女子テニス界に絶対的女王は誕生するのか?

女子テニスでは大阪なおみが2018年の全米OP、2019年の全豪OPと連続でグランドスラムタイトルを獲得し、世界ランク1位となったことで一時代を築くかと思いきや、その後思ったような成績を残せずに群雄割拠といった様相となっています。

では今の女子テニス界はどのようになっているのかWTAランキングを基に考察してきます。

WTAランキング。

まず2019年末のWTAランキングを見てみましょう。

1位のA.バーティは2位に2000P近く差をつけているものの、2~8位までのポイント差はわずか1200P程となっています。 WTAの各大会で獲得できるポイントの一覧表が下記に載せておきます。

2~8位までのポイント差であれば四大大会などグレードの高いトーナメントで1度優勝してしまえば順位が入れ替わるくらいの差です。

別記事で触れましたが、男子テニスではBIG3とその他の選手との獲得ポイントには大きな差がありました。一方、女子テニスはポイント差という観点から判断すると、男子に比べ選手間の実力差は拮抗していると考えられます。

女子テニスの四大大会優勝経験者。

次に2010年から2020年の全豪OPまでの四大大会で優勝経験のある女子選手の数を調べると21名もいました。そのうち2020年時点で現役を続けている選手は16名います。

男子は同じ期間で四大大会の優勝経験者がわずか6人だったことを考えると、女子の21人が圧倒的に多く感じてしまいます。言い換えれば、それだけ絶対的な選手が女子テニス界には存在しないという裏返しでもあります。

A.バーティは女王になれるのか?

では、現在の世界ランク1位(2020.2時点)のA.バーティは絶対的な女王になれるのでしょうか?

現状では獲得ポイントで2位以下に大きな差をつけているバーティですが、四大大会での成績を見ると全仏で優勝しているとは言え、他の大会でのSF以上の進出はありません。つまり、ポイント差ほど圧倒的な存在とはまだ言えないことが分かります。

ただ四大大会に次ぐ、プレミア大会では他の選手に比べ、コンスタントに上位に進出していることが今のランキングポイントの差につながっているようです。

女王誕生の条件とは?

男子に比べ圧倒的な存在に欠ける女子テニスですが、男子テニスのBIG3のような選手は登場するのか?

明確な答えはありませんが、女王としてWTAツアーに君臨する条件としては四大大会でコンスタントにBEST8に残るような安定して高いパフォーマンスを残すことがまず求められます。

2019年の四大大会女子S優勝者の四大大会成績を調べてみると、下記のような結果でした。

2019年四大大会優勝者のGSの大会成績。

上記を見れば分かるように、全ての大会でQF以上に進出している選手は一人もいません。ちなみに男子のBIG3の成績を同じように調べてみると下記のようになりました。

2019年のBIG3の四大大会成績。

女子と比べてもジョコビッチとナダルの成績が突出しているのが分かります。女子のトップ選手と比べることでもBIG3の凄さが分かります。

女子テニスでも男子同様に四大大会で好成績を安定して残すような選手が表れるかどうかに注目するとよりWTAツアーを楽しめるかもしれません。そういった意味では2020年の全豪OPでQFまで進出した、A.バーティ、P.クビトバ、S.ケニン、O.ジャバー、A.コンタベイト、S.ハレプ、G.ムグルサ、A.パブリチェンコバの8人に今シーズンは注目してみてはいかがでしょうか。

\近くのテニスコーチが見つかります♪/
\気になる人は↓↓↓をクリック!/

女王が登場することでツアーが盛り上がる。

過去を振り返ってみると、S.グラフ、M.ナブラチロワ、C.エバート、M.ヒンギスなど強い女王に他の選手が挑戦していくという構図によってテニスツアーは盛り上がり、多くのファンを獲得してきました。

まだ、現役ではありますが、少し前にS.ウィリアムズM.シャラポワがNO.1を争っていた時期はかなりメディアも注目して報道していたような印象があります。

世界ランクを知るとより楽しめる。

メディアでよく目にする世界ランクでも、獲得ポイントという観点から深く調べていくと、選手間の実力差がどの程度あるのかが分かってくるのではないでしょうか。

ランキングポイントという観点から考えると、同じ世界1位に対する勝利も、普通のツアー大会とグランドスラムでは1勝の価値が全く違うことが分かります。さらにトーナメント終盤での対戦になればなるほど勝利の価値は高くなります。

特に混戦のWTAツアーでは主要大会での1勝はランキングの変化に直結します。今回の記事がよりテニス観戦を楽しむきっかけになれば嬉しいです。