フェデラー選手のプレースタイル
長い間テニス界を引っ張ってきたロジャー・フェデラー選手のプレースタイルは超攻撃型です。
基本的にはなんでも出来るのですが、やはりフェデラー選手の武器はタイミングの早い高速展開です。ストローク、サーブ、ボレーを組み合わせて先に展開して相手を翻弄するスタイルです。
というのも、フェデラー選手がプロになった時代はサーブ&ボレーを使ってショートポイントを稼いでいくのが一般的なものでした。昔ほどではないですが、フェデラー選手には昔の攻撃的なスタイルが残っているんですね。
現代で流行っているプレースタイル
一方、現在流行っているプレースタイルはディフェンシブなものです。
チャンスボールはもちろん攻め込みますが、ボレーに出る頻度は少なくラリーになるとオープンスタンスでの体重を乗せていくショットはほぼなくなります。特に相手のショットをカウンターするタイプのストローカーが非常に増えました。
ティーム選手のように回転量の多いショットをしっかり構えて打つ、パワータイプの選手もいますが、明らかに数が減っておりトップレベルの選手ではよっぽど優れた選手しか残っていません。
では、こういったプレースタイルの変化はどこから生じたのでしょうか。
プロ選手内で流行っているスタイルというのは、その時代に合った「勝てるスタイル」です。ちゃんと理由があって変化は起こっているのでその要因について見ていきましょう。
サーフェスの低速化
まず、理由の1つとしてはサーフェス(コート)の低速化になります。
具体的な数値を出すのは難しいですが、ほぼ全てのコートが低速化しています。近年、サーフェスの低速化は著しくなっていて昔と比べるとその違いは顕著です。
サーフェスが遅くなると、ボールの伸びがなくなりラリーが繋がりやすくなります。日本ではオムニコートというサーフェスが多いのですが、こちらのサーフェスは非常に遅くストローク能力が非常に重要視されます。
ボールの伸びがなくなると以前は追いつけなかったボールも返せる可能性が出てきます。ポジションを大きく下げることも効果的な戦術になってきます。ポジションの上げ下げが重要視されるようになったのもサーフェスの低速化が大きいです。
ラケットの性能向上
二つ目の要因としてはラケットの性能向上があげられます。具体的には飛びが良くなりました。
そのため、わざわざ大きなフォームで打たなくても簡単に相手のボールを返せるようになりました。昔はカウンターをするのも一苦労だったのですが、現代では本当に面の向きさえ合っていればそれなりのボールが打てます。
また、ラケット自体の性能が上がったので軽いラケットを使えるのも大きな要因です。
400gオーバーが普通だった時代からプロでも350gのラケットを使うようになったので、取り回しが非常に良くなりました。そのため、崩れた体勢からでも良いボールを返せるプレイヤーが増えました。
超攻撃型プレースタイルは今後出ない?
低速化とラケット性能の向上によって、ネットプレーヤーは昔ほど効果的ではなくなりました。
フィニッシュとしてネットプレーを選択することが大事なのは変わりないですが、フェデラー選手のように多少強引でも状況を打開するためにネットプレーを使っていく選手は今後は減少していく予想されています。
観客としてもストロークがバシバシ続いた方が見応えがある、というのも低速化の理由になっているそうでこれからもその傾向は継続されるでしょう。
フェデラー選手のように長年ネットプレーを実戦で使い続けた選手は別ですが、わざわざこれから超攻撃的なスタイルでトップを目指そうとする選手はほとんどいなくなるはずです。
まとめ
テニス自体がどんどんフィジカル面が重視されるような競技になってきており、似たようなプレースタイルの選手が増えきています。
個人的な意見としては、様々なプレースタイルの選手がいてこそ面白みがあるスポーツだと思っているので、ラケットの性能向上は今後もあるとしても低速化については考えものではないかという意見です。
今後もサーフェスとテニスラケット事情は今後も注目していきたいですね。
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