コロナウィルス感染拡大を防止するため、三つの蜜を避けるようにとの周知が日々徹底されています。テニスは屋外スポーツのため三蜜とは関係ないはずですが、テニス界にも既に大きな影響が出ています。今回はコロナがテニス界に及ぼす影響をまとめて記事にしてみました。
海外ツアーは早々に中止を発表
WHOによるコロナウィルスのパンデミック宣言に伴い、ATP、WTA、ITFなど世界各地で実施される予定だったワールドツアーの大会は6月8日まで延期・中止されることが既に発表されています。
これに伴い四大大会でもウィンブルドンは今年の開催中止を決定し、全仏オープンは開催を延期し、9月に実施することが発表されています。
国内ではテニス施設が続々と利用禁止に
テニス施設の閉鎖を最初に決断したのは東京都でした。外出自粛要請が出るとほぼ同時に都が運営するテニスコート施設は全て使用禁止に。その後、多くの市区町村もテニスコートの利用を禁止し、都内ではテニススクール以外でのテニスをすることが実質不可能になっていしまいました。
そして、国が東京都を含む7都府県に緊急事態宣言を発令すると、公営コート以外にも宣言が出された地域のテニススクールはほとんどが営業休止になってしまいました。
実際に調べたところ、コナミ、ルネサンス、トップ、GODAI、ノアなど大手企業は緊急事態宣言が発令された地域の施設は全て営業休止になっていました。
全国に緊急事態宣言に拡大される。
当初は7都府県だった緊急事態宣言の対象を全国に広げるという報道が4月16日に出て、その日のうちに緊急事態宣言を全国へ拡大することが発表されました。宣言の拡大に伴い全国のテニス施設が今後続々と利用できなくなる可能性があります。
全国に宣言が拡大されたことで、多くのテニス関係者に影響が出るのは間違いありません。
既に出ている影響としては、今年開催予定だったジュニアの全国大会などの開催中止。JTAも6月7日までの公式大会全ての開催中止・延期を勧告したことなどがあります。
影響を受けるテニス愛好家の数は?
テニス施設の利用禁止に伴い一体どのくらいのテニス愛好家が影響を受けるのか。下記のように定期的にテニスをする人の数は集計したデータがあったので、データを基にその数を考えてみました。
テニス施設の利用禁止で影響を受けるのがどんな人かを考えると、上記のデータでは月2回以上テニスをする人が該当するはずです。成年人口で考えると約176万人のテニス愛好家がコロナによりテニスができなくなっていると考えられます。
選手やコーチへの影響は?
テニス愛好家に比べ、テニスに関わる仕事をしている人達の方がコロナにより直接的な影響を受けています。どんな影響があるのか具体的に挙げていきます。
プロ選手への影響(国内、海外)
海外のプロテニスプレイヤーは基本的に試合で得る賞金で主に生計を立てています。海外ツアーは6月7日まで全ての大会の開催を中止することを決定しているので収入源を断たれれている状態になります。
特に下部ツアーを主戦場とし、世界ランキング100位以下の選手は悲惨な状況に陥っています。下部ツアーを戦うプロの現状をまとめた記事を見つけたので興味がある方は【「食べ物にも困る」 新型コロナで追い詰められる無名テニス選手】をご覧ください。
一方、国内のプロ選手はどういう状態かというと、日本の一部のトッププロについてはスポンサー契約や、実業団のような所属契約があるためコロナによって試合に出られなかったり、トレーニングを制限されるなどの影響はありますが、収入面で言えば、生活が厳しくなるようなことはおそらくないはずです。
最も影響を受けているのがレッスンなどで主に活動資金を得ているプロ選手です。コートが利用できずレッスンをする場もなく、試合によって賞金を得るチャンスもない。想像しただけでも相当な苦境に立たされていることが分かります。
テニスはプロ選手と言っても余裕のある生活ができるのはコンスタントに四大大会に出場できるような一部のトッププロのみです。それ以外の選手は年間の収支は赤字にならない程度のプラスという選手がほとんどです。そういった選手がコロナの影響で競技生活の引退を余儀なくされることが増えるかもしれません。
テニスコーチへの影響
テニスコーチはスクールに所属しているか、それともフリーで活動しているかで状況は全く異なります。スクール所属で正社員として働いているコーチであれば会社からの給与がある程度保証されているはずなので、コロナによる影響は一般的な会社員と大差はないはずです。
一方、スクールとレッスン契約をしていたり、フリーで活動するコーチはレッスンをする場をコロナにより奪われている状況ですから収入は激減もしくは0になっているはずです。
もしも緊急事態宣言が長期化し、社会的な補償がなければ廃業してしまうコーチが増える可能性もあります。そうなると結果的にそのコーチにレッスンを受けていた一般愛好家にまで影響が出てしまいます。
願わくば、コロナ収束後に多くの愛好家がスクールに積極的に足を運んだり、個人でレッスンをしているプロやコーチたちに積極的にレッスンを依頼してもらえたらと個人的には思ってしまいます。
今こそなにをするか?
大なり小なりコロナにより多くの人が影響を受けています。文句を言ったところで状況が変わるわけでもないので、各自ができることをできる範囲で精一杯取り組むしかありません。
テニスが上達したければ、コートが使えない今こそ筋力トレーニングやダッシュ、ランニングなどフィジカル強化につながるトレーニングをしてみたり、プロの試合をたくさん見てイメージトレーニングをしたり、戦術の研究したりするなど、コートが使えなくても上達につながる方法はいくらでもあります。
コーチであれば、指導力を向上させるための勉強や情報収集などできることは必ずあります。今できることを考え、実践し、コロナ終息後により一層充実したテニスライフを多くの人が実現できることを願っています。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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