元世界ランク1位、BIG4の一角として世界中のファンを魅了し続けたA・マレーのシングルス復帰が明らかになりました。
今まで復帰の前例がない怪我だったことや引退会見を行ったこともあり、もうマレーのテニスを見られないのではと悲観していたファンにとって、これほどまでにうれしいニュースはありません。
そんな伝説的選手であるA・マレーとはいったいどんな選手なのでしょうか。改めてその強さに迫ります。
A・マレー 基本プロフィール
サー・アンドリュー・バロン・”アンディ”・マリー(Sir Andrew Barron “Andy” Murray, 英語発音:
Wikipedia
[ˈændruː ˈændi ˈmʌri][1], 1987年5月15日 – , OBE)は、スコットランド・ダンブレーン(英語版)出身、イギリス国籍の男子プロテニス選手。身長190cm、体重84kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。「アンディ・マレー」とする表記も多い。
ロンドン五輪とリオデジャネイロ五輪でシングルス選手としては男女通じて初のオリンピック連覇を達成。4大大会では3度の優勝経験があり、特にウィンブルドン選手権では2013年にイギリス人選手77年ぶりの優勝者となった。マスターズ1000優勝14回。シングルス自己最高ランキングは1位。生涯獲得賞金ランキング歴代4位。
ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチと共にBIG4と称される。
1歳年上の兄ジェイミー・マリーもプロテニス選手で、ダブルスのスペシャリスト。
マレーを長年苦しめた怪我
マレーを引退会見に追い込むほど深刻だった怪我とは一体なんだったのでしょうか。それは右でん部および股関節の怪我でした。
保存療法や手術など様ざまな手段で治療に励んだというマレーですが、どれも痛みを無くすことはできませんでした。
2019年1月に医師から薦められた股関節置換手術をうけ、見事成功。本人も痛みが消えたと発表しています。しかし強い衝撃がかかる負荷は耐えられないとのことで、2019年のウィンブルドンには出場していません。
マレー、強さの理由とは?
誰もが認める世界最高の実力を誇るマレーですが、その強さの秘密はどこにあるのでしょうか。
この項目ではマレーが持つ崇高な技術の一つ一つを紐解き、その強さの理由に迫ります。個人の見解ですので、こんな強さもある!というご意見があれば、ぜひコメント欄にお寄せください!
バックハンド
マレーの世界トップレベルの技術とされているのが、バックハンドです。何がそこまで素晴らしいのか、それはバックハンドの異常なまでの正確さです。
必要なところに自由自在に打ち分けることができ、またミスの少なさが際立っています。ベースラインぎりぎりに迫る深いショットは対戦相手を恐怖に陥れたことでしょう。
ファーストサーブ
マレーは正確で強力な素晴らしいサーブ技術を持っています。 このサーブで一気に試合の流れを自分に引き寄せ、サービスゲームをしっかりキープします。
スピンの技術も卓越しており、サービスゾーンのあらゆるところに打ち分ける技術を持っています。このファーストサーブがあるからこそのグランドスラム制覇といっても過言ではありません。
バックハンドのスライスショット
バックハンドの素晴らしさはフラット・トップスピンだけではありません。バックハンドのスライスショットも異次元の技術を持ち合わせています。
異次元の技術とは何か、それは異常なまでの回転数です。突き刺さるかのような鋭さ、高度な緩急によって他のショットの決定率を底上げしています。世界トップレベルとの試合でもバックハンドスライスでミスをすることはほとんどありません。
しかしマレーがまだ駆け出しの年齢だった頃、打球が早く重いショットを得意とする選手と対戦した場合、この得意のスライスショットを多用しすぎてしまう癖があったようです。
ランニングパッシングショット
フォア・バックハンド両方とも、この走りこんで放つパッシングショットが非常に強力なことで知られています。
フォアハンドで繰り出されるパッシングショットは、往年の名選手ピート・サンプラスのようだと賞賛されています。
フォアサイドからのクロス、バックサイドからネット前へという動きが得意で、その際の有効なアプローチとしてこのパッシングショットが使われています。
ディフェンス
ディフェンス力といえばラファエル・ナダルが代表格でしょうか。そのナダルのディフェンスに負けないディフェンス力をマレーは誇っています。
不利な展開を再び有利な状況に変えるディフェンスは素晴らしく、対戦相手のミスを誘い、チャンスボールを創出するのに一役買っています。
190センチの長身を生かしたディフェンスは伝家の宝刀スライスショットの存在も相まって世界一だと称賛されています。
カウンター
ディフェンスから一転、攻撃にチェンジするカウンターはマレーが持つ得意戦術の一つです。これもやはり精度の高いスライスとディフェンスがあるからこそ成せる業です。
じっくりと隙をうかがい、対戦相手が隙を見せた瞬間一気に攻め込むその様はまるで虎のようです。
判断の早さ、即興力の高さ
特筆すべきは試合のところどころで見られる天性の直感で動く打球判断の早さです。その研ぎ澄まされた動きはまるで越前リョーマの1本足スプリットステップのようです。
対戦相手は気づかない間にマレーのゲームメイクに翻弄されてしまい、自分のペースでゲームを進めることが難しくなります。マレーとの対戦の場合、通常の試合よりもさらにフラストレーションがたまり、メンタルコントロールが困難になるでしょう。
マレーがコートの外でも愛される理由
マレーはその人柄が多くの人に愛され、人望を集めています。
どのようなエピソードが彼の人望につながっているのでしょうか。この項目ではテニスの実力だけではない、マレーの魅力に迫ります。
これぞ紳士!究極のスポーツマンシップとは
2016年5月8日の対ジョコビッチ戦、最終の第7ゲームにてジョコビッチは集中しすぎたのか、サーブを打つのに時間をかけすぎたとして「遅延警告」を受けてしまいます。
しかしそれに対しマレーは主審にこのように言いました。
「彼を待たせたのは自分だ。彼は5秒前には準備ができていたんだ。」
このマレーの行動に感動したジョコビッチは試合後Twitterにてこのように発言しています。
「マレーは本当に素晴らしく尊敬に値するスポーツマンシップを持っている。テニスはアンバサダーとして彼がいるなんて幸運だ。ありがとう。」
若かりし頃は出身のイギリス国民からとても嫌われていたほど素行があまりよろしくなかったマレーですが、キャリアを重ねていく中で自国民から本当は応援されている事実、結婚も経験し、このような人格が形成されていったのでしょう。
結婚相手の職業は「PSG」
マレーの奥様の名前はキム・シアーズ。彼女の職業は「PSG」です。
「PSG」という職業をご存知でしょうか。日本ではほとんど馴染みのない職業ですが、いったいどのような職業なのでしょうか。
PSGとはProfessional Sports Girlfriendの略で、直訳すると「プロスポーツ選手の女性パートナー」ですが、以下のような特徴があります。
- ミドルクラス以上の教育を受けており、聡明で堅実である
- アスリートである旦那よりも決して目立たず、後ろでそっと見守る
- メイクをしない、または控えめにしなくてはならない
- 肌を多く露出するような服装は控える
- 品の良さを重視し、人前に出ても恥ずかしくないマナーを心得ている
まるで一昔前の日本の女性の古い理想像のようです。
人気のプロスポーツ選手はメディアなどに引っ張りだこです。当然、奥様も同時にテレビなどに映ります。
芸能人と同じくらい、プロスポーツ選手はイメージが重要です。奥様がそんなイメージを壊すようなことがあってはいけない、という発想から生まれた職業であるといえます。
PSGを「職業」であると定めているところが、さすがイギリスといったところでしょうか。その点において日本の専業主婦とは一線を画しています。
マレーが愛される理由には、こうした奥様の影ながらの努力も影響しているのです。
復活の王者の勇姿を見届けよう!
いかがでしたでしょうか。マレーのことをまったく知らない方も、少し知っている方も、彼の魅力に気づいてもらえたでしょうか。
復帰は絶望とまで揶揄されたマレーの奇跡の復活、注目せざるを得ません。復帰後、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、ファンを歓喜させるか、はたまた失望させてしまうのか。
これからも最愛の妻と愛娘のために戦い続けるA・マレーに目が離せません。
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