プロテニス選手を目指すジュニアプレイヤーにとってジュニア時代の実績は非常に重要になります。全国タイトルの有無は大きな意味を持ちますし、タイトルを獲得するためには当然高いジュニアランキングを持っていた方が有利になります。
今回はジュニアのテニスランキングの仕組みについていろいろ調べて記事にしました。
ジュニアのテニスランキングとは?
JTAサイトではJTAジュニアランキングを確認することができます。ジュニアランキングは一般同様に男女のシングルス・ダブルスがあり、12~18歳まで1歳刻みでランキングが公表されています。
ランキングポイントは大会で獲得したポイントを合計して算出しています。年齢ごとに発表されているランキングは、あくまでも各世代でそれぞれ獲得ポイント数が多い順番に並び替えただけです。
ジュニアが自身の出場できる大会に参加し、獲得したポイントを基にランキングは自動的に算出されます。選手側は細かいことを確認せずとも試合に出ていれば自然とランキングに自分の名前が載るという仕組みです。
年齢ごとに獲得できるポイントが異なる。
18歳以下の選手をジュニアと一括りで表すことが多いですが、一般とは異なりジュニア年代の年齢差は実力差として大きく表れます。だからこそジュニア年代の試合は12歳以下、14歳以下、16歳以下、18歳以下のように2歳ごとに参加可能年齢を細かく分けています。
同じ全国大会でも参加年齢の高い試合のほうが獲得できるポイントが多くなります。上記の写真でも分かるように、18歳以下の大会と14歳以下の大会では同じ結果でも獲得ポイントが全く違うことが分かります。参加年齢区分によって獲得ポイントを変えることで実力を正確にランキングに反映させようとしています。
ランキングの獲得方法は?
上記の写真にあるJOP TENNIS.COMより新規会員登録をして対象大会に出場するとランキングが獲得できます。ランキングの算出は一般同様に、1年間に出場した大会のうち最大20大会の結果を基に合計獲得ポイントで算出されます。
ただ、全国ジュニアランキングの対象大会に出るためには関東・関西など各地方の地域大会で好成績を残し、地域ランキングで上位に入る必要があります。まずは地元のジュニア大会→都道府県→各地方大会→全国大会のようにステップアップしていくイメージです。
ちなみに現時点でジュニアランキングを確認すると、9493人がジュニアで選手登録していることが確認できます。
ジュニアには地域ランキングがある。
ジュニアには全国ランキング以外にも地域ランキングがあります。プロ選手や全国大会への第一歩は地域ランキングに入ることです。各地域のテニス協会によって多少制度に違いはあるかもしれませんが、地域ランキングの獲得法を関東テニス協会を例に挙げて説明していきます。
地域のテニス協会に選手登録。
地域のジュニアテニスランキングを獲得するには在住している都道府県のテニス協会への選手登録が必要になります。JTAの一般選手登録同様に、ジュニアも選手登録するには所属団体が必要です。小学生の場合は所属がなくても、在住の都道府県協会所属として登録ができるようです。
選手登録後に何かしらの事情でテニスを辞めてしまった場合は登録抹消届を協会へ郵送する必要があります。
地域のテニス協会へのジュニア選手登録が済めば、あとは対象大会にエントリーし、戦績を積み上げていけば自然とランキングが上昇していきます。
ITFジュニアランキングとは?
地域ランキングで上位に入り、全国大会へ出場、全国でも好成績を残せるようになれば、次のステップとして世界ランキングであるITFジュニアランキングのポイント獲得が視野に入ってきます。
ITFジュニアテニスランキング制度は、ITF(国際テニス連盟)が18歳以下の選手の技術や才能を伸ばす目的で創設し、世界140の国で年間650を超える大会が開催されています。
ITFの公認ジュニア大会に出場するにはITFジュニアランキングが必要になります。ITFジュニアランキングを持たない選手は、国内の指定大会で優勝などの結果を残すことで、テニス協会の推薦でWCという形でITF大会への出場権を獲得することができます。
ITF大会で獲得したランキングポイントも、国内のジュニアランキングに反映されます。そのため、アメリカのIMGを拠点にし、ウィンブルドンのJrシングルスを優勝した望月慎太郎選手が国内のジュニアランキングでは1位になっています。(2020年8時点)
テニスで大学に進学できるのか?
ジュニアランキングで上位に入る選手であれば、将来的にはプロになる可能性やテニスでの進学を考えるはずです。では、どの程度のランキングや戦績があれば、テニスで大学進学が可能になるのかを調べてみました。
スポーツ推薦での大学進学となると、ジュニアランキングよりも全国大会での戦績が重要視されます。大学の学力レベルや、テニス部の強さなどにより推薦基準は変化します。
関東1部リーグで、学力が高く、テニス部も強い早稲田や慶應のような大学になると、インターハイや全国選抜、全日本ジュニアなどの全国タイトル優勝に準ずる戦績が必要になります。
1部リーグでも、その他の大学では全国レベルの大会でシングルスならBEST8、ダブルスならBEST16程度の戦績が必要です。関東でも2部以下のリーグだったり、学校の偏差値が低かったりすると求められる戦績の基準はどんどん下がっていきます。
テニスのみで大学進学を考えるのであれば全国大会での準々決勝進出が目安と思ってください。ジュニアランキングで考えると20位以内に入るような実力が必要になります。
参考までに大学テニス界の絶対的王者である早稲田大学の2020年の新入生の戦績を調べてみました。予想にはなりますがスポーツ推薦での入学はおそらく5人で、最も低い戦績の選手でも全日本ジュニアでダブルスBEST4に入っていました。
活躍しているプロのジュニア時代の実績は?
ここ20年程ですが、大学経由で四大大会の本戦レベルに到達した日本人プロ選手は男子は杉田祐一、女子はダブルスで活躍する青山修子の2人しかおそらくいません。
杉田選手は早稲田大学に進学はしましたが、プロとして活動しており、大学テニスに軸足は置いていませんでした。そう考えるとプロとして世界を舞台に活躍したいのであれば、高卒からのプロが今のところは有力な選択肢になりそうです。
ちなみに国内の高校を卒業していて、四大大会レベルに到達した現役プロ選手の名前を挙げると、男子は伊藤竜馬、杉田祐一、添田豪、守屋 宏紀の4人。女子は日比野菜緒、奈良くるみ、土居美咲、加藤未唯、穂積絵莉 、尾﨑里紗、二宮真琴と7人しかいません。
ジュニア時代のランキングは調べても分かりませんでしたが、全ての選手に共通するのは、国内大会を飛び越えて、グランドスラムのジュニア部門や、ワールドスーパージュニアなどITFレベルのジュニア国際大会で上位に進出するような結果を残していたところです。
つまり、プロでトップレベルを目指すのであればジュニア時代から国際大会で結果を残すか、国内レベルの大会では当たり前のように決勝まで勝ち進むようなレベルが必要だと分かります。
ジュニアのテニスランキングは世界へとつながっている。
ジュニアランキングとはいえ、結果を残して地域ランキングを上昇させていけば、全国ランキング、そしてITFランキングと一つの道がつながっていることが分かります。
ランキングという形で個人の実力がはっきりと可視化されてしまうのはテニスのような個人スポーツならではの厳しい面です。しかし、ランキングという競争から将来世界を舞台に活躍する選手が生まれていくのもテニスの面白さの一つです。
今回の記事で興味を持った方はぜひジュニアのテニスランキングにも今後注目してみてください。
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- 阿部亮平
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