ミスなく安定したショットを打ち続けるためには余計な身体の動きを極力排除する必要があります。テニスがなかなか上達しない人に共通する要素として手首を必要以上に使ってしまう傾向があります。
今回はボールを打つ際にどのように手首を使っていけばいいのかを解説していきます。
小手先で打ち分けようとしない。
人間の身体の構造上、大きい関節の動きに比べ、小さい関節の動きほど繊細な調整が必要となるため、身体の動きを自由にコントロールするためには膨大な練習量が必要になります。
上記の写真で説明すると、肘関節に比べて手首の関節の方が小さいため、細かい動きは可能ですが調整は難しくなります。
分かりやすく説明すると指の関節→手首の関節→肘の関節→肩の関節と関節が大きくなればなるほど、細かい動きがしにくいため、結果として動きのズレが生じにくくなるわけです。
どのスポーツにも共通しますが、大きな関節の動きを利用したほうが再現性の高い動きが出来るようになります。テニスの場合、なるべく大きな関節を使ったほうが身体の動きにズレが少なくなり、ミスが出にくい安定したショットが打てるようになるわけです。
手首のように小さな関節を無理に使うと怪我につながる。
大きな関節の動きを使ってショットを打った方がミスが出にくくなるのは勿論ですが、小さい関節に比べてエネルギーの出力も大きくなるため、相手のボールに力負けしなくなります。
手首を使って無理にボールを打っていると、相手のレベルが上がって球威も強くなると怪我をするリスクがどうしても増えてきます。
実際にテニスをしていて、手首や肘を痛めてサポーターをしている一般テニス愛好家の多くは、手首や肘など小さい関節を使ってボールを打つような変な癖のついたフォームになっているのが何よりの証拠です。
手首は「脱力」と「固定」が大切!
テニスは脱力を上手く使う必要があります。常に力んでいるとスイングスピードは上がりません。しかし、常に脱力していてはインパクトの際に相手の打ったボールの球威に押されてしまい強いボールは打てなくなります。
つまり、打つ直前まで脱力した状態でスイングを始め、インパクト時にグリップをしっかり握り相手のボールに力負けしないように手首を固定する!この意識が重要になります。
実際にプロの選手がボールを打っている写真を見れば脱力からインパクト時にグリップを強く握り、手首を固定していることが分かると思います。
ストロークのワイパースイングは回内を使ってする!
ストロークはワイパースイングを意識してトップスピンをかけるという話を聞いたことがある方も多いと思います。ボールにスピンをかけようしているにも関わらずインパクト時に手首を返してしまい回転がかからないと悩んでいる人も一定数います。
ワイパースイングをしようとすれば、手首は変に動かさずに回内を意識する必要があります。実際にラケットを握った状態でワイパースイングをゆっくりすると変に手首を動かしていないことが分かるはずです。
参考までにワイパースイングを写真で示すと上記のような形になります。より詳しくストロークの際の回内について知りたい方は、「プロネーションって何?そもそもテニスに必要なの?」の記事に詳しい解説を載せているのでご参照下さい。
ボレーは手首のラケットの角度を意識!
ボレーを打つ際はストロークに比べ、より手首を固定する意識が必要となります。ストロークのようにトップスピンをかける必要はないので、極端に脱力してラケットヘッドを落とす必要がありません。
上記の写真のようにラケットと手首の角度を固定した状態で準備に入り、飛んできたボールに合わせて足を踏み込みインパクトの瞬間にしっかりとグリップを握ります。そうすると体重のしっかり乗った強いボレーが打てるようになります。
ボレーは手首を使ってスライスをかけない。
ボレーが苦手な人に多いのですが、ボールにスライス回転をかけようとする意識が強すぎて、手首を使って上から下にボールを切るようにスイングしてしまう傾向があります。
インパクト時に手首を動かすとインパクト安定せず、ボールがしっかりと飛ばずに勢いの死んだボールになってしまうので注意が必要です。
余計な動きは減らせばテニスは上手くなる。
テニスが上手い人ほど、身体の使い方が効率的になり余計な動きが減っていきます。プロ選手がみな似たようなフォームでボールを打っているのが何よりの証拠です。
技術的に伸び悩みを感じている人は、何かが足りないと考えるよりも、余計な動きを何かしていないかという観点で自分のフォームを一度見直してみてはいかがでしょうか。どこから手をつけていいか分からないのであれば、今回紹介した手首の動きから意識して見て下さい。
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- 阿部亮平
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