながらも上達に結び付かない方は、コーチの技術論を疑ったほうがいいかもしれません。

ボレーが苦手な人の共通点。

コーチの立場から見て、ボレーが不得意な人の共通点を挙げていきます。該当する項目がある人は修正の必要があります。修正すべき点は言い換えれば「伸びしろ」にあたるので、前向きに考えていきましょう!

正しい足の使い方ができていない。

引用:EssentiallySportsより

ボレーのミスが多い人はスプリットステップを含め、足を上手く使えていないことが非常に多いです。相手がボールを打つ直前にスプリットステップを踏み、右利きのフォアボレーなら「右足→左足」、バックボレーなら「左足→右足」とステップを2歩踏むことが基本になります。

足が使えているかどうかは、アップのボレーボレーを見れば、すぐに分かります。普段レッスンをしていて個人的に感じる印象ですが、スクールメインでテニスをしている人の9割は正しいステップワークが身についていません。

ボレーのステップワーク

足を上手く使えない人は、身体にステップワークを覚え込ませる必要があります。オフコートで構わないので、上記の動画を参照に「ジャンプ→右足→左足」、「ジャンプ→左足→右足」の動きを何度も繰り返し、身体にステップワークを覚え込ませてください

意識せずとも自然にステップが踏めるようになると、ラリーの中でもしっかりと足が動くようになり、ボレーの守備範囲も広がります。

ラケットを引き過ぎてしまう!

ボレーでは腕を使ってラケットを引くのはNG!

ステップを上手く踏めない人は、ボレーを打つ際にラケットを後ろに大きく引いてしまい、打点が合わずにミスをすることが多くなります。ボレーを打つ際に視界からラケットが消えてしまう人は引き過ぎです。

ボレーは本来、足を動かし、ボールに対して自分の体重をぶつけるような形でボールに勢いを加えます。足がしっかりと動かない人は強いボレーを打とうとして、ラケットを大きく後ろに引き、打点がズレてミスを連発する傾向があります

スクールに通っていればレッスン中のコーチがお客さん相手にボレーをしている姿を観察すると良いでしょう。多くのコーチはラケットを引かずに、身体の前で全てボールを捌いているはずです。ぜひ確認してみてください。

引用:Feel Tennisより

意識だけではなかなかラケットを引く癖が治らない方もいると思います。そんな方は、上記の写真のような矯正方法があります。利き手と逆の手で肘をブロックするような形でフォアボレーを練習してみてください。腕でラケットを引くことを防ぐことができ、身体の前で打点を取れるようになるはずです。

手首を使ってスピンをかけようとする。

引用:Tennis Life Magazineより

ボールにスライス回転をしっかりとかけようとして、手首を動かしてボレーしてしまう人がたまにいます。手首を動かしてボレーを打つと、打点がズレやすくなり、ボールをしっかりと押して飛ばすことも難しくなります。

スライス回転がかかっていても、しっかりとボールを押していなければ、相手にとってはただの浅い弾まないボールに過ぎないので、あまり効果はありません。ボレーを打つときは手首を固定して、ラケットと手首の角度が変わらないように注意してください。

上から下にラケットを切るように振る。

ラケットを高くセットすれば自然とスライス回転はかかる。
下に振る意識よりも前に押す意識でボールを打つ!

手首を使ってボールに回転をかけようとする人と同じように、強いスライス回転をかけようとして、上から下にラケットを振ってしまう人もいます。上から下にラケットを振るのも、手首を使ってボレーを打つのと同様に、回転はかかってもボールに勢いはつかないので、改善すべきです。

構えるときにラケットを打点より高くセットすれば自然とスライス回転はかけられます。必要以上に上下にラケットを縦振りするのではなく、フラットボレーを打つようなイメージで前に押した方がボールに勢いを加えられるのでおすすめです。

ボレーを練習する際に意識してほしいポイント!

ボレーを練習するときに意識すると良いちょっとしたポイントをいくつか紹介します。ここで紹介するツボを押さえておけば、練習すればするほどボレーが上達していくはずです。

ボールの軌道と足を動かすことを意識。

ラケットヘッドを意識するとボールの軌道は変えられる!

ボレーを練習するときは、ボールの軌道を意識して練習してください。特にボレーボレーではお互いに山なりの軌道のボールを打ち、スプリットステップから必ず足を2歩動かしてボールを打つことを意識してください。

ボレーは足の使い方が最も重要です。足を動かさずにその場で直線的なボールでボレーボレーをしても練習にはなりません。ボレーの練習では常に足を動かして、ステップを踏むことを意識すると大きな上達につながります。

ちなみにボレーを打つときのボール軌道はラケットヘッドを意識することで調整ができます。ヘッドを立てれば、直線的なボールになり、ヘッドを寝かせると高い軌道のボールに変わります。

立ち位置を意識して練習。

ボレー練習はサービスライン付近でするのが効果的。
引用:perfect Tennisより

ボレーの練習をするときは自分の立ち位置も意識してください。よくネット前に近づいてボレー練習をしている人がいますが、正直言ってネット前で練習しても意味はありません。

実際の試合ではサービスラインから1~2歩ネットに近づいた場所でボレーをすることが一番多いはずです。ネット前に近づき過ぎると、試合で打つ機会の多い腰より低い高さのボレーを練習する機会がほぼありません。練習はあくまでも本番に近い状況を想定して練習しましょう。

インパクト時の踏み込み足を意識!

インパクト時に踏み込み足が浮いている!
引用:ZIMBIOより

ボレーを打つときは、ボールをインパクトするタイミングで踏み込み足が浮いているかどうかを意識してください。インパクトよりも先に足が地面についてしまうと、体重移動が完了してしまい、ボールに自分の体重を乗せることができなくなります。

インパクト時は自分の踏み込み足が浮いた状態で、打ち終わった後に足が地面につくのが正しいタイミングです。インパクトのタイミングが合えば、ラケットを振らなくても体重移動により楽にボールを飛ばせすことができます。

いきなりは難しいかもしれませんが、余裕が出てきたらボレーのインパクト時に片足が浮いているかどうかを意識してみてください。慣れてコツを掴むことができれば、ラケットを振らなくても驚くほど楽にボールを飛ばせるようになります

余計な動作を減らすとボレーは上手くなる!

ボレーは足を使っていかにシンプルに打てるかが重要になります。ボレーを苦手にしている人は余計な動作をしていること場合が多いです。

無駄な動きを削ぎ落していけば必ずボレーは上達します。身体に染み付いた癖を矯正するのは大変ですが、継続して練習していけば必ず改善させることはできます!今回紹介したポイントを意識しながら練習し、ぜひボレーを得意ショットに変えてください。