一般のテニス愛好家の方々は試合をするとなるとダブルスのゲームがメインという場合が多いかと思います。
今回はそんなダブルスにおいて必須の技術であるポーチについて解説していきたいと思います。
ダブルスには必須のポーチとは。
ダブルスのゲームにおいて高いレベルでの試合を除いて、一般的には雁行陣(後衛がベースライン付近、前衛がネット前にポジションする陣形)でプレイする形が多くなります。
対戦相手とお互いに雁行陣で後衛がラリーをしている最中に、前衛がラリーのボールを横取りするような形でボレーを決める技術がポーチと呼ばれます。
相手の後衛のストローク①に合わせて前衛はネット前に詰めながら②の方向にポーチ(ボレー)します。下の図のようなイメージです。
ポーチがなぜ必要なのか?
ダブルスではシングルスに比べ、コート面積は広くなります、しかし、ペア二人でコートをカバーする形になるため、単純にボールを繋いでいるだけでは相手を動かすことがあまりできないため、ミスを引き出すことが難しくなります。
そこで必要になるのが前衛のポーチです!後衛同士のラリー中に前衛がポーチでボレーをすることで、返球するために相手が準備をする時間を削ることが出来ます。
加えて、ポーチはネット付近でボールを打つことになるため、ストロークよりもボールに角度をつけることができます。その結果。相手が追い付けないようなボールを決めることも比較的簡単にできます。
ポーチが決められない人の原因。
理論上ではポーチの方が遥かに簡単にポイントを取ることできます。しかしながらダブルスで思ったようにポーチを決められないという人は多くいます。
そんな方々に共通するポーチが決められない原因として考えられる理由を挙げていきます。
①ポーチに出るタイミングが間違っている。
ポーチの決定率が低い人に共通する原因の一つがこれです。テニスは相手の体勢を崩し、如何に自分にとって有利なボールを引き出すかが大事になります。
ポーチにもこの考えは共通するのですが、相手が打ちにくい体勢になっていないのに、なんとなくのタイミングでポーチに出るとボールに届かなかったり、相手に簡単にストレートにコースを切り替えられたりしてしまいます。
適切なタイミング以外でポーチに出るのは一か八かのギャンブルと変わらないので、事前にペアの了解を取っていない限りは控えるのが賢明です。
②ポーチに出る際の動きに原因がある。
次にミスの原因として考えられるのはポーチの際に真横に移動してしまうことです。クロスに返球されたボールに対して真横に移動しながらボレーをしようとすると、ボールとの距離が遠くなり、打球位置もネットから少し離れた位置になるためネットミスも増えやすくなります。
③ラケットを振ってボレーをしている。
ポーチに出た際に決めようとする意識が強すぎてラケットを振ってしまうこともミスの大きな原因です。ラケットを振ることによってボールに勢いをつきますが、少しでもタイミングがズレるとネットミスやアウトにつながってしまうので、ポーチではラケットを極力振らないようにする意識が必要です。
ラケットを振ってしまう原因は、下記の写真のようにインパクト前にラケットを後ろに引いてしまう動作にあります。これは打点が遅れるなどのミスにもつながります。ポーチの際はラケットを引かないように意識しましょう。
ポーチのミスが多いという方は上記の3点について当てはまる点がないか確認してみてください。
ポーチをする際に意識すべきポイント。
ここからはポーチを決めるためのコツについてご説明していきます。
①相手の返球位置を意識する!
相手が打球するポジションを意識することで、ポーチに出るタイミングが分かるようになってきます。
上記の左図のように相手がコートの外に振られた際は体勢が崩れていない限りは、より角度をつけられてクロスに返球される可能性があるだけでなく。ダウンザラインでストレートを狙われることもあるのでポーチは自重したほうが良いでしょう。
逆に上記右図のように、センターよりの位置から相手の後衛がストロークを打つ際は返球に角度をつけるのが難しくなるので、ポーチの成功率が上がります。相手が打球した直後にセンター付近に返球されると判断したら積極的にポーチにチャレンジしてOKです。
②相手のショット選択を素早く判断!
相手の打球するポジション以外にも、相手の後衛がスライスショットを打つことが分かった場合もポーチに出るチャンスとなります。
スライスでの返球は打球スピードが他のショットに比べて遅くなるため、ボールに追いつく可能性が高くなります。
他にも、相手がネットより低い位置でボールを取らざるを得ない状況などは、相手の返球が浮きやすくなることに加え、相手はコートにボールを入れるために、ボールスピードを抑える必要があるので、これもポーチを決めるチャンスの一つです。
③動きは斜め前に!ネットに詰める形を意識!
ポーチの際の動きもポーチを決めるための重要なポイントになります。ネットに向かって斜め前に詰めることで、下の図の①のようにボールに対して最短距離で追いつくことが可能になり、ネット前で打球することでネットミスの可能性も減らせるので、すぐに実践できるコツとしておすすめです。
④面の向きだけ意識してインパクト!
ポーチはとにかく面を作って当てることだけ意識しましょう。
特に相手のボールが早いときはインパクトのタイミングさえ合えばボールスピードは勝手に出るので、十分ウィナーを取れます。相手のボールが遅いときは、面だけ作って当てることでボールに角度をつけてアングルに打つことも可能になります。
多少の慣れは必要になりますが、面感覚さえ掴めば簡単にアングルショットが打てるようになるため、習得できればダブルスで驚くほど簡単にポイントを取ることが出来るようになります。
意識すべき点が分かればあとは実践あるのみ!
考えられるミスの原因と、ポーチを打つ際のコツ、ポイントについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。言葉によって頭で理解できれば、あとはコートで実践して感覚を掴むだけです。
あれこれと余計なことを考えているとなかなかポーチは決まりません。まずは今回紹介した内容を意識して一つずつ実践できるように練習してみてください。これまでより必ずポーチで決められるポイントが増えるはずです。
今回の記事を通して、少しでもみなさんの上達のお役に立てたら私も嬉しいです。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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