大会を勝ち進んだことで得る賞金がプロテニス選手の収入源のメインになることは間違いありませんが、選手の活動を支援してくれるスポンサーも賞金同様に大切な位置づけとなっています。
一部のトップ選手ともなると、賞金額よりもスポンサー収入の方が遥かに莫大なものになります。今回はテニス界で最もスポンサー収入を稼ぎ出すR.フェデラーのスポンサー契約について書いてみました。
R.フェデラーが契約する企業。
R.フェデラーが契約する企業は世界に名だたる超一流の企業の名前が並びます。テニス用具は中継などでもお馴染みかと思いますがラケットは「ウィルソン」、ウェアは「ユニクロ」、シューズは「On」というスイスのブランドと契約しています。
テニス用具の契約はテニス選手として当たり前ですが、テニスと関係ない企業の契約がフェデラーはまた凄いことになっています!
高級時計メーカーの「Rolex」、高級自動車メーカーの「Mercedes-Benz」、プライベートバンクで有名な「クレディスイス」、高級チョコレートの「LINDT(リンツ)」、プライベートジェットの「NET JETS(ネットジェッツ)」など、多くの富裕層を対象にした超有名企業の名前が並びます。
ちなみにフェデラーはスポンサー収入は年々増加し、今では年間100億円近くの金額になるそうです。
企業がスポンサー支援をするメリットとは?
なぜフェデラーはスポンサー収入だけで100億円近い額を稼ぎ出すことが出来るのか?それはフェデラーという選手に世界中の人々が抱くイメージが影響しています。
テニス選手として史上最高の実績を持つのは勿論ですが、コート内外での振る舞いも品行方正で、スキャンダルとは無縁。更にはボランティアなど社会貢献活動も積極的に行うなど、非の打ちどころがなく、スポーツ界では並ぶ物がいないほどポジティブなイメージをフェデラーは多くの人に持たれています。
スポンサー企業はフェデラーと契約することで、多くの人がフェデラーに持つ良好なイメージを自社の商品やサービスに重ね合わせてもらうことが期待できます。
更には、フェデラーを通して自社商品やサービスを多くの人に認知してもらうこと可能になるため、多額のスポンサー料を払ってまで企業はフェデラーとの契約を結ぶわけです。
スポンサー収入に関わる競技種目の国際的な普及度。
スポーツは種目によって市場規模が異なり、選手のスポンサー収入も市場規模によって変わってきます。市場規模を何で測るのかは判断が人によって分かれますが、今回は競技人口で調べてみました。
国際スポーツ連盟に登録している競技人口数で調べると、バスケットボールが4億5千万人、サッカーが2億5千万人、クリケットが1億5千万人、テニスが1億1千万人、そしてゴルフが6500万人となっています。
チーム競技であれば年棒、そして個人競技なら賞金が選手の基本的な収入となります。競技人口に比例して収入は変わりますが、スポンサー収入は競技の国際的な人気度に応じて変化します。そのため世界的に人気の高いテニスはスポンサー収入が他競技に比べて高くなるわけです。
ユニクロとのウェア契約。
テニス界のレジェンドであるフェデラーが大きなスポンサー収入を得ていることに不思議はないのですが、なぜフェデラーほどの選手が日本の企業である「ユニクロ」と契約しているのかという疑問を持つ方もいるかと思います。
過去にフェデラーは「ナイキ」と長年ウェア契約をしていました。そのためフェデラー=ナイキというイメージが強かったのも事実です。スポンサー料についても世界的ブランドであるナイキが支払いを渋るという可能性も考えられません。
ではなぜ、フェデラーはウェアの契約をナイキからユニクロに変更したのでしょうか。
なぜユニクロなのか?
フェデラーは2018年にユニクロと10年3億ドル(約325億円)と言われる契約を結びました。契約額に関していえば、単年ベースであればナイキでも十分に支払える金額だったはずです。
しかしながら契約年数である10年という期間がポイントになるのではないでしょうか。フェデラー自身の活動は契約している企業を見れば分かる通り、既にテニス界という枠に収まらず、非常にグローバルなものとなっています。
フェデラー自身の年齢も考えると、ユニクロとの契約が満了する2028年となると47歳となるわけですから、流石に現役を続けている可能性は限りなく低くなります。流石にナイキと言えども現役引退後まで高額なスポンサー料を支払い続けるのは難しかったのかもしれません。
ナイキとしてはフェデラーはあくまでも世界No.1テニスプレイヤーと考えていた一方、ユニクロはテニスプレイヤーとしては勿論ですが、一人の国際的な影響力を持つ人物として契約を望んだことが、フェデラーとの正式な契約の鍵になったようです。
現役引退後もスポーツ界のレジェンドとして、自身の影響力を生かして多方面で活動していこうと考えているであろうフェデラーと、アパレルメーカーとして国際的な地位を築くため、フェデラーの影響力を生かしたいユニクロの思惑が一致した結果の長期契約という形になったのではないでしょうか。
事実、フェデラー自身もあるインタビューでテニス選手としてではなく、一人の人間としてユニクロは契約を望んでくれたとの趣旨の発言をしていました。
フェデラーのアスリートとしての価値。
インスタグラムのフォロワー数からもフェデラーの影響力は分かると思いますが、テニスの試合以外でもスポンサーの商品発表などマスコミの前に登場しコメントする姿が日本のメディアでも取り上げられ、報道されることを目にすることからも大きな影響力を持つことが分かります。
フェデラーのように世界でも最も有名なアスリートの一人がユニクロという日本の企業と契約をしてくれたことはテニスファンとしては大変嬉しい限りです。
テニスのみならず様々活動で世界に影響を与えるフェデラーが今後ユニクロと共にどのような活動をしていくのか、そんな点にもこれから注目してみてはいかがでしょうか。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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