2019年現在、未だに衰えをまったく見せないフェデラー。そしてフェデラーに勝てる日本人がいるとすれば錦織しかいないでしょう。
両者は2019年12月までに公式戦で11戦しており、8勝3敗でフェデラーが勝ち越しています。
両者の試合はどれも世界中のテニスファンを興奮させるものばかりでした。日本の若きサムライが世界の頂点に挑むシナリオが見られる、素晴らしい時代だと感じます。
この記事では歴代の錦織対フェデラー戦の中から、選りすぐりの試合をランキング形式でご紹介しています。
第7位 ウィンブルドン2019 準々決勝
意外にもウィンブルドンでの対戦は初だったウィンブルドン2019準々決勝が第7位です。「芝の王者」として君臨し続ける絶対王者とテニスキャリアに箔がつき始めた錦織の対戦に世界が注目していました。
1セット目から両者の巧みなネットプレイが光ります。攻めの姿勢で前半から飛ばしていく両者のテニスに観客の目は釘付けでした。
1セット目は錦織が獲得したものの、2セット目以降は王者の独壇場でした。2セット目を6-1という大差でフェデラーが獲得すると、3セット目以降、フェデラーの正確無比で強力なストロークの前に錦織はブレイクがなかなかできません。
結果は6-4. 1-6, 4-6, 4-6でフェデラーの勝利でした。芝の王者の貫禄を見ることができた試合となりました。
第6位 全豪オープン2017 4回戦
錦織にとって自己最高となる世界ランク5位で迎えた全豪オープン2017 4回戦が第6位です。この時フェデラーの世界ランクは17位ですが、当時フェデラーは4大大会歴代最多20度の優勝を誇っており、4回戦とは思えないハイレベルな戦いに世界が注目しました。
両者とも広角に打ち分ける強力なストロークを武器に、隙あらばネットプレーでフィニッシュ、またはそれを逆手に取ったカウンターなど、お互いに引けを取らない好勝負でした。
結果は7-6、4-6、1-6、6-4、3-6でフェデラーの勝利でした。試合後、錦織は「もったいないとしか言いようがない。このような負け方は本当に残念」とコメント。4大大会初優勝も充分可能と言われていただけに、悔しい結果となりました。
第5位 パリ・マスターズ2018準々決勝
世界ランク11位の錦織と同ランク2位のフェデラーが対峙した注目の1戦であるパリ・マスターズ2018準々決勝が第5位です。ツアー通算100勝がかかっていたフェデラーにとって、負けるわけにはいかない大事な試合でした。
第1セットからフェデラーのファーストサーブ成功時の得点率が光ります。錦織が55%の同得点率に対し、フェデラーは驚異の93%でした。サーブの強力さでフェデラーはその別格の強さを見せつけます。
結果は4-6、4-6でフェデラーの勝利でした。しかしフェデラーは決勝で惜しくもジョコビッチに敗れ、ツアー通算100勝達成はお預けとなってしまいました。
第4位 マスターズ上海大会2018準々決勝
世界ランク12位の錦織が同ランク2位のフェデラーに挑むマスターズ上海大会2018準々決勝が第4位です。両者の歴代の戦いの中でも特にスーパーショットが多い試合として知られています。
試合は序盤からフェデラーが終始リードする形で第1セットを獲得します。錦織はミスが目立ち、自分自身への苛立ちが隠せない場面もありました。
第2セットでは錦織も調子を取り戻し、タイブレークまでもつれ込みます。タイブレークでは圧倒的な強さを持っている錦織でしたが、この日はどちらが獲ってもおかしくはない互角の展開でした。
結果は4-6、6-7のストレートでフェデラーの勝利でした。フェデラーはその後世界ランク13位のチョリッチに敗れ、上海マスターズ連覇は叶いませんでした。
第3位 ソニーオープン2014 準々決勝
世界ランク21位の錦織が4大大会世界最多の17度の優勝を誇る同2位のフェデラーに挑むソニーオープン2014 準々決勝が第3位です。誰もがテニス界の生きるレジェンドの勝利を信じて疑いませんでした。
試合は序盤からフェデラーがその強さを如何なく発揮する展開でした。第2セットも中盤までそれは変わらず、このままフェデラーの勝利かと思われましたが、中盤から錦織の追い上げが始まります。
厳しいコースへの打球にも喰らいつき、フェデラーのミスを誘います。終盤になるとフェデラーのミスが目立ち始め、錦織がリードを守ります。
結果は3-6、7-5、6-4で錦織の勝利でした。自身2度目となるフェデラーからの勝利に加え、世界ランク4位のフェレールに勝った4回戦に続いて1大会2人のトップ5撃破は日本男子初の快挙でした。
第2位 スイス室内2011 決勝
錦織のプロデビュー後、フェデラーとの初の対戦となるスイス室内2011 決勝が第2位です。錦織は準決勝でジョコビッチを破り、日本男子史上初めて世界1位から勝利を収める大金星を挙げての決勝でした。
試合は終始フェデラーがリードする形となります。勢いのある錦織のストロークも、フェデラーの正確無比なショットにことごとく防がれます。フェデラーの広角を突いた強力なショットは2011年も健在でした。
結果は1-6、3-6のストレートでフェデラーの勝利でした。フェデラーは10ヶ月ぶりのツアー優勝を飾り、錦織について「圭は良いゲームをした。彼が10代の頃に打ち合い、その時から将来有望な選手だと思っていた。故障に悩まされていたみたいだが、今は調子がいい」とコメントしました。
第1位 マドリードオープン2013 準決勝
世界ランク16位の錦織が、4大大会17度の優勝を誇る同2位のフェデラーに挑むマドリードオープン2013 準決勝が第1位です。錦織にとって2度目の対戦となるフェデラー戦です。
当時話題となった「エア・ケイ」も披露しながら、第1セットは錦織が有利にゲームを進め、セットポイントを獲得します。
しかし第2セットからはフェデラーが圧倒的な強さを見せつけ、第2セットを獲得します。第1セットを取られてからのフェデラーの巻き返し力はどのような場面でもファンを魅了してやみません。
フルセットまでもつれた試合の結果は6-4、1-6、6-2で錦織の勝利でした。フェデラーへの初勝利となる試合後に錦織は「彼(フェデラー)は僕のアイドルでしたし、彼に勝つことが目標でした。」とコメント。日本中がこの勝利に歓喜した瞬間でした。
生きる伝説と最強のサムライ
両者の試合はストローク戦になるだけでなく、ネットプレーを積極的に行っていく攻めのテニスも多く見られるため試合を見ていてまったく飽きません。
これからフェデラーが戦線を退くまでに錦織が何勝できるのか、両者の動向に今後も目が離せません。
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