ドロップショット…それは対戦相手の意表をつき有利な状況を作り出すための高等テクニックです。しかしその難しさたるや、ネットを越えなかったり、浮いてしまってチャンスボールを献上してしまったり…。
そんな修得すれば心強い高等テクニック「ドロップショット」のコツや使うことで有利になる場面などをご紹介します。ドロップショットを使いこなして、ワンランク上のプレイヤーを目指しましょう!
ドロップショットの基本情報
ドロップショットとはスライス回転をかけてネット近くに落とすショットのことです。ネット際に落としたいのだから、ネットすれすれを狙うべきなのかなと思われがちですが、実はそれは間違いです。
ネットすれすれを狙ってドロップショットを打った場合、スライス回転のかかったボールがバウンド後に直線的に伸びます。そうなるとセカンドバウンドまで時間がかかってしまうので対戦相手はボールに追いつきやすくなってしまいます。
理想の軌道は少し山なりのボールが落下しながらネットを越える状態です。この山なりの軌道が大きすぎるとチャンスボールになってしまいますので注意が必要です。
ドロップショットの天才、フェデラー選手のドロップショットを見てみましょう。サービスラインとネットの間、真ん中らへんに落ちていることが分かります。さらにこのドロップショットが有効な理由はフェデラー選手がドロップショットを打つ直前までドロップなのかストロークなのか分からない点にあります。そのため対戦相手は初動が遅れるのでドロップショットに対応できません。
このようにドロップショットを駆使することで対戦相手の体力を消耗させたり、ドロップショットを警戒させることで戦略の幅が広がったりと試合を有利に運ぶことができます。
ドロップショット成功のコツ
ドロップショットを上手に打つためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。この項目ではドロップショットを打つ際のコツをご紹介します。
低い位置にあるボールのみを狙う
プロの打ち方を見ても分かるように、必ず腰と同じかそれよりも低い位置でドロップショットを打っています。物体の動きには位置エネルギーというものが関与しており、高い位置のボールをドロップショットにしてしまうとファーストバウンドが非常に大きくなってしまいます。チャンスボールの献上になりかねませんので、注意しましょう。
スライスを意識したラケットワーク
ドロップショットはあくまで山なりの軌道を描くことを意識しなくてはなりません。そのため通常のスライスショットよりも弱冠ラケット面を上向きに、かつ下に抜けるようにスイングする必要があります。
このときラケット面が上を向きすぎているとロブぎみのチャンスボールになってしまうので注意です。このラケットを下に振りぬきながらボールの勢いを殺すテクニックがドロップショットを難しくしている最大の要因といえます。
ポイントとして、腕でコントロールするのではなく前へ足を踏み出しながら打つことによる体重移動を利用したコントロールが挙げられます。またインパクトの瞬間になるべくボールに逆らわないパワーコントロールも重要です。
ドロップショットの練習方法
ドロップショットを修得するための練習方法をご紹介します。先述のコツを頭に入れながら、ポイントごとに必要な練習を取り入れていきましょう。
ボールタッチを磨くラケッティング
サッカーのリフティングのようにラケットの上でボールをひたすらバウンドさせます。このとき意識したいことは、1.スウィートスポットでボールを捉えることができているか、2.ボールの高さを自分の思ったところに自在に運ぶことができているか。この2点を意識して行います。
ラケットのグリップの握り方は、スライスショットを打つときと同じように「コンチネンタルグリップ」で握るように意識しましょう。
その次にチャレンジしたい練習は、先述のラケッティングを横回転をかけてやる練習です。ボールを横回転をかけながら真上に打ち上げ、ラケット上で何度もバウンドさせます。回転をかける以外、意識する点は通常のラケッティングと同様です。
とにかく実践あるのみ!!
ボールタッチの感覚が向上したら、その後は実践でとにかく使いまくりましょう。いつものストローク練習にドロップショットを織り交ぜてみたり、練習試合でチャレンジしてみたり。
ストロークで返ってきたボールの速度や回転によっても難易度は大きく異なります。自分がどのようなボールならドロップショットを打つことができるのか、把握することで次の練習の質を高めることができます。
失敗を恐れずに、公式戦でもここぞというところでドンドン使っていきましょう。
ドロップショットを駆使した戦略
せっかくドロップショットの技術を磨いても、有効な場面で使えなくてはその威力を発揮できません。この項目では使うべき場面やドロップショットを駆使した戦略をご紹介します。
深いボールと織り交ぜよう
ドロップショットはプレイヤーとボールの距離が大きければ大きいほど強力です。そのためには対戦相手をベースラインに釘付けにする必要があります。浅いショットが増えてしまうと対戦相手が徐々にベースラインから上がってきてしまうので、ドロップショットを生かすことができません。
そこでなるべく深いボールを打ってベースラインよりも後ろに対戦相手を後退させることでドロップショットの使いどころが見えてきます。
ドロップショットだけではなく、深く大きいバウンドのストロークのクオリティを上げることでドロップショットの成功率をグッと上げることができます。また深い弾道なのか、ドロップなのか選択を迫ることで対戦相手を自由に動かさない効果もあります。
ドロップショットの後は素早くネットに詰める
ネット際に落ちた低いバウンドのボールをスピードを乗せて返球することはほぼ不可能です。ということはつまり良いドロップショットが決まった後は必然的にネット前での攻防が繰り広げられることに他なりません。
ドロップショットのデメリットとして、より角度をつけて返球される恐れがあることが挙げられます。このときしっかりネット際まで詰めておけば、角度のついた返球に対応できる可能性を残すことができます。
またドロップの処理は浮き気味の返球になることが非常に多いので、がら空きのスペースにボレーを打ち込むこともできます。プロの試合でも頻繁に見られる得点状況です。ここぞのボレーは力んでしまってまさかのミスを引き起こすこともありますので、日ごろからこの状況を想定した練習をしっかり行うようにしましょう。
ドロップショットが決まると気持ちがいい!!
ドロップショットが打てるというだけで、戦略に幅を持たせ、テニスをさらに奥が深いものにすることができます。なぜならドロップショットの存在が対戦相手との駆け引きにつながるからです。
しかし上級者にはわざとスローのボールを返球して、ドロップショットを誘発する高等戦術を使うプレイヤーも存在します。ドロップショット覚えたてだなと悟られないように、またドロップショットを多発しないように気をつけましょう。
ドロップショットが綺麗に決まったときの「やってやったぜ」感は何にも変えがたい快感です。皆さんもドロップショットの技術を上げて、テニスをさらに面白くしましょう!
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