テニスでは戦術の有無が試合の勝敗に大きな影響を及ぼします。実力が拮抗している相手や自分よりも格上の相手に勝つためには上手く戦術を使う必要があります。
しかしながら試合慣れしていない多くの一般プレイヤーは、戦術と言われても具体的にどんなことを考えれば良いのか分からない人が多いはずです。そこで今回は上級者が試合中にどのようなことを考えて戦術を組み立てているのか解説していきます。
テニスの戦術とは?
テニスはゴルフのように自分のプレイに集中すればいいという競技ではありません。ネットを挟んで相手と対峙するスポーツですから、いかに相手に気持ちよくプレイさせないかが重要になります。そのために必要になるのが「戦術」です。
自分の得意なショットを積極的に打ったり、相手の弱点を狙ったりする単純な戦術から、多様なショットを駆使して相手を揺さぶりミスを引き出すなどさまざまな戦術があります。
なぜ戦術が必要なのか?
テニスの試合は基本的に相手より1ポイントでも多くポイントを獲得できれば勝利する可能性が高くなります。実力差があれば戦術など考える必要はありませんが、実力が拮抗した相手の場合、変化のないプレイをしていると対戦相手も慣れ、ポイントを獲得するのが難しくなります。
「戦術」を駆使することで相手にストレスを与え、ミスを引き出したり、自分の得意な展開に持ち込んだりすることで、実力の拮抗した相手や格上の相手にも勝利する可能性を高めることができます。
競技レベルが高くなるほど戦術の重要度は増していきます。草トーなどの試合で勝ちたいなど、テニスが強くなりたい人にとって「戦術」は絶対に欠かせない要素です。
テニスを始めたばかりで、試合経験がほとんどない人は戦術なんて考える余裕はないと思うかもしれません。しかし、自分がミスをしないようにプレイするのも試合における戦術の一つです。
戦術についての基本的な考え方。
戦術について細かく語りだしたらきりがありません。試合慣れしていない人が戦術を考える場合、これから紹介することをまずは意識すると良いでしょう。
自分の得意なショットを活かす。
最もオーソドックスな戦術は自分の得意なショット・プレイを実践することです。アマチュアレベルでは同じ相手と何度も試合をする機会は少ないため、まずは自分の得意なプレイを積極的に出すように意識すると良いです。
得意なプレイを相手にぶつけても相手に通用せず思ったようにポイントを獲得できなかったり、自分の得意なプレイをさせてもらえなかったりするケースもあります。得意なショットやプレイが通じないときや、得意ショットをより活かすためにいろいろな戦術を身に付けておくほうがベターです。
相手の苦手を攻める。
相手が苦手とするショットをたくさん打たせるというのはレベルを問わず有効な戦術です。試合慣れしていないプレイヤーであればまずは相手のフォアハンドかバックハンドのどちらかを狙う程度でも十分な効果が期待できます。
どんなレベルであれ、フォアとバックの技術に大なり小なり差がある場合がほとんどです。自分の得意ショットやプレイにこだわらなくても、相手が嫌がりミスが増えるのであれば、徹底的に相手の苦手・弱点を攻めるのは効果的です。
自分が勝てる土俵に相手を引きずり込む!
テニスにはいろいろなショット・プレイがあります。得意なショット・プレイが相手に通じなかったり、相手の得意な土俵に合わせてプレイしたりする必要はありません。
例えばストロークで勝負したら勝てない相手でも、ネットプレーであればポイントが取れたり、相手にネットプレイをさせることで、ミスを引き出したりできることがあります。相手のショット・プレイを分析し、自分が勝負できる土俵に相手を引きずり込むのも立派な戦術です。
他の人から見て派手なショットが無くても試合に勝てるプレイヤーは、相手を得意な土俵から引きずり出し、相手に気持ちよくプレイさせないのが非常に上手いタイプと言えます。
上級者やプロが実践する戦術とは?
上級者やプロ選手はここまで紹介した戦術を使いつつ、更に高度な戦術を用いてプレイをしています。相当な技術力は必要になりますが、どんな戦術があるのか説明していきます。
相手のタイミングをずらす。
テニスのショットの成否はタイミングが大きく左右します。競技レベルが上がるとボールにかける回転量を調整し、ボールスピードやボールが弾む高さをコントロールしながら相手がボールを打つタイミングを微妙にずらすような戦術を使います。
試合中に一定の球種で同じテンポ・タイミングでボールを打っていては、タイミングが取りやすく相手のミスも期待できません。プロ選手のレベルになると1球1球ボールの回転量を調整し、微妙にタイミングを変化させることで、相手のミスを引き出すような高度な戦術を使います。
一般レベルであればスライスとスピンなどボールにかける回転を変えるだけでも十分な効果を得られるはずです。
相手を前後に揺さぶる。
テニスの試合で最もミスが増えるのは、動かされながらショットを打つ時です。ストロークなどで左右に動かされることはテニスでは当たり前で、上級レベルになるとなかなか左右の揺さぶりではミスしてくれません。
左右の揺さぶりに比べて、前後の揺さぶりに対する反応が遅れるプレイヤーは多いので、ドロップショットなどを用いて相手を前後に揺さぶることができるプレイヤーはそれだけで勝率が飛躍的に上がるはずです。
ラリー中の相手のポジショニングを観察し、ベースラインよりもかなり後方にポジションを下げていると思ったら、積極的にドロップショットを使うのもおすすめです。
戦術が分かると、テニス観戦の楽しみが増す。
プロ選手の実力が世界ランキング通りだとしたら、試合結果は常に上位ランキングの選手が勝利するはずです。しかし、実際の試合結果はランキング通りになるとは限りません。その最大の理由は試合中にプレイヤーがさまざまな戦術を駆使しているからです。
プロが打っているボールはもちろん凄いですが、ボールの回転量や、ショットの種類、前後の揺さぶりなど戦術的な観点から試合観戦ができるようになると、より観戦の面白味が必ず増します。
戦術を活かしたテニスで格上プレイヤーに挑戦しよう!
テニスを始めて一通りのショットを覚え、試合に出るようになると戦術の重要性がよく分かるようになります。逆に言えば、戦術を使いこなすことができれば自分よりも技術レベルが高い相手に勝利するチャンスも出てきます。
今まで戦術を意識せずに試合をしてきた人は、今回紹介した戦術を意識して試合をしてみて下さい。よりテニスの試合の面白さに気づくはずです。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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