テニス4大大会の最高峰ウィンブルドン2019もいよいよ大詰めです。芝の王者として歴史に名を残すのは果たして誰なのでしょうか。目が離せません。
今回はその中でも ノバク・ジョコビッチ 選手に焦点を当ててご紹介します。ジョコビッチ選手が世界最強の一角として名を上げるまでの経緯やその強さの秘密、ウィンブルドン2019で見せた神業プレーとともにお届けします。
ノバク・ジョコビッチ 基本情報
ノバク・ジョコビッチ(Novak Đoković, セルビア語: Новак Ђоковић, 1987年5月22日 – )は、セルビア・ベオグラード出身の男子プロテニス選手。ATPランキング自己最高位はシングルス1位、ダブルス114位。ATPツアーでシングルス74勝、ダブルス1勝。身長188cm、体重80kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。愛称はノール(Nole)[1]。
出典:wikipedia
グランドスラムは歴代3位の優勝15回。キャリア・グランドスラム達成者。史上初キャリアゴールデンマスターズ達成者。全豪オープン最多・最多連覇の3連覇7回優勝。ATPワールドツアー・ファイナルを4連覇含む5回の優勝。マスターズ1000では歴代2位の優勝33回。2011年にはオープン化以降男子6人目となる4大大会3冠達成。2015年にも達成。2015年には史上初のATPワールドツアー・マスターズ1000年間6勝、2度目の4大大会3冠を達成。男子史上3人目となるグランドスラム4大会連続優勝。
世界ランキング1位通算在位は歴代5位の236週、2014年7月7日から2016年11月6日まで1位に連続在位(122週・歴代4位記録)。セルビア人初の4大大会優勝者でデビスカップ2010のデビスカップセルビア代表の優勝に貢献。
幼少期の過酷な日々
輝かしい戦績を持つジョコビッチ選手ですが、幼少期には過酷な経験をしています。1999年、ジョコビッチ選手12歳のとき、ユーゴスラビア紛争が勃発。 祖国セルビア:ベオグラードにて78日間にも及ぶ空爆を経験しています。
地下シェルターにて何とか最悪の状況は免れたものの、ジョコビッチ選手のキャリアにおいて大きな分岐点となったことは間違いありません。
強さの理由は一体何なのか?
この項目ではジョコビッチ選手の強さの理由について考察します。テニスにおけるすべての能力が世界最高レベルであるのは言うまでもありませんが、そのなかでも特筆すべき点についてお伝えします。
高い身長とそれを生かした異常なフットワーク
ジョコビッチ選手の身長は188㎝とトッププロの中でも比較的高い身長です。(参考:フェデラー選手185㎝、錦織選手178㎝)身長の高い選手はフットワークで不利とされていますが、ジョコビッチ選手はまったくの逆。むしろ異常なまでのフットワークを最大の武器としています。
本来なら横を抜けていくであろう打球も、その抜群のフットワークで返球します。また横の動きだけでなく縦にも強いのでドロップショットへの対応やサーブアンドボレーの決定率の高さなど、フットワークを生かした究極のテニスで世界トップの座に君臨しています。
深く正確なストローク
派手なプレーだけでなく、ジョコビッチ選手の強さは強力なストロークにあります。とくにバックハンドに関してはその広角に打ち分けられる正確さとベースライン際に深く刺さる返球の難しさから世界最高の技術といわれるほどです。
BIG4アンディ・マレーも「世界最高のバックハンドは?」と聞かれると真っ先にジョコビッチ選手の名を挙げていました。
とくに全盛期と呼ばれた2015年のストロークは圧巻で、ネットやアウトなどのイージーミスがとにかく少ない選手でした。ボールを拾いまくることで対戦相手のミスを誘い、チャンスでしっかり決めるプレースタイルでどれだけのテニス選手の心をバキバキにへし折ったことでしょう。
ウィンブルドン2019神業特集
ウィンブルドン選手権2019にて決勝進出を見事決めたジョコビッチ選手(本記事執筆07/13時点での成績)ですが、本大会でもすばらしい神業的プレーが非常に多く披露されました。
この項目ではウィンブルドン2019の神業プレーをご紹介します。
角度のついた打球をさらに角度をつけて倍返し!
動画時間1:07~をご覧ください。ただでさえ返球が難しい角度のついたボールをさらに角度をつけてネット際に落としています。まさかこんな返球がくるとは夢にも思いませんから、対応できません。
このショットを打つために、ジョコビッチ選手の「読み」が光ります。動画時間1:11、返球後センターまで思考停止でひたすら戻るのではなく、対戦相手のコールシュライバー選手の動きを目で追うことで打球を読み、右サイド付近で返球を待っていることが分かります。
こうした「返球コースを読む力」もプロには欠かせない要素です。
強力なサーブと堅実なプレーで勝利を掴む
「鉄壁の防御」とも称される堅実でミスの少ないプレーが持ち味のジョコビッチ選手ですが、このハイライト動画でもその片鱗がよく現れています。
派手なプレーで会場を沸かせるホルカシュ選手ですが、なかなか勝利への流れを掴みきれていません。逆にジョコビッチ選手は派手なプレーこそ無いものの、堅実でミスの無いプレーからのネットプレーで確実にポイントを得ています。
動画にまとめたくなるような派手なプレーは少ないが、確実に勝利を手繰り寄せるゲームといえます。
こうした職人を髣髴とさせる堅実な神業プレーこそがジョコビッチ選手の持ち味であり強さの秘訣でしょう。
とにかく深い!神業ストローク
ゲーム全体を通してストロークがとにかく深く広角に打ち分けられかつアウトになりません。この強烈なストロークで甘く返球せざるをえなかったボールを決して見逃さず、ネットプレーでしっかり得点につなげます。
動画時間0:20~、角度をつけた深いストロークからしっかりクロスの返球を呼んでネットへ詰めてボレーでフィニッシュという美しいお手本のようなプレーもありました。
ジョコビッチ選手の堅実プレーはこれからさらに上のレベルを目指したいテニスプレイヤーの方にとって参考になる要素が非常に多くあります。
絶妙なタッチの神業ドロップショット
ドロップショットは諸刃の剣ですが、その威力は絶大です。しかし使いどころを誤ると対戦相手にチャンスボールを献上してしまうことになりかねません。
このハイライト動画で注目したいのはジョコビッチ選手のドロップショット技術の高さです。動画時間0:24~をご覧ください。美しいドロップショットからドロップボレーでフィニッシュしています。
打球の威力の殺し方が絶妙です。アグート選手並みのフットワークとドロップショットを読みきる力が無ければ、返球は難しいでしょう。
王者のプレーには学べるテクニックが満載!
深いストロークが打てるというだけでなく、そのストロークを武器にどのようにしてポイントゲットにつなげるか、これこそが王者ジョコビッチ選手から学ぶことができる最大のポイントであると感じます。
世界トップレベルの技術が見られるウィンブルドン選手権。今後もジョコビッチ選手らトッププロのパフォーマンスと技術に目が離せません。
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