バックハンド上達のために意識すべきポイント。

普段レッスンをしていてバックハンドが苦手という方によく遭遇します。今回はバックハンドのストロークにポイントを絞って、練習をするときに意識すべきポイントとコツををお伝えしていきます。

バックハンドの打ち方を決める!

バックハンドは「片手打ち」「両手打ち」の2種類があります。どちらにもメリット・デメリットはあるので、まずは片手打ちと両手打ちの違いを理解したうえで、どちらを練習していくかを決める必要があります。

どちらの打ち方を選択するにしろ、一度決めたら忍耐強く練習を続ける必要があります。短期的な上達を求めて、思ったような結果が出ず、打ち方をコロコロ変える人もいますが、これは上達を遅らせる原因にしかなりません。どちらを選ぶにしろ一定のレベルになるまでには相応の練習時間が必要です。

片手打ちと両手打ちの違いとは?

では、片手打ちと両手打ちの違いやメリット・デメリットについてまとめていきます。双方の違いを理解したうえで、どちらの打ち方で練習するか決めてください

片手打ち

現役選手ではR.フェデラー、S.チチパス、D.ティエム、S.ワウリンカなど片手打ちバックハンドの選手で挙げられます。少し前に比べると、若い世代に片手打ちバックハンドの選手が増えてきています。

片手打ちバックハンドは両手打ちに比べて、ボールを捉える打点が前になります。準備が遅れて正しい打点で打てないと、力負けしてしまい良いショットが打てなくなります。

メリット

片手打ちのバックハンドのメリットは自由度です。フォアハンドと同じように片手で打つことでリーチが長くなり、両手打ちに比べて遠いボールもしっかりと打てるようになります。

また、片手打ちバックハンドの人は片手でのラケット操作が前提になるので、スライスやバックボレーが上達しやすいというメリットもあります。片手打ちバックハンドでスライスを得意とするR.フェデラーF.ロペスはその好例です。

デメリット

片手打ちバックハンドのデメリットは習得するのに時間がかかることです。利き手を自由に動かせるため、フットワークをさぼってもボールを返すだけならある程度できてしまいます。そのため正しい打ち方を覚えるのに時間がかかります。

他にも利き腕の筋力が十分でないと力負けして勢いのあるボールが打てないというデメリットもあります。これがプロも含めて女子で片手打ちバックハンドを打つ人が少ない理由です。

両手打ち

引用:moerschyによるPixabayからの画像

現役の選手ではN.ジョコビッチ、R.ナダル、錦織圭などが両手打ちバックハンドの選手として名前が挙げられます。

メリット

両手打ちの1番のメリットは習得が片手打ちに比べて容易なことです。両手で打つことで腕の動きが制限され、フォームが崩れにくくなるため、片手打ちに比べて早く安定したボールを打てるようになります。

その他にも片手打ちに比べてボールに回転をかける感覚が掴みやすいことや、腰の回転を使ってボールを打つため、それほど筋力がなくても身体の使い方を覚えればしっかりとしたボールを打てることがメリットとして挙げられます。

デメリット

両手打ちのデメリットは左右に大きく振られると、腰を回してスイングすることが難しくなり、強いボールを打てなくなるところです。片手打ちの選手以上に両手打ちはフットワークが重要になります。

両手打ちにしろ片手打ちにしろ、メリット・デメリットはあるので1度決めたらブレずに練習を積み重ねることが上達の秘訣です。

バックハンドで意識すべきポイント・コツ

バックハンドの上達のために意識すべきポイントをお伝えしていきます。

グリップ

スライスはコンチネンタルグリップで。

バックハンドはスライスを打つときとその他のショットを打つときで握りを変えるのが一般的です。バックハンドでスライスを打つ場合は基本的に薄い握りのコンチネンタルグリップを使います。

片手打ちでスピンやフラットを打つ場合は厚い握りのセミウエスタンやウエスタンで握る人が多いです。もしもイメージ通りの回転をかけたボールが打てずに悩んでいる方は、自分のグリップを再確認してください。

両手打ちはバックハンドの握り。

両手打ちの場合は利き手となる下手はコンチネンタルグリップで握り利き手と逆の上手はセミウエスタン or ウエスタンで握ると良いでしょう。

スイング軌道

ラケットヘッドは立ててテイクバック。
引用:Lake Near Sayより

安定したショットを打つためにはスイング軌道を意識する必要があります。特にボールにスピンがかからずに悩んでいる人は自分のフォームを動画で撮影し、スイング軌道を再確認してみてください。

スピンをかける場合は打つ直前にヘッドダウンさせる。
引用:The Daily Texanより

まずテイクバックでラケットを引く際には必ずラケットを立てて引くことを意識してください。その後、打つ直前に手首を脱力してラケットをヘッドダウンさせ、インパクトに向けて斜め前方に振りぬくようなイメージでスイングしてください。上に振りぬくことを意識しすぎるとボールが浅くなります

両手打ちでスピンをかけるときのコツは利き腕と逆の手を上手く使ってボールをこすり上げる意識を持つことです。右利きの場合であれば、左右の腕の力の入れ具合は、右:左=4:6くらいの感覚です。より強いスピンをかけたいときは3:7くらいの感覚になる場合もあります。

手首の返しで打つのではなく、腕の振りで打つ。
引用:Pat Cashより

片手打ちの場合は手首を返してしまうとスピンがかからずにフラットになってしまうので、ラケットヘッドで半円を描くようなイメージを持ちながら腕の回外を意識すると回転がかけやすくなります

身体の使い方(強いボールを打つコツ)

片手打ちと両手打ちでボールを打つ際の身体の使い方が異なります。

両手打ちの場合。

バックを打つ際の腰の回転に注目!

両手打ちは腕の動きに制限があるため、しっかりと腰の回転を使ってボールに力を加える必要があります。錦織選手の映像を確認するとしっかりと腰を回してボールに勢いをつけているのが分かります。

両手打ちバックハンドで強いボールを打つには大胸筋が大きく影響します。ベンチプレスなどで大胸筋を鍛えることで球威をアップさせることができます。

片手打ちの場合。

引用:Talk Tennisより

片手打ちは腰を回してボールを打つと、バランスをとることが難しくなるので、ラケットを大きく振り抜くことでボールに力を加えます

上記写真のディミトロフのように、片手打ちは胸を突き出すようなイメージで両腕を大きく開くようにスイングします。両手が背中より後ろに行くくらいに大きく振ることを意識すると強いボールが打てるようになります。

試合を通して最後までしっかりとラケットを振りぬき続ける筋力が必要になるので、利き腕の筋力トレーニングが片手打ちバックには必須です。

練習時の意識!

バックハンドを苦手にしている人は、練習で無意識にフォアハンドばかり打っている傾向があります。フォアとバックの練習量がそのまま得意・不得意になっている場合がほとんどです。もしも本気でバックハンドが上達したければ、練習では全てのボールをバックハンドで返球する意識を持つと良いでしょう。

練習時の意識を一つ変えるだけでもバックハンドの上達スピードは圧倒的に変わります。

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知識と忍耐があればバックハンドは必ず上達する!

正しい知識をもって、適切な練習を繰り返し行うことで、必ずバックハンドは上達します。私自身が左利きなので、バックハンドを試合ではよく狙われます。そのためバックを打つ回数が自然と増え、気がついたらバックハンドを苦にせず打てるようになっていました。

バックハンド上達の鍵は、バックハンドを打つ機会を増やせるかどうかです。本気でバックハンドを武器にしたい方は意識的にバックハンドを打つ機会を増やしてください。練習を重ねればバックハンドは必ず得意ショットにできます。