2019年シーズンに初めてATPランキングでトップ10入りし、現在はランキングを4位まで上昇させたロシアのダニエル・メドベージェフ。2021年はジョコビッチ、ナダル、フェデラーの牙城を崩し、メドベージェフが世界1位の座に就く可能性が十分あります。
今回はメドベージェフのプレイスタイルやこれまでの成績、そして2021年シーズンに世界1位を取れると考える根拠について記事に書いていきます。
ダニエル・メドベージェフ
まずはメドベージェフのプロフィール、これまでの獲得タイトル、ランキング推移などをまとめていきます。
基本情報
生年月日 | 1996年2月16日生(24歳) |
国籍 | ロシア連邦 |
身長 | 198㎝ |
体重 | 83㎏ |
利き腕 | 右(両手打ちBH) |
プロ転向 | 2014年 |
通算成績(シングルス) | 159勝86敗(2021.2.1時点) |
通算獲得タイトル数 | 9個 |
獲得タイトルの内訳
- Nito ATP Finals×1個
- ATPマスターズ1000×3個(上海、パリ、シンシナティ)
- ATP500×1個(東京)
- ATP250×4個(ソフィア、サンクトペテルブルク、ウィンストン・セーラム、シドニー)
24歳にして獲得タイトル数は9個と多くのタイトルを獲得しています。その内訳ですが、ATP Finals×1とマスターズ1000×3とグレードの高いトーナメントでタイトルを獲得していることからメドベージェフの凄さが分かります。
グレードの高いトーナメントほど多くのトップ選手が出場する、ATP500や250に比べ遥かに優勝は難しくなります。言い換えれば真の実力がなければ勝てないトーナメントでメドベージェフはタイトル獲得という結果を出しているわけです。
ランキング推移
メドベージェフのATPランキングは、655位(2014)→329位(2015)→99位(2016)→65位(2017)→16位(2018)→5位(2019)→4位(2020)と推移しており、17歳でプロ転向してから一度もランキングを下落させることなくTOP10に定着しました。
世界1位になるような選手は年々テニスをアップグレードさせていき、足踏みすることなくTOP10までランキングを上げる場合がほとんどで、ランキング推移から考えてもメドベージェフが世界1位を狙える資質を持っていることが分かります。
プレイスタイル
長身を生かしたビッグサービスと高い打点からフラット系で打ち込まれる強力なストロークがメドベージェフの大きな武器です。
2m近い長身選手は俊敏性に欠けるケースが多いのですが、メドベージェフには全く当てはまりません。長いリーチを生かしたディフェンスは驚異的で、フラット系の球質でありながら非常にミスも少ないことから、他の選手からはオクトパスやスパイダーと呼ばれるほど恐れられています。
性格
多くのテニス選手と同様にメドベージェフも非常に負けず嫌いで競争心の強いパーソナリティを持っています。プレイが安定しないときは精神的に落ち着くのが難しいとメドベージェフ本人も語るなど、気性の荒い一面があります。メンタル改善のために個人的に心理学者を雇ってトレーニングしたこともあるそうです。
メドベージェフが世界1位を取る根拠。
ここまでメドベージェフのテニスやこれまでのキャリアについて触れてきましたが、ここからはなぜ2021シーズンにメドベージェフが世界ランク1位になると言えるのか。その根拠について述べていきます。
ツアーでも珍しいプレイスタイル。
まず一つ目の理由は、メドベージェフのプレイスタイルです。男子ツアーでフラット系ストロークを武器にする選手は決して多くありません。ツアーレベルのプレイヤーは不用意なミスを避けるためにスピン系のショットをベースにプレイを組み立てるのが基本です。
フラット系と比べるとスピン系のショットはボールスピードが遅くなるのでウィナーやエースを取るのが難しくなります。リーチが長く、ディフェンス力の高いメドベージェフ相手にスピン系のショットでラリーの主導権を握るのが困難なのは言うまでもありません。
一方、メドベージェフ自身はスピン系よりもスピードの速いフラット系のショットをミスなく打ち続けられるため、大きなリスクを取らずともラリーで主導権を握ることができます。
BIG3との対戦成績。
テニスで世界1位の座に就くにはジョコビッチ、ナダル、フェデラーのBIG3との直接対決で勝利しなければなりません。BIG3はこれまで多くの若手の挑戦を跳ね返してきていますが、メドベージェフは既にBIG3と互角の対戦成績を残しています。
対ジョコビッチ
ジョコビッチとの対戦成績は3勝4敗と負け越しているものの、2019年以降の5戦に限ると3勝2敗とメドベージェフが勝ち越しています。
ちなみにジョコビッチは2019-2020の2年間で負けたのはわずか16回しかなく、そのうち3回がメドベージェフと考えると、その凄さが分かります。ちなみにメドベージェフ以外に同期間で複数回ジョコビッチに土をつけた選手はティエム(3回)、ナダル(2回)、バウティスタ・アグート(2回)の3人しかいません。
対ナダル
メドベージェフの対ナダルの対戦成績は1勝3敗ですが、敗戦は全て2019年のことで、初対戦以外では負け試合も全てフルセットの接戦にもつれており、大きな実力差がないことが分かります。唯一、対ナダルの不安要素を挙げるとすればクレーコートでの対戦経験がないことくらいです。
対フェデラー
BIG3のなかでメドベージェフが未だに勝利を挙げられていないのがR.フェデラーです。ただ、フェデラーとの最後の対戦は2019年3月のマイアミOPで、メドベージェフがまだトップ10に入る前のことですから、2021シーズンに対戦することになれば、決して同じような結果にはならないでしょう。
若手間の競争意識。
ATPテニスツアーで昨シーズンから20代前半の若手選手の台頭があり、25歳以下でTOP10入りしている選手の数は、2018年1月の2人から2020年1月の5人と増えており、若手選手同士が競いながら上を目指す環境が整っています。
もちろんメドベージェフ以外の若手が世界1位になる可能性もありますが、現在のランキング獲得ポイントを見ると、メドベージェフは8470ポイントと上位に肉薄していることから、若手の中では最も世界1位に近い位置にいるといえます。
2021シーズンのメドベージェフの活躍に注目!
2021シーズンのトーナメントがどこまでカレンダー通りに行われるかは分かりませんが、仮にテニスツアーがスケジュール通り行われればメドベージェフの快進撃を目にすることができるはずです。2021シーズンはメドベージェフのプレイにぜひ注目してみてください。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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