サービスの重要性は多くのプレイヤーに認識されていますが、リターンの重要性についてはサービスに比べて認識されていないように感じます。テニスでは競技レベルが上がれば上がるほどリターンの重要性が増し、試合の勝敗を大きく左右します。
今回は試合の勝敗に大きな影響を及ぼすリターンについて、プレイ時の心構えや意識について記事にしました。
リターンは勝つために必要な技術。
テニスの試合において、サービスが負けないための技術だとしたら、リターンは「勝つために必要な技術」といえます。
サービスは相手に邪魔されない唯一のショットですから、リターンに比べて有利な状況で打てるショットです。テニスの試合ではサービスキープを続けていけば理論上負けることはないので、サービスは負けないための技術といえます。
裏を返せば、リターンでポイントを獲得することができなければ試合で勝つことはできません。リターン=勝つための技術という考え方が腑に落ちると自然とリターンに対する意識も高まるはずです。
リターンが得意な選手は強い?
ATPツアーでは相手の1stサーブ、2ndサーブそれぞれでのポイント獲得率やブレイク率などを基にリターンの得意な選手をランキング化しています。リターンゲームで好成績を残している上位8選手は上記の通りです。
ランクインしている選手のランキングを調べると、TOP10入りしている選手が6名で、残りの2名のランキングも13位、33位と総じてランキング高いことが分かります。
一方、サービスレーティングの高い選手を調べるたところ、ATPランキングでTOP10入りしている選手が3名、残り5名のランキングは14、24、38、47、52位とリターンレーティングに比べて、ランキングが低くなっています。
サービスとリターンのレーティングを比較するだけでも、リターンが得意な選手ほどランキングが高く、リターンの方がサービスに比べて試合の勝敗に大きく影響するということが分かります。
何をすればリターン技術は向上する?
技術レベルが突然上がるようなことはなく、リターン技術を向上させるためには地道に練習を積み重ねる他ありません。
ちょっとしたリターンのテクニックについては以前記事にしたので、興味のある方は下記のリンクよりご覧ください。リターン力向上のヒントになるはずです。
リターンゲームでは何を考える?
テニスレベルや対戦相手との実力差によってリターンゲームで考えることは変わってきます。ここではリターンゲームで一般的に考えることや、意識するべきことを具体的に挙げていきます。
まずは返球が最優先。
リターンはまず返球しないと始まりません。試合慣れしていないプレイヤーは良いリターン打たなければと力んでミスをする傾向があります。厳しいコースや深いボール、スピードボールで返球する必要はありません。緩くて浅いボールでも構わないのでまずは確実に返球することを意識してください。
深い返球 or フォア・バックのどちらかを狙う。
余裕をもって確実にリターンが返球できるような場合は、深いボールでリターンを返球したり、相手のフォア・バックのどちらかを狙ったりするなど、リターン後のボールで相手に攻められないような工夫を少しでもしてください。
一般中級レベルまでであれば相手のバックハンドを狙って返球するだけでも大きな効果が期待できます。
回転やスピード変え、コースを正確に狙う。
リターンでも深さやコースをある程度コントロールできるのであれば、スピンやスライスなどボールにかける回転を打ち分けたり、スピードに強弱をつけたり、返球に角度をつけて厳しいコースを狙うとリターンゲームでも相手からラリーの主導権を奪うことができます。
迷いなくプレイさせない工夫をする。
対戦相手のレベルが上がってくると相手のサービスもその分強力になり、リターンだけで相手から主導権を奪うことは難しくなります。何も考えずにただ返球するだけのリターンではレベルの高い相手には通用しません。
少しでもリターン後に有利な展開に持ち込むには、リターンダッシュをしたり、強打を混ぜたりするなど、さまざまなリターンのバリエーションを見せることが重要です。いろいろなリターンを組み合わせることで、相手が迷いなくプレイできないようにします。
目先の1ポイントだけでなく、1試合トータルを考えてリターンに変化をつけられるようになると格上の相手にも勝利できる可能性さえ生まれます。
良いリターンは良いサービスを生む!
リターンゲームで獲得することができれば、サービスをキープしなければならない!という重圧から解放されます。サービスキープの重圧がなくなると、サービスゲームでも気持ちに余裕を持ってプレイすることができ、キープ率も上がるはずです。
1球で相手を追い込むような強烈なリターンは必要ありません。返球が多少甘くても必ず返ってくるリターンの方が一か八かのリターンよりもサーバーにとってはるかに嫌です。
今まで無理して良いリターンを打とうとしていた方は今回紹介したようにまずは返球するということを意識してリターンに臨んでください。リターンゲームがなかなか奪えないという方は今回紹介したことを意識するだけでもきっと試合の勝率が上がるはずです。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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