世界のトップが凄いというのは皆さん分かると思います。では世界に挑戦する日本人選手の立ち位置はどういったものなのか。ここからは日本人選手にスポットを当てながら世界ランキングを考えていこうと思います。
15年ほど前の日本男子テニス界では四大大会の本戦に出場する選手はほぼ皆無でした。それが2020年の全豪OPでは怪我で錦織圭が欠場していたにも関わらず、西岡良仁、杉田祐一、内山靖崇、伊藤竜馬の4選手が本戦に出場しました。
現在、多くの日本人選手がまずは目指すのはグランドスラムの本戦出場の目安となる世界ランキング100位です。ではその世界ランキング100位とはどの程度の成績を残せば到達するのか考察していきます。
世界ランキング100位の位置づけ。
プロテニスプレイヤーにとって最高峰の大会が四大大会です。プロ選手のほぼ全てが四大大会出場を目指しています。その理由は賞金や出場選手数、観客動員など四大大会はすべてが最高ランクの大会だからです。
四大大会の本戦出場可能人数は128人で予選枠や大会ワイルドカード (主催者推薦) を除き、ランキングにより本戦から出場できるのは104人になります。そのため、世界を転戦するプロテニスプレイヤーはまずは世界ランキング100位を目指しているわけです。
言い換えれば世界ランキング100位になって初めて名実ともにプロテニス選手と呼べるようになるのではないでしょうか。
世界100位になるため必要なポイント。
2019年末のランキング100位の獲得ポイント数が576P。最大でポイント加算できる大会数は20なので1大会における平均獲得ポイントにすると28.8Pとなります。この28.8Pは下部大会のCH(チャレンジャー)であればベスト4に相当するポイントとなります。
ツアーレベルで表すと、ATP250でベスト16で20P、ベスト8で45Pを交互に繰り返して20大会積み重ねるようなイメージになります。
ちなみに2019年の全日本王者の野口莉央選手はこれまで下部ツアーのCHレベルの大会でベスト4に入ったことは一度もありません。それを考えると世界100位のレベルの高さが分かると思います。
世界ランク100位の金銭事情。
獲得賞金についてはツアーレベルの大会を中心に出場してポイントを重ねた場合と、下部ツアーでポイントを重ねた場合では大きな差が出てきます。
そこで2019年末の96~105位の獲得賞金額を調べて、下記のようにグラフ化してみました。
グラフでもばらつきが分かると思いますが、最高で約67.5万ドルで最低で約17.5万ドルとなりランキングが近い選手でも最大で約50万ドルもの差があります。ちなみに10人の獲得賞金額を平均すると約36.7万ドルとなっています。
日本円にすると約4000万円なので2019年のサッカーJ1の選手の平均年棒3504万よりも高くなっています。しかしながらテニス選手の場合は遠征費やコーチ、トレーナーの帯同費なども負担しなければならないため、手元に残る金額は他のプロアスリートに比べ少ないはずです。
日本人選手の場合は、100位近いランキングの選手になるとスポンサーがつくことがほとんどなので、一定のレベルになると海外の選手よりは活動がしやすくなるようです。
選手の苦労を知ると応援にも力が入る!
プロテニス選手と一言で言っても、賞金だけで生計を立てられるのは世界ランキング100位をコンスタントに維持できるようになってからでしょう。そういった苦労を知ると、選手に対する応援にも身が入り、よりテニス観戦を楽しむことが出来るようになるはずです。
今後、多くの日本人選手が世界ランク100位の壁を突破していき、より日本のテニス界が盛り上がると良いですね。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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