ダブルスは誰でも、実力差も気にせず楽しむことができます。シングルスほどポピュラーではないですが、ダブルスのファンは世界中にいます。ダブルスをプレイするとき、ルールや位置取りなどダブルスならではの部分を知っておくことが重要です。
ダブルスの場合、コートがシングルスに比べ広くなります。プレイヤーはそれぞれのゲームごとに明確な役割が決まっており、ゲームが終わるまでその役割を全うしなくてはなりません。
例えば、ゲームごとのサーバーはそのゲームをどちらかが取るまでサーブを打たなくてはなりませんし、リターンも決まったプレイヤー以外は行うことができません。
チームワークがとにかく重要
テニスは個人競技の代名詞ともいえるスポーツですが、ダブルスの場合は良いチームワークが重要です。ダブルスの魅力の1つがパートナーと助け合いながらポイントを勝ち取ることにあります。
なぜならダブルスではお互いを頼らなくては良いプレーは生まれませんし、二人一緒に協力することが重要だからです。自分の欠点を補ってくれるパートナーを選ぶことが勝利への秘訣です。
一般的に、大体実力が同じパートナーを選びたがるものですが、実力ではなく「キャラクター」で選ぶべきです。例えばネットプレーが得意ならベースラインでのプレーが得意な人を選ぶなど、得手不得手にあわせたパートナー選びがベストです。
ダブルスならではの問題とは?
ダブルスが苦手な人の主な原因は実力差が激しいときのコンビネーション問題です。 この問題は実力が下のパートナーを理解し、どうすればお互いゲームを楽しめるか考えることが解決の糸口になるでしょう。
例えばあなたが強力なバックハンドを持っていて対戦相手が強力なフォアハンドを持っているなら、あなたはアドバンテージコートをメインに、その対戦相手はデュースコートをメインにプレイするなど、打球が飛んでいきやすい方向に配慮することでよりゲームをより楽しむことができます。
正直、この問題の解決方法には正しいも間違いもありません。ゲーム開始前にしっかりコミュニケーションをとり、パートナーによって作戦を変えることで新しい発見があるかもしれません。「楽しむ」ことが何より大事なのです。
各ポジションごとの役割
ダブルスでは右・左サイドに加えて、前後のポジショニングもプレイヤーの役割として求められます。サービスとリターンの後、両プレイヤーともネット前でプレイすることも、1人は前衛、もう1人は後衛など様ざまな戦略が考えられます。
各ゲームによってサーバーが、各ポイントごとにリターナーが決まっていますが、サーブとリターンが完了した後は各自自由にプレイできます。サーブはゲームごとに各チーム交代制、さらに4人でローテーション式です。ポイントが決まった後、リターナーはパートナーと交代し、これを繰り返します。
サーバー
戦略的な観点から、サーブはサービスラインに近いところを狙い、かつリターナーのバックハンド側を攻めると戦局を有利に進めることができます。ほとんどのアマチュアプレイヤーはフォアハンドよりもバックハンドが苦手な傾向にあるからです。
サーバーは後方からコート全体を見渡し、ゲームメイクする必要があります。前衛およびサービス後に自分がチャンスボールを得点できるように、対戦相手の苦手なコースを攻めましょう。
その際にサービスを打つベストなポジションはセンターポジションです。前衛の動きを把握しながら、2人とも守備の範囲外となっているスペースを素早くカバーできるためです。
サーバーのパートナー
サーバーのパートナーは主にネット前での得点ゲッターとしての役割が強いです。基本的にサービスラインのセンターよりにポジションを取ります。もしボレーに自信が無い場合は、サービスラインよりも少し後方に構えましょう。
サーバーのパートナーはリターンの後重要な役割を担うことになります。いつボールが自分に向かってきてもいいように、常にボレーの準備をしていなくてはいけません。
アグレッシブなボレーヤーはたびたびパートナーのエリアにも素早く入って、速攻で決めてしまおうとしてしまうでしょう。このとき注意したいことは、自分のコートに2人とも守備範囲外となっているスペースができやすいことです。無理なボールの追い方は命取りです。
サービスリターナー
サービスリターナーは各ゲームごとに決められたアドバンテージまたはデュースコートのどちらかでサービスをパートナーと交互にリターンしなくてはなりません。
戦略的な観点から、サービスリターナーはリターンをネット前で待機しているサーバーのパートナーを避けて打つべきであると考えられます。サービスリターンはチャンスボールになりやすい上に、ボレーを決める準備の時間も充分に与えられているためです。
これはつまりクロスに深いリターンを読まれやすくなるわけですが、それで敵の前衛が無理に動いた場合はむしろチャンスです。前衛と後衛が1直線に並んだ隙を逃さず、コーナーを狙ったショットで得点につなげましょう。
リターナーのパートナー
一般的に、リターナーのパートナーはセンターライン近くのネット前のポジションで待機します。ボレーに自信が無い場合やベースラインでの守備体制を厚くするために、サービス後すぐにベースラインまで下がることもあります。
リターナーのパートナーはサービスがワイド系なのかロング系なのか見極め、リターナーの動きにあわせてポジショニングを変える必要があります。 基本はネット前での得点ゲッターです。
ダブルスの特徴と戦略(フォーメーション)
ダブルスにおける戦略はシングルスにおけるそれとは大きく異なります。シングルスと似たような状況はあるのですが、ダブルスの主な違いとしてはすべてのプレーに対してネットプレーが絡んでくる可能性が高いということです。
従って、ボレーしやすい浮き気味の打球やスピードの遅いスライスショットはダブルスでは命取りです。多用しないようにしましょう。
ダブルスでは、チャンスやアドバンテージを得たらすぐに自分かパートナーのどちらかがネットプレーの準備ができます。基本的にアグレッシブなネットプレーができるチームが有利です。
フォーメーション紹介1:平行陣
2人がほぼ平行に並んだ状態で攻撃または守備に特化したゲームメイクをすることができるフォーメーションです。ベースラインに並んだ状態をバックと呼ぶこともあります。
とくにサービスゲームでは強いリターンが難しいので2人でネット前に詰めてプレッシャーをかけると有利です。
2バックは後手にまわる戦術なので、相手にペースを握られがちです。2人ともベースライン際が得意なときに採用しましょう。
フォーメーション紹介2:アイフォーメーション
サーブ時に前衛はセンターをまたぐようにして待機し、サーバーはセンターよりからサーブを打ちます。前衛の役割は左右どちらかに動くことでリターンのコースを誘導することです。どちらに動くかは事前にサインで確認します。
サーブの打球が当たらないように、前衛は必ずしゃがんで待機しましょう。
リターンの打球をいきなり決めに行くことを目的にしたとても攻撃的な戦術です。パートナーとのチームワークが試される高度な戦術といえます。
ダブルスは楽しくて奥が深い!!
ダブルスはテニスをやっている人なら一度は試してみる価値があります。シングルスをメインで練習している人でも、ダブルスをプレイすることで多くの新しい発見が必ずあります。ダブルスから学ぶことで、さらにワンランク上のシングルスプレイヤーになれるでしょう。
さらに、ダブルスをプレイすることはシングルスの鎖から少し解放されるということでもあります。つまりシングルス独特の孤独感、自分1人にのしかかるプレッシャーから解放され、パートナーと喜びもプレッシャーも共有することでテニスを今よりもっと好きになれるでしょう。
こうして見ると、今までシングルス一筋だった方にもダブルスの魅力に気づいていただけたかと思います。知れば知るほど奥が深いダブルスの世界。テニス仲間に声をかけて、大会にもぜひ万全の準備でダブルスに参加してみてください!
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