なかなか上達しない人に知ってほしいことがあります。
テニススクールに通って何年も同じクラスに在籍していたり、初級→中級→上級とステップアップに数年という時間を費やしたりしている人をこれまでたくさん見てきました。
そういった方々に共通するなと思う点がいくつかあったので今回は上達を阻む要素についていろいろお伝えしていこうと思います。
コーチを盲信し過ぎている。
まず、一番に思い浮かぶ理由はこれです。特にスクールでお気に入りのテニスコーチがいる方に多いです。人ですからコーチとの相性があるので、好き嫌いがあるのは仕方ないと思います。
しかし、相性だけでコーチを選んでいては上達を阻む原因にしかなりません。全てのコーチが自分にとって最高のコーチであれば誰もが必ず効率的に上達していくはずです。思ったように上達できないようであれば、コーチが話すことを全て鵜呑みにする必要はありません。
コーチングにはコーチの主観が含まれている。
当たり前ですが、人ぞれぞれ関節の可動域から体性感覚までバラバラです。コーチが指導する際は一般的に抑えておかないといけないコアな部分をレッスン生には伝えていきます。コーチングの際には身体の感覚を伝えることもあるため、どうしてもコーチの主観が少なからず入ってしまいます。
担当コーチが自分が似たような感覚を持つ場合であればアドバイスをしっかりとプレイに落とし込める可能性は高くなります。
しかしながら、全く感覚を理解できない場合はレッスン生は技術の改善を全く感じられず、上達につながらないだけではなく、余計な悩みを抱えてしまう可能性もあります。
同じコーチのレッスンを長い間受けていて、思ったように上達を感じられない方は、別のコーチのレッスンを受けてみるのが良いでしょう。同じ練習メニューでもコーチが変われば伝え方もガラッと変わる場合もあります。
何か明確に改善したい技術があればいろいろなコーチのレッスンを受けてみて、自分のテニスおけるフィーリングがしっくりくるコーチの言葉に耳を傾け、そのアドバイスを実践するのが一番でしょう。
テニススクールの仕組みに問題がある。
次に、なかなかテニスが上達しない原因になるのがテニススクールのレッスンの仕組みです。テニススクールの問題点についてお話していきます。
テニスコーチの間にレベル差がある。
テニスコーチと一括りに言っても、実績や技術レベル、コーチングスキルなどそれぞれのコーチでバラバラです。実際にテニススクールで私自身がコーチをした経験からそれは強く感じました。
インカレやインターハイなど全国レベルを経験しているコーチもいれば、たいした戦績、実績もなく、飲み会がメインのようなテニスサークルに所属している学生アシスタントコーチまで様々なレベルのコーチがテニススクールにはいます。
場合によってはアシスタントコーチなら球出しさえ出来れば良いとの理由でテニス経験がほぼなく、運動神経が良いというだけで採用されていたようなコーチも居ました。
一般的にスクールの月謝はコーチによって変わるということはありませんから、同じ月謝を払っていたとしても、テニスコーチのレベルによってスクール生の受けられるレッスンの質にも大きな差がついてしまうのが実情です。
指導マニュアルに限界がある。
複数の施設を運営しているようなテニススクールではコーチの指導スキルの水準を一定に保つため、指導マニュアルがあり、それを基に所属コーチに対して定期的な研修を実施している場合が多いです。
しかしながらこの指導マニュアルと研修が、限られたレッスンを画一的なものにしてしまい、それぞれのスクール生にとって最適化された指導が難しくなるという問題が生じてしまいます。
テニススクールの集団レッスンでは特定のお客様に対して、少しでも長い時間を割いてしまうと、他のお客様からのクレームが生じたり、予定していたレッスンメニューを消化できず、上司からお叱りを受ける可能性がコーチにもあります。
そういった理由からどうしても多くの人に当てはまるような無難なポイントを伝えるだけで、いかにトラブルなどを起こさずに時間通りにレッスンメニューを消化するかにフォーカスしてしまうことが往々にしてあります。
実際にスクールに通ってテニスをしている方は分かると思いますが、日によって練習のテーマは変われども、レッスン全体の流れは大きく変わらないはずです。
結局のところ、上記で述べたコーチのレベル、指導マニュアルという2つの観点からどうしても個々に応じたアドバイスというは一部の優秀なコーチを除いて、テニススクールでは難しくなってしまいます。
上手くなりたければ、コーチ選びに妥協しない!
ここまでコーチやスクールの問題点について触れてきましたが、今の環境で思ったようにテニスが上達できていない方はどうしたら良いのか?
テニスを教えるコーチという立場から言えることは、「コーチ選びに妥協しない!」この一言に尽きると思います。
コーチにも得手、不得手がある。
どんなレベルのプレイヤーであれ、それぞれのレベルで得手、不得手が必ずあるはずです。それと同じように、テニスコーチにも教えるのが得意、不得意な技術が少なからずあります。
自分の現時点での課題をしっかりと把握し、その課題を解決するために最適なコーチを見つける。大変かもしれませんが、それが一番だと思います。
トッププロでさえ、コーチを変える!
実際、トッププロはツアーを戦う中で自分自身の課題に合わせて、コーチを変えていきます。錦織圭選手のように長い間同じコーチという選手の方が稀です。
トップ選手が更なる上達のためにコーチを変えるわけですから、一般のプレイヤーも自分の課題に合わせて積極的にコーチを変えていっても良いのでは私は思います。
技術面やトレーニングでプロの真似をして練習するという人はたくさんいるはずです。であればテニスコーチに関してもプロと同じように今の自分に合ったコーチを探すことに労力を割いた方がより上達できるはずです。
万能なコーチなどいない。
いろいろとコーチやスクールについて私なりの考えをお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
なかなか上達しない人のなかには原因を自分自身に求めてしまう人もいますが、コーチを変えることで自分の伸びしろが見えてくるなんてこともよくあります。
今回の記事が何か上達のきっかけに少しでもなれば嬉しいです。最後まで目を通して頂きありがとうございます。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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