テニスの勝敗を左右する大きな要素にフットワークがあります。サーブやストローク、ボレーなどのショットと比べてフットワークが目立つことは少なく、軽視されがちですが、試合のレベルが高くなればなるほどフットワークの差がテニスの勝敗を左右します。
今回はテニスにおけるフットワークの重要性と、なかなかフットワークが良くならないという人に向けて、テニスのフットワークを向上させる方法を私自身の経験をもとにまとめました。
テニスのフットワークとは?
テニスの試合では、対戦相手は自分の打ちやすいところにボールを返球してくれることはありません。常に自分から足を動かしてボールの打ちやすい打点に素早く移動する必要があります。
テニスのフットワークは足の速さも含めて、ボールに追いつくための効率的な足の動かし方、ボールとの距離感や、打つタイミングを調整する細かなステップなど、コート上での全て足の動き・使い方のことだと認識してください。
良いフットワークが持つ効果。
優れたフットワークを持つプレイヤーと対戦した経験がある方は、なぜテニスでフットワークが重要だと言われるかを身をもって体感しているはずです。フットワークがテニスの試合でどのような効果を発揮するのかいくつか例を挙げて説明していきます。
ミスが減り、簡単にポイントを失わなくなる。
優れたフットワークを持っていれば、いろいろなボールが拾えるようになり、自分の打ちやすい打点でボールを打てる確率も自然と高くなります。試合でのミスは減りますし、相手から簡単にノータッチでのウィナーを取られることも少なくなります。
テニスはいかに相手のミスを増やすかが勝敗を左右しますから、ミスをしない分だけ自分自身の勝率は上がります。テニスでミスを減らすためにはフットワークの向上が欠かせません。
相手に精神的なプレッシャーをかけることができる。
テニスの試合でフットワークの良い相手と対戦すると、相手を前後左右に動かしてもウィナーが取れず、ミスもしないため、「もっといいショットを打たなければ!」という思いが生じ、いつも以上に力んだり、コースを狙い過ぎたりするなどリスクを取ったプレイを選択せざるを得なくなります。リスクを取れば取るほどテニスはミスをする可能性が高くなります。
スピードボールを打てなかったとしても、フットワークを磨くことでテニスの試合では対戦相手に、「いつも以上にいいショットを打たなければ!」というハードヒッターと同じようなプレッシャーをかけることができるわけです。
フットワークを向上させる方法。
フットワークはテニスのショット技術と同様に、練習やトレーニングを積み重ねることで向上させることができます。具体的な練習方法などいくつか紹介していきます。
素振り
素振りをしながら細かくステップを踏むことを意識することで身体にフットワークを覚え込ませることができます。素振りをするときにラケットの軌道を意識する人は沢山いますが、フットワークまで意識して素振りをする人は少ないはずです。
ラリー中にフットワークまで意識が回らず、足が止まってしまうという人は、素振りをしたら毎回レディポジションを作り、スプリットステップを踏んでからラケットをスイングする!これを繰り返し練習してください。練習を積み重ねると試合中のラリーでもスプリットステップを自然と踏むようになり、テニスのフットワークが向上します。
スペインドリル
フットワークを覚え込ませる練習の一つにスペインドリルと呼ばれる練習方法があります。前後左右に球出しをして、ボールを打つ人は1球1球足を動かしながら打点に入りボールを打つ練習法です。この練習を繰り返すことで自然とラリー中に足を動かすことが身に付きます。上記の動画スペインドリルの1つの例です。
地味な練習かもしれませんが、効果は絶大です。「スペインドリル テニス」などとネットで検索すれば練習メニューはすぐに見つかるので、興味がある方はいろいろ調べて練習に取り入れてみてください。
ラダートレーニング
テニスでは遠いボールに追いつくには歩幅の大きなステップを使い、近いボールに対して細かいステップを使うなど、状況に応じてさまざまなステップを適切に使い分ける必要があります。テニスの試合中にフットワークをいちいち意識している余裕はないのでいろいろなステップやフットワークをあらかじめ身体に覚え込ませる必要があります。
いろいろなステップを覚えるのに最適な練習がラダートレーニングです。ラダーと呼ばれるトレーニング用具を使い、いろいろなステップ・フットワークを何度も繰り返すことで、細かい足の動きを身体に覚えさせることができます。トレーニング用のラダーさえあれば、テニスコート以外でも練習が可能で、私自身も定期的に実施しています。
トレーニングメニューはいろいろありますが、ネットで検索すればいくらでも出てくるので、いろいろなメニューを試してみてください。
フットワークが向上しない原因!
ここまでで紹介したメニューを実践してもなかなか思ったようにフットワークが良くならないという人もいます。練習を積み重ねてもなかなかフットワークが向上しない人の原因には以下のようなことが考えられます。
足を動かすタイミングが分からない!!
スプリットステップを必ずしろ!と言われても、正しいタイミングでステップを踏めなければ守備範囲は逆に狭くなってしまいます。ステップを踏むタイミングが分からない人は、上級者がプレイしている後ろでそのプレイを観察しつつ、自分がプレイしているつもりでスプリットステップを行い、上級者とステップのタイミングがズレていないかを確認してみくてください。
もしもステップのタイミングにズレがあった場合は、上級者の真似をして、そのズレを修正するだけです。ショットのフォームと同じようにステップのタイミングも上級者の真似をするのが上達の近道です!
ボールの予測ができない!
いろいろなステップを覚え、素晴らしいフットワークを獲得しても相手の打ったボールの球種や飛びを正確に予測できなければボールへの反応が遅れ、適切な打点でボールを打つことはできません。フットワークのトレーニングと並行して相手の打ち方からボールにどんな回転がかかっていて、どの程度の深さにボールが飛んでくるかを予測できるように相手の打ち方を常に観察することを癖づけしてください。
ボールの予測は、相手のスイングで球種を、打点でコースを、そしてインパクト音でボールの深さを判断します。慣れも必要なので、よく分からない人は身近にいる上手いプレイヤーにボールの予測をどうしているのか聞いてみると良いでしょう。
地味な練習を繰り返すことが優れたフットワークへの近道!
フットワークを磨く練習は地味なものが多く、すぐに効果を得られるわけではないので、多くの人が避けてしまいがちです。しかしながら強い選手はみな地味な練習を積み重ねて優れたフットワークを身に付けています。普通の人が避ける練習に取り組んでこそ、他のプレイヤーよりも一歩抜きんでることができるようになります。
1球でも多くボールを拾えるようになりたいと思う方は、今回紹介したような練習を継続的に実施し、フットワークの向上を目指してください。
- 投稿者プロフィール
- 阿部亮平
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