テニスレベルは客観的にどう判断する?

テニススクールでは受講できるレッスンが、テニスレベルによって細かく分けられています。スクール独自にテニスレベルを判断する基準がありますが、実際はレッスンを担当するコーチの主観的な判断によってレベル分けがされているのが現実です。

今回テニスレベルをどうやったら客観的に判断することができるのか。テニスレベルに関して多くの人が考えたことがあるであろうことを記事にしました。

テニスレベルとは。

テニスレベルとはテニスのショットや戦術、技術など習熟度を表します。大まかに分けると下記のような感じに分けられます。

  • 初心者
  • 初級
  • 中級
  • 上級

テニスレベルはテニススクールの受講レッスンを判断したり、草トーの出場大会を選んだりするなど、テニスをしている切っても切り離せない要素です。

テニスレベルを判断するのは難しい?

テニスレベルを客観的に判断するのは非常に難しいです。テニスレベルを判断する尺度として「技術的な上手さ」を使うのか、それとも「テニスの強さ」を使うのかでもテニスレベルの判断は大きく変わります。

実際に試合をすると、テニススクールで上級クラスに所属している人が、中級クラスに所属している人に負けてしまうこともあるなど、スクールでは正確なレベル判断がなされていない現実があります。

なぜ正確なレベル判断ができないのか?

テニススクールであれば同じレベルのクラスでも曜日や時間帯によってレッスン生のレベルに差があります。加えて、コーチによってクラス昇級の判断に微妙な違いがあるからです。

同じスクールでさえレベル判定にばらつきが出るわけですから、スクール単位であればレベル判定に大きなばらつきが出るのは当然です。加えて、テニススクールに通わずテニスをしている人も含めて考えると、自分のテニスレベルを客観的に判断するのは非常に難しくなります。

私自身もテニスコーチをしていて、スクールに通わない一般プレイヤーからおおよそのレベルを判定してくださいとお願いされることからも、多くの人が自分のレベルを理解できていないことが分かります。

テニスレベルを客観的に判断する指標。

客観的なテニスレベルを判断する指標として「NTRR」「ITN」があります。どちらの指標も具体的な技術レベルなどによってテニスレベルを細かく区分しており、USTA(全米テニス協会)でもレベル判断の目安として紹介しています。

どちらの指標も海外で主に利用されているので、内容を日本語に意訳して紹介します。

NTRP

テニスオフなどオンライン上でテニスをする場を探すときによく用いられるのが「NTRP(The National Tennis Rating Program)」です。1.0~7.0まで0.5刻みの数値でテニスレベルを判定していきます。

NTRP値レベルの目安
1.0テニスをはじめたばかり。
1.5経験が浅く、ボールをつなぐことで精一杯な状態。
2.0試合経験が必要。ストロークは安定しないが、シングルスやダブルスの基本的なポジションは理解している。
2.5ボールの行方をおぼろげに予測することができる。コートの守備範囲は狭いが、同レベルの相手であればゆっくり短いラリーができる。
3.0中程度の速さのショットが入るようになる。ストロークの方向、深さ、強さのコントロールには欠ける。ダブルスのフォーメーションは雁行陣が基本。
3.5中程度のショットであれば方向はコントロールできるが、ショットの種類や深さはまだ足りない。ネットプレイに積極的になり、コートカバーが広くなる。ダブルスではペアに声をかける余裕が出てくる。
4.0ストロークに安定性があり、中程度のショットであればフォア、バックともに方向と深さのコントロールができる。ロブやスマッシュ、アプローチ&ボレーが可能でときどき成功する。ときにはリターンミスを誘うサーブが打てる。ダブルスの動きは理解している。
4.5スピン量を調整し、ボールスピードやショットの深さをコントロールできるようになる。一定のコートカバー力を持ち、相手に応じてゲームプランを考えることができる。1stと2ndサーブを打ち分け、ダブルフォルトは少ない。難しいショットは強打しがち。ダブルスは積極的にネットを取れる。
5.0ボールの行方を正確に予測できる。武器となるショットがあり、それを中心にゲームを組み立てることができる。ボレー、ロブ、ドロップショット、ハーフボレー、スマッシュなど一通りのショットがそつなく打てる。深く、スピンの効いたセカンドサーブを打つことができる。
5.5パワーや粘り強さを主な武器とし、試合中に作戦を変えることができ、苦しい状況でも信頼性の高いショットを打てる。
6.0ジュニアレベル、大学レベルの全国大会を目指し集中してトレーニングを積んだ経験があり、地域や全国のランキングに入っている。
6.5ATP/WTAのランキングポイントを獲得したことがある。
7.0プロ選手として大会の賞金で生計をたてている。
引用:usta.comより

NTRPは数字が高いほどテニスレベルが高くなります。おおよその目安をテニススクールのレベルで示すと、1.0~2.5までが初級、3.0~4.0が中級、4.5~が上級といった感じです。4.5と5.0の間に大きな壁があり、オープンの草トーや市民大会で上位に入るような人は5.0以上となるはずです。

ITN

「ITN(The International Tennis Number)」は1~10までの10段階でテニスレベルを判定する指標です。レベル分けについてはNTRPと似ています。下記のように10段階にレベル分けされており、数字が低くなるほどテニスレベルが高くなります

ITNレベルの目安
10フルサイズのコートで、イエローボールを使ってプレイを開始したばかり。
9テニスのプレイ経験がまだ少なく、ストロークが上手く打てる頻度はまだ少ない。
8セルフジャッジが可能になり、ショートラリーであればラリーを続けることができる。初心者
7ゆっくりなショットであればラリーが可能。ボールの球種や深さ、コース、スピードなどのコントロールはまだできない。基本的にネットプレイはできない。初級レベル
6ボールを徐々に狙ったところに打てるようになり、ネットプレイにも出れるようになる。コートカバーも広くなり、ダブルスであればそつなくプレイが可能。中級レベル
5力のあるストロークをコースを狙って打ち分けることができる。ボレーやアプローチ、スマッシュも普通にこなすことが可能。上級者レベル
4ボールの回転を打ち分け、ラリーのペースをコントロールでき、相手に合わせて戦術を組み立てることができる。強力な1stサーブとスピンの利いた2ndサーブの打ち分けが可能。草トー、市民大会上位レベル
3ボールの予測能力が高く、優れたショットと戦術を持ち、チャンスボールやスマッシュは決めきる。サーブでは複数の球種を使い分ける。全国大会出場・セミプロレベル
2自分の明確なプレイスタイルや武器を持ち、国内大会のランキングに入るような選手。全日本選手権出場レベル
1ATP/WTAランキングを保持し、テニス大会の賞金が主な収入源となるレベルのプレイヤー。海外ツアー転戦レベル
引用:usta.comより

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テニスレベルの判断基準は試合の強さ!

試合でに何ができるかが大事!

NTRPやITNでは、試合で何ができるかによってレベルを判断していることが分かります。日本の多くのテニススクールで実施されている大人数のレッスンで、打ちやすい場所に球出しされたボールをいくら上手く打てたところで上級とは言えないわけです。

あくまでもテニススクールのクラス分けはスクール内のものであり、スクール上級は一通りのショットを覚え、やっと試合に出る準備ができた段階と言えるかもしれません。

私自身がコーチとしていろいろな人とテニスをしてきた経験も含めて、草トーなどの試合に積極的に出るようになると中級レベル上位が狙えるようになってやっと上級レベルだと感じます。

試合出場は上達を加速させる!

試合に出れば優勝しない限り、必ず自分の課題が明確になります。負けた悔しさと明確になった課題を克服しようと練習することで上達スピードは速くなります。

レベルを問わず、テニスの上達が頭打ちになっていると悩んでいる方がいれば一度試合に出場してみてください。きっと今の自分にどんな練習や技術が必要なのか上達のヒントを得られるはずです。