驚異的な早さでTOP10入りしたアレクサンダー・ズべレフ

出典:ATPより

情報化社会が進み、トレーニング理論や栄養学がプロテニス選手の間にも広まったことで選手寿命は延びたことに加え、テニス用具の発達により、技術レベルも大きく進歩した現代テニスにおいて、若くしてTOP10に入るのは非常に難しくなっています。

そんなテニス界において、若干20歳の若さで世界3位まで上り詰めたA.ズべレフを今回は紹介します。

アレクサンダー・ズべレフ

  • 生年月日:1997年4月20日生まれ
  • 身長:198cm
  • 体重:90㎏
  • 国籍:ドイツ
  • 利き腕:右(両手打ちバックハンド)
  • 自己最高ランキング:シングルス3位
  • 通算獲得タイトル数:13(2020.11.01現在)

プレイスタイル

長身を生かした強力なサービスとストロークがズべレフの大きな武器です。ズべレフのような長身選手はサービスを武器にすることが多い一方、フットワークなどの敏捷性に難があることが多いのですが、ズべレフは長身の割にフットワークも良く、長いラリーを苦にしません

長身を生かしたズべレフのサーブは220㎞/hを超えますが、ダブルフォルトが多く、サービスにおいてその長身を最大限に生かしきれていません。サービスと比べるとリターンゲームのスタッツの方が優秀で、サービスが改善されれば今以上の成績を残せることは間違いありません。

長身とそのリーチを生かしたストロークは強力な一方、他のトップ選手に比べると苦手意識が強いのか、ネットプレイを試みることが少なく、その点は大きな伸びしろと言えます。フィジカル面でも体重は身長の割にまだまだ軽く、ズべレフ本人も自覚しているように筋力がアップが必要です。

現状ではストローク以外については多くの改善余地があります。そんな状態でも既にTOP10プレイヤーになっているわけですから、現在の弱点や課題をズべレフが克服した時にはとんでもない成績を残す可能性も十分あります。

テニスを始めたきっかけと幼少期

ズべレフとその家族。
引用:Twitterより

ズべレフがテニスを始めたのは5歳で、両親共に元テニス選手であり、テニスコーチという家庭環境が強く影響しています。10歳年長の兄であるミーシャもプロテニス選手であり、自然とズべレフもテニスラケットを握り、テニスを始めるようになります。

両親が先にプロ選手になった兄のミーシャのコーチもしていたため、ズべレフは幼少期から兄の遠征に帯同し、日常生活の中でトップレベルのテニスに触れます。

この経験がプロ選手として活躍する大きな下地となった可能性は高いです。世界中を飛び回るプロ選手の生活は非常に異質ですが、幼少期に体験をしていれば、プロ選手になってツアー生活に戸惑うことはないはずないので、その点は大きなメリットだったはずです。

性格

多くのプロテニスプレイヤーと同様にズべレフは非常に負けず嫌いで競争心の強い性格をしています。テニスを始めた当初は、兄であるミーシャによく相手をしてもらっていましたが、試合に勝つまでコートの外に出るのを拒むほどだったそうです。

ズべレフはテニスに専念するまでは他のスポーツもしていましたが、12歳の時にフロリダでの国際トーナメントで敗退した悔しさがきっかけでテニスに専念することを決意したそうです。

テニスに専念することを決めたエピソードからもズべレフの競争心の強さが分かります。強い競争心はプロテニス選手にとって欠かせない要素ではありますが、その気持ちが強すぎるが故に試合中にフラストレーションを爆発をさせることも少なくありません。

ジュニア時代

2014年に全豪OPジュニアを制覇。
引用:Twitterより

ズべレフは13歳からITFのジュニアサーキットに参加し始めます。14歳になるとUAEとオマーンで開催されたITFのトーナメントでタイトルを獲得し、高いレベルのトーナメントにどんどん参加するようになります。

当初はなかなか大きな結果を得ることができませんでしたが、2013年、ズべレフが16歳になる年にはITFジュニアランキングで世界1位となり、シーズン終了。2006年以降、最も若くジュニアの年間ランキング1位で終えた選手となります。

2014年の全豪OPジュニアで初のグランドスラムタイトルを獲得したことで、ジュニアからシニアへの移行を決めます。

プロ転向とランキング推移

本格的にシニア転向したのは17歳のシーズンですが、14歳の2011年からシニアトーナメントへの参加はスタートさせていました。2011年は参加した全ての大会で敗れるも、翌2012年にはシニア大会で初の勝利を飾るなどして、ITF大会で初の決勝進出も果たします。

2013年にはATPツアーとATPチャレンジャー大会の本戦に初出場を果たすなどして、この年にプロ転向を宣言します。2014年の全豪OP後からシニアへの専念を決めたズべレフは7月に初のATPチャレンジャータイトルを獲得ツアー予選では兄ミーシャとの兄弟対決も実現させます。

ATPツアーで本戦初勝利を掴んだハンブルグOPの結果。
引用:ATPより

同年のハンブルグOPではATPツアーの本戦初勝利を収め、勢いそのままにSF進出世界ランキングを136位まで上昇させ、シーズンを終了します。

2015年には初のグランドスラム本戦出場を果たすなど活躍を続け、年末のランキングは83位まで上昇18歳にして世界ランキングTOP100入りを果たし、ATPのNewcomer of the Yearを受賞します。

2016年は初のATPツアータイトル獲得や、R.フェデラーに勝利するなど印象的な活躍を見せ、ランキングを最高20位まで上げ、翌年の更なる飛躍の土台を固めます。

2017年、ズべレフは20歳の若さでローマとモントリオールのマスターズ2大会でビッグタイトルを獲得します。ウィンブルドンでも16強進出するなどして世界ランキングを3位まで上げ、ATPファイナルズにも出場。誰もがズべレフの時代が今後やってくる!と思わせるような成績を残します。

急激に上げたランキングを翌年も維持するのは大変です。しかしながらズべレフは2018年も安定した成績を残し、年間を通してTOP5を維持します。文字通りトッププレイヤーとして地位を固め、ATPファイナルズでは初優勝を掴みます。

2019年はグランドスラムタイトルの獲得を期待されるも、全仏OPの準々決勝進出以外は目立った成績を残せずランキングも7位まで落とします。ズべレフはグランドスラムで結果を出せないという声もメディアで上がり始めます。

2020全米OPで準優勝。
引用:Twitterより

そんな中迎えた2020年は全豪OPで自身初のSF進出。コロナ禍でのゴタゴタもありながら全米OPではグランドスラム初の決勝進出。D.ティエムに敗れ、準優勝に終わりましたが、今後のグランドスラム制覇を強く予感させる結果を残します。

ズべレフの今後の成長に注目!

18歳でTOP100入りし、既に中堅選手のようなイメージさえあるズべレフですがまだ23歳と若く、テニスの伸びしろもまだまだ大きくあります。コート上での感情的な振る舞いや、オフコートでの言動がトラブルを引き起こすこともありますが、年齢や経験を重ねていくことで改善されていくはずです。

ズべレフは今後どれほどの選手になるのか、テニスファンにとっては非常に楽しみな存在です。ぜひ今後の活躍に注目してみてください。