テニスはやみくもに練習していれば上達するものでもありません。レベルを問わず、上達するためには意識するべきポイントがあります。今回は意識するポイントと練習法をお伝えしていきます。
ミスの原因を理解する!
テニスが上達したければ自分がミスした原因をしっかりと理解する必要があります。スポーツに限らず、勉強や仕事では失敗した原因を解明し、悪かった部分を改善・修正していくことで向上していきます。
意識、無意識の違いはありますが、テニスが短期間で上達する人は自分のミスした原因を理解し、改善・修正するという行動を自然と繰り返しています。
もしも、なかなかテニスが上達しないと現在悩んでいる方がいれば、ぜひ自分のミスの原因をはっきりさせることを意識してみてください。
どうやってミスの原因を解明するのか?
ミスの原因をはっきりさせたくてもどこに注目して良いのかが分からない方は非常に多いはずです。私がコーチとしてレッスンをするときに、どういったポイントに注目して相手を観察しているのかをお伝えします。
打点
ボールのコントロール・プレイスメントに大きな影響を与えるのが打点です。
当たり前ですが、打ったボールはインパクトの時にフェイス面が向いている方向に飛んでいきます。ゆっくりラケットを素振りしてもらえれば分かりますが、打点が後ろになるとフェイス面は逆クロスの方向に、打点が前過ぎるとフェイス面はクロス方向を向きます。
ボールが狙ったところに行かず、コントロールが安定しない人は、打点が前後に毎回ズレてしまっていることを意味します。コントロールが定まらない原因が打点と分かれば、1球1球ボールを打つときに打点を意識してください。ボールコントロールは打点を意識して練習することで徐々に向上させることができます。
スクールでは打点ではなく、身体の向きを変えてコースを打ち分けると指導するコーチがたまにいます。身体の向きでコースの打ち分けをしていると、試合では簡単に打つコースを読まれてしまいますし、身体の向きを変えるのは打ち分けではありません。必ず打点を変えて打ち分けることを意識して練習してください。
スイング軌道
打ったボールがオーバーアウトしたり、ネットミスしたりする原因がスイング軌道です。
ネットミスが多い人はスイングがダウンスイング or レベルスイングになっていることが多いです。一方、オーバーアウトが多い人はボールにスピンをかけるようなスイングが身についてない人がほとんどです。
男性でオーバーアウトが多くて悩んでいる人はスピンをかける下から上のスイング軌道を強く意識してください。スピンの詳しい打ち方はこちらの記事→(テニス技術特集 ~トップスピン~)をご覧ください。
インパクトまでのスイング幅をしっかりと確保するとスイングはその分加速するのでボールは遠くに飛ぶようになります。例えるなら助走距離が長い方が加速できるのと一緒です。
準備の早さ
ボールを打つ前の準備が遅く、ミスをしている人は非常に多いです。ストロークの場合、テイクバックは自分のコートに相手の打ったボールがバウンドする前には必ず完了させる。ボレーであれば相手が打つ瞬間にスプリットステップを踏む。
準備とスプリットステップの2点を意識するだけでも余裕をもって打てるボールが増え、必ずミスが減ります。
準備が早くできているかどうか確認する方法は、自分が普段練習している人たちよりも速いボールを打つ人と練習することです。速いボールを打つ人と打ち合い、振り遅れなど打点の遅れが出なければ素早い準備ができていることを意味します。
打点・スイング・準備を自分で意識すると上達が早くなる!
打点・スイング・準備の3つのポイントを意識すれば、ほぼすべてのミスの原因が自分で理解できます。ミスの原因が自分で理解できれば、その都度修正していくだけなので、コーチがいなくても質の高い練習ができるようになり、どんどん上達していきます。
上達するための練習法
ミスの原因が分かれば、あとは効率的な練習をひたすら積み重ねていくだけです。ここからレベルに合わせたやるべき練習をご紹介します。
初心者・初級
テニスを始めたばかりの方はとにかく素振りを練習してください。正しいスイングを身体に覚え込ませる必要があります。
いきなりラリーで練習するとボールを打つことに集中してしまい、フォームが崩れてしまいます。崩れたフォームで練習すると悪い癖がついてしまうので、まずは素振りで綺麗なフォームを身体に覚え込ませることを意識してください。
Youtubeなどでプロの映像を確認し、真似しながら素振りをしてください。その後は素振り→手出しでのボール打ち→ショートラリーと徐々に練習の難易度を上げていくことで効率的に上達することができます。
中級
ある程度、フォームが固まってきた人には壁打ちの練習がおすすめです。壁打ちは打点がズレるとボールが左右にばらついてしまうので、連続でボールを打ち続けることが難しくなります。壁打ちを続けようとすると、自然と打点を意識するようになるので、ボールコントロールを向上させることができます。
また、普通に相手と打ち合うラリーに比べて次のボールを打つまでの準備時間が短くなるので、打つ前の準備が早くなるという効果もあります。
1人でも十分上達につながる練習になるのが壁打ちです。中級レベルで伸び悩んでいる人がいればぜひ実践してみて下さい。
上級
スクール上級など、ある程度のレベルに達した人は、自分よりも上手い相手と練習することを意識してください。
上手い人と練習すると質の高いボールを受けることができ、ラリーも長く続くため同じ時間でも練習の質を高めることができます。テニスに限らず、スポーツは自分よりもレベルの高い人と練習すると、集中力や緊張感が増し、高い練習効果を得ることができます。
上手い人と練習すると、今まで決まったボールが拾われたり、自分の予想を上回るようなショットを打たれたりすることが必ずあります。最初は戸惑いますが、練習を続けていくと、高いレベルのテニスが自分にとっての当たり前に変化していき、気づかないうちに自然と上達していきます。
とにかく試合に出る!
全てのレベルに共通することですが、上達したければとにかくたくさん試合に出ることを意識してください。
練習と試合では緊張感が圧倒的に違います。試合でできることがあなたの実力です。実際に試合に出てみないと自分が試合でできること、できないことは確認できません。
余裕があれば月1回を目安に試合に出てください。身近な目標設定や練習の動機づけにもなるので最速で上達したい人には試合がおすすめです。
オフコートトレーニング!
筋トレやフットワークなどのオフコートトレーニングも上達には必須です。
テニスの上達のためにオンコートで練習をする人はたくさんいます。しかし、ほとんどの人は筋トレなどオフコートでの練習は避ける傾向があります。オフコートトレーニングをすることで、返球できなかったボールが返せるようになったり、威力のあるボールが自然と打てるようになります。
特に年配になればなるほどトレーニングを怠る人は増えます。トレーニングをしっかりすれば、技術練習を積み重ねるよりも早くテニスの実力差を埋めることできます。また、トレーニングで身体が強くなることでより長い練習にも対応できるようになるので、ぜひトレーニングも積極的に取り組んでください。
正しいアプローチが効率的な上達につながる!
無闇に何も考えずに練習していてもテニスはなかなか上達しません。最近伸び悩みを感じている人がいれば、ぜひ今回ご紹介したポイントを意識して、ご紹介した練習方法を実践してみて下さい。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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