ラケットを特徴づけるスペックにはさまざな項目があります。自分のプレイスタイルや適したラケットを使用することで、プレイの質は驚くほど向上します。自分にとって最適なラケットを見つけるにはスペックへの理解を深める必要があります。
今回はラケットのスペックの中でもフレーム厚に焦点を当てて解説していきます。
ラケットスペックとは。
ヘッドサイズ、重量、ストリングパターンなどテニスラケットにまつわるさまざまな情報をスペックと呼びます。スペックが変化することで、ボールの飛びやラケットの振りぬき、回転のかけやすさなど、ラケットの特徴が大きく変わります。
ある程度テニス歴が長くなると、どんなボールを打ちたいとか、どんなプレイスタイルを身に付けたいかなど、人それぞれテニスに対する何かしらの願望を持つようになるはずです。複数のスペック情報をもとにラケットを探すことで、自分の理想のテニスを実現するラケットに巡り合う可能性が飛躍的に高まります。
トッププロ選手が使用するラケットは、その選手のプレイに最適化された特注品というケースがあります。○○選手モデルと謳って一般販売されているラケットでも実際に選手が使用しているスペックとは全く異なるということはよくあります。
フレーム厚とは
フレーム厚はラケットフレームの厚みのことを表します。フレーム厚は○○mmという形で表記します。フレーム厚によって「厚ラケ」、「中厚」、「薄ラケ」などと呼び分けることがあります。
現在、販売されているラケットのフレーム厚は17~30mm程度が一般的です。フレーム厚が20mm以下のモデルを「薄ラケ」、25mm以上のものを「厚ラケ」、それ以外のラケットを「中厚」とおおよそ区別します。
フレーム厚が一定のラケットもあれば、フレームの場所によって微妙にフレーム厚が異なるラケットなど、フレーム厚だけでもラケットの種類はさまざまです。
フレーム厚が及ぼす性能への変化
フレーム厚の変化によってボールの飛びが変わります。フレームが厚くなるほどボールの飛びは良くなり、薄くなるとボールの飛びが抑えられると一般的には言われています。
フレーム厚以外にもラケットの硬さやストリングパターン、ラケットに張るストリングの種類や、ストリングを張る強さなどでもボールの飛びは変わるので、フレーム厚だけでは全てを判断をしないように気をつけてください。
ただ、コーチである私自身の感覚では、フレーム厚の違いでボールの飛びは大きく変わります。ツアーモデルと呼ばれるスイングの速い上級者向けのラケットほどフレーム厚が薄いことからも、フレーム厚がボールの飛びに大きな影響を及ぼしていることが分かります。
フレーム厚でのラケット選びとは?
テニスラケットのフレーム厚は自分のプレイスタイルとスイングスピードに合わせて選ぶのがおすすめです。
プレイスタイルによるフレーム厚の選び方。
ストローカーやカウンター系のプレイスタイルを持つプレイヤーはボールを遠くに飛ばす必要があるため、厚いフレームのラケットを使うのがおすすめです。
一方、ボレーヤーのようにネットプレイが中心となるプレイヤーは、ボールの飛びを抑えて繊細なタッチが可能な薄いフレームのラケットがおすすめとなります。
スイングスピードに応じてフレーム厚を選ぶ。
スイングスピードの速いプレイヤーはフレームの薄いラケットがおすすめです。高速スイングで自分からボールに大きな力を加えられる人が厚ラケを使うとバックアウトが増えてしまいます。
スイングスピードに自信がなく、ボールが浅くなりがちな人はフレームの厚いラケットがおすすめです。テニスを始めたばかりの人はスムーズにラケットを振り抜くのは難しく、スイングスピードが遅い傾向があり、ボールを飛ばすのに苦労するからです。
初心者でも男性のようにある程度筋力がある人は厚ラケでなく中厚程度のラケットを選ぶと良いでしょう。
検索ツールを使ったラケット探し。
テニスラケット検索ツールを使って自分に最適なラケットを見つける方法を紹介します。検索ツールではフレーム厚を指定して検索することができ、希望のフレーム厚のラケットを見つけ出すことができます。
スイングスピードが遅く、非力な人向けのラケット。
スイングスピードが遅く、非力な人は「フレームが厚く(25mm以上)、重量の軽め(280g以下)のラケット」がおすすめです。
スイングスピードの速い、上級者向けのラケット。
スイングスピードの速い上級者は「フレームが薄く(20mm以下)、重量の重い(300g以上)のラケット」がおすすめです。
フレーム厚でいろいろなことが分かる。
ラケットのフレーム厚だけでもいろいろなことが分かります。例えば、試合で対戦相手のラケットフレームの厚みを確認するだけでも、プレイスタイルが予想でき、試合への対策を立てることも可能になります。
その他にも、使用ラケットを買い替えるたびにフレーム厚が薄くなっていく事でテニスの上達を実感できるかもしれません。フレーム厚についての知識があることでテニスをより楽しむことが可能になります。
これまでフレーム厚を気にしたことがなかった方も、今回の記事をきっかけにラケットのフレーム厚にも意識を払ってみてはいかがでしょうか。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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