ガット、それはテニスをする上で欠かせない存在です。しかし同時に、テニスを始めたばかりの方にとっては謎の多い存在でもあります。
スポーツ用品店のガット売り場に行くと、その数と種類の多さに驚かされた経験は誰しもあるかと思います。一体どうやってこの大量のガットの中から選りすぐりのガットを見つければよいのでしょうか。
この記事ではガットの素材や太さ、テンションの違いの解説、あなたのプレースタイルにあったおすすめのガットの紹介をしています。
ガットの素材の違い
ガットには素材によって様ざまな特徴があります。今主流のガット素材は3種類あり、「ナチュラル」「ポリエステル」「ナイロン」です。それぞれ一体何が違うのでしょうか。
ナチュラル
「ナチュラル」は牛の腸から生成される、現存する素材の中でもっとも高級で高性能な素材です。牛の腸が使用される前は羊の腸を使用していたことから、「シープ」と呼ばれることもあります。
トラディショナルな素材が現代でも最強の素材として君臨しているというのは、「原点にして頂点」といった感じがしてワクワクしますよね。
ホールド感が高く、高反発なのに低振動という文句なしの使用感です。その点雨などの湿気に弱く、耐久性も低いことから交換頻度は多いです。しかも他の素材と比較するとかなり高価なので、テニスを究めたい方向けのガットであるといえます。
ポリエステル
伸縮性が少なく、耐久力に優れるので切れにくいのが「ポリエステル」です。パワーに自信がある方向けの少々扱いが難しい素材です。
低反発で打った力がそのままボールに反映されるため、力強いボールが打てるのと同時にコントロールの調整に優れます。
ただしパワーに自信がない方にとってはポリエステルの長所を生かすことが難しいので扱いきれないかもしれません。またテンションが落ちるのが早いため、1~3ヶ月に1回はガットの張替えが必要です。価格は比較的安価です。
ナイロン
初心者から上級者まで、最もよく使用されている素材がこの「ナイロン」です。ナイロンの中でも「振動をよく吸収するもの」や「ナチュラルに近い反発力があるもの」など多くの種類があります。
自分の好みに合わせて安価に選べるところが利点ですが、テンションが落ちやすく切れやすいので張替えの頻度が多めなのが難点です。
ナイロンを大きく分けると「モノフィラメントタイプ」と「マルチフィラメントタイプ」の2種類に大別できます。
モノフィラメントタイプ
モノフィラメントタイプとは、太い芯に細い糸を巻きつけることによって構成されています。価格も手頃でくせのない打感ですので、初心者の方はとりあえずこの素材を選ぶ方が多いです。
マルチフィラメントタイプ
マルチフィラメントタイプは、細い糸を束ねて1本の糸を構成しています。細い糸1本1本が伸縮しますのでホールド力に優れ、繊細なタッチやテニス肘が不安な方におすすめの素材です。
ガットの太さで何が変わるの?
素材を決めたら次に考えなくてはならないのが「ガットの太さ」です。同じ素材、種類でも太さによって打球や打感が大きく異なります。
一般的にポリストリングは1.25mm、その他ストリングは1.30mmが標準的なストリングの太さとされています。ではその基準よりも太いガットと細いガットではどのような違いがあるのでしょうか。
細いガットの特徴
細いガットの場合、高反発な性能とクリアな打球を期待することができます。ただし基準よりも細い分、耐久力が低下してしまいます。
太いガットの特徴
太いガットの場合、太い分衝撃吸収力に優れるので、柔らかいタッチやホールド力を重視したい方におすすめです。細めのガットに比べて耐久力に優れますが、反発が少ないので打球スピードは落ちてしまいます。
ガットを張る強さ(テンション)とは?
素材を決め、太さも決め、しかしガット選びはまだ終わりません。ガットを張る強さ(テンション)を決めなくてはなりません。このテンションも強さの違いで打球に大きな差が生まれます。
この項目では知っておきたいテンションについてまとめています。
張り替えるタイミング
ナイロンのような耐久力の乏しいガットの場合は1~3ヶ月に1回は交換することが推奨されています。ただしこれはラケットを使う頻度によって異なりますので、あくまで目安として参照してください。
振動が今までより強くなった、スピンが今までよりかからない、というようなことがあったときが替え時ですので、「替え時かな?」と思ったらコーチや専門店のスタッフに相談してみましょう。
テンションの違いで何が変わるの?
低いテンションの場合、ボールの飛びが良くなるのでパワーに自信がない方におすすめです。またホールド力に優れるのでスピンをかけやすく、タッチショットの得意なネットプレーヤーにもおすすめです。
高いテンションの場合、ボールの飛びすぎを抑えることができ、打球がシャープになります。積極的にボールを打ち抜くハードヒッターにおすすめです。
テンションの決め方
各ガットによって標準のテンションはだいたい決まっていますので、その範囲の中間に設定する、もしくは55ポンドを目安に調整すると良いでしょう。
テンションについてはかなり好みが分かれるところではありますので、実際に標準の目安でしばらく打ってみて次の張替え時に好みの強さにチャレンジしてみる、というのも面白いです。
プレースタイル別おすすめガット紹介
「いろいろ細かいことはいいからとりあえず自分のスタイルに合ったガットが知りたい」そんなあなたのためにプレースタイル別のガットをまとめました。
この項目では太さとテンションは「標準の」ものとして紹介しています。
上級者向け、オールラウンダーな方へ
基本はもう完璧、更なる高みへと進みたい、そんなあなたにおすすめなのが「ナチュラル素材」で構成されたガットです。ロジャー・フェデラーをはじめとする世界のトッププロも愛用しているナチュラルガットで違う次元のテニスを目指しましょう。
「ウィルソン ナチュラルガット」はプレースタイルを問わないので、いわゆるオールラウンダーを目指す方におすすめのガットです。
スピンで攻めまくる、アグレッシブな方へ
スライスやトップスピンなど大きなスピンをかけて相手を翻弄するプレーを得意とする方におすすめなのが「ルキシロン エレメント」です。
ルキシロン史上最高のソフトフィーリング、そしてハードヒットの際にはパワーも申し分ないポリエステル製ガットです。
ネットプレー命、ボレーヤーな方へ
ネットプレー、特にボレーやドロップの際に重要なことはいかにボールの勢いを殺してネット前に落とすかです。そこで意識したいことは「ホールド感の良さ」と「衝撃吸収力」の2点です。
「テクニファイバー TECNIFIBRE X-One Biphase 1.24」は全米ストリンガーズ協会『心地よさ』でNo.1 評価を得ています。タッチの心地よさ、ソフト感、腕へのダメージを減らすなどネットプレー中心のスタイルの方におすすめです。
打球スピードこそ強さ、速さを追い求める方へ
サーブやフラットショット、スマッシュなどがバシッと決まったときの爽快感は何にも変えがたいものがあります。そんなフラットショットに重点をおきたい方にはモノフィラメントタイプのガットがおすすめです。
「トアルソン アスタリスタ125」は反発力に優れ、スピードがかなり出やすいタイプのガットになります。価格も手頃ですので、張替えの負担も少なくてすむのが嬉しいポイントです。
まずは基本から、これからテニスを始める方へ
テニスを始めてすぐの方にとって、なかなか高級なガットやラケットは購入できないものですよね。それでもナチュラルガットに近い性能でテニスを楽しんでみたい、そんな願いを叶えてくれるのがこの「バボラ プロハリケーンツアー125+エクセル130」です。
オールラウンダーな性能を持っており、安価でもナチュラルに近い使用感を実現しています。
自分にぴったりなガットを見つけよう!
ガット選びにこだわると、テニスのことをさらによく知るきっかけになります。憧れのあの選手はどんなガットを使っているんだろう、など選手のプレースタイルを理解することにもつながるでしょう。
値段や性能など様ざまなことを検討して、理想のプレーを実現するために自分にぴったりなガットを見つけましょう!
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