アメリカで行われたマスターズ1000シリーズ、W&Sオープンで錦織圭選手との日本人対決を制しベスト8に進出した西岡良仁。
西岡にとって錦織は「僕のヒーロー」だそうです。 憧れのヒーローとの初対決で勝利することができた経験は、彼にとってかけがえのないものであることは間違いありません。
残念ながらその当時の錦織は体調不良で本調子ではなかったとのことですので、次戦は両者とも本調子のガチバトルを期待したいですね。
そんな今大注目の西岡良仁について、バイタリティあふれる経歴とプレースタイルについてまとめました。
プロフィール
- 選手名:西岡良仁(にしおかよしひと)
- 所属チーム:ミキハウス
- 身長:171㎝
- 体重:63㎏
- 利き手:左利き
世界ランキングは現在59位、自身最高のランキングは2017年の58位です。
「ジョジョの奇妙な冒険」ファン、趣味はゲームと意外にインドアな一面もあり。しかし最近は大好きなゲームを封印し、ビジネス書を読むなどしてテニスの実力向上に努めているとか。
とにかく「負けず嫌い」で有名です。
その負けず嫌いさがもっともわかるのは西岡のジュニア時代です。
諦めない心!激動のジュニア時代
三重県津市の出身。テニスを始めたのは4歳のときです。両親共にテニスコーチをしている関係で、テニスを始める年齢が非常に早いです。
2歳年上の兄もテニスを習っており、まさにテニス一家です。
全国小学生テニス選手権で優勝
小学校低学年頃から試合に出始めます。ダンロップ全日本ジュニアテニス選手権、 2007年には全国小学生テニス選手権大会、Dunlop Cup 全国選抜ジュニアテニス選手権大会で優勝などなど、輝かしい成績で小学生の頃から日本テニス界の期待の星として有望視されていました。
錦織も全国小学校テニス選手権で優勝経験があり、多くの日本人プロ選手はこの大会で優勝している経験があります。
錦織を追ってアメリカに留学志願!しかし…
西岡はすでに錦織も在籍していたアメリカの名門テニススクールIMGアカデミーへの留学を希望します。
IMGアカデミーはアガシ、シャラポワなど往年の名選手を数多く輩出していることで有名なスクールです。また毎年課される高い目標をクリアできないと容赦なく切り捨てられることで知られており、世界中のテニスエリートがしのぎを削っています。
しかし留学するには資金が必要です。そこで西岡が見つけたのが「盛田正明テニス・ファンド」でした。
盛田正明テニス・ファンドとは日本テニス協会会長である盛田正明氏が自費で行っている奨学金制度で、錦織も当時このファンドを利用してIMGアカデミーへ留学しています。
ファンドの選考に2度落選!それがどうした!
順風満帆に見えるここまでの彼のテニス人生ですが、ここで思わぬ壁にぶち当たります。
ジュニア時代これだけ素晴らしい実力と結果を残しながら、盛田正明ファンドにまさかの2度落選。
落選理由は明かされていませんが、ここで西岡の「負けず嫌い」が発動します。
アメリカ留学を諦めなかった西岡は3度目の正直でついに当選。見事アメリカ留学を実現します。このとき西岡は中学3年生でした。
アメリカでの武者修行、日本選手権へ
IMGアカデミーでもその才能と実力、そしてガッツを武器にメキメキと上達していきます。
ジュニアナショナルチームでは日本代表としてジュニアデビスカップに出場。世界スーパージュニアテニス選手権大会ではシングルス、ダブルスともにベスト4。
17歳のときにはメキシコで開催された世界ツアーの下部大会であるフューチャーズで優勝を飾ります。この大会は出場選手がジュニアだけではなかったため、西岡自身がプロでやっていけると確信した大会でもありました。
同年11月に満を持して日本選手権に出場します。第2位シードの杉田祐一、第4シードの守屋宏紀ら国内の強豪を倒し、決勝進出。決勝では惜しくも伊藤竜馬に敗れ準優勝でしたが、10代選手の快進撃は多くのテニスファンを魅了しました。
西岡良仁のプレースタイルとは?
西岡のウィークポイントとして「身長」がよく挙げられます。2019年の全米オープンの参加選手のなかで、171センチは最も低い身長でした。
基本的にネットの高さが統一されているテニスというスポーツにおいて、身長の高さは重要です。サーブやネットプレーのクオリティに大きく影響するためです。
そんな不利とされている状況のなか、西岡はどのようなプレースタイルで世界と戦っているのでしょうか。
トップスピンが武器、「和製ナダル」
「和製ナダル」と揶揄されるほど強烈なトップスピンフォアハンドが西岡最大の武器です。ベースライン付近でトップスピンを武器に戦う姿は、確かにナダルを彷彿とさせます。
基本的に左利きの選手はスピンを多用する戦術で、多くの右利き選手に対して有利に立ち回ることができます。
数少ない左利き選手は右利き選手の逆の回転をボールにかけることになりますので、ペースやリズムを乱しやすくできるとされています。
西岡はトップスピンを中心に様ざまなスピンを駆使して対戦相手を翻弄することで試合を有利に進めているのです。
虎視眈々とチャンスを狙う、鉄壁の守備
身長でハンディを抱えている西岡は豪快なサーブやネット前でプレッシャーをかけるなどの戦法を取ることができません。
そこで西岡が徹しているのが「守備」。粘って粘って相手のミスを誘い、チャンスボールはしっかり決めるというのが西岡のスタイルです。
ラリー戦を制していくという点では錦織と共通しています。パワーや体格で敵わない海外選手相手に戦う術を彼らは示してくれているのかもしれません。
抜群のフットワーク
その守備に欠かせないのがフットワークです。とにかく足を使いまくってどんな厳しいボールも拾うという「気合い」の化身である西岡らしいプレースタイルといえます。
中学3年のアメリカ留学時代、IMGテニスアカデミーのニック・ボロテリー氏からつけられたあだ名が「cockroach」だったとTwitterにてツイートしていました。
Cockroachとは「ゴキブリ」。ええ…ひどい…
今の日本の教育現場でそんな発言をしようものなら、その先生はいったいどんな処分を受けてしまうのか…。恐ろしいですね。
絶対に読ませない頭脳戦
西岡がとあるインタビューでこのように発言していました。
「最近、テニスは本当にゲームだと感じている。試合中にいろんな布石を打って、最終的にどう勝つか」。
そのために「わざと」パワーの無いボールを打って相手を誘い出したり、強いショットを打たせてミスを誘うなどのプレーを活用しているとのことです。
サーブも剛速球ではなく170キロ前後の返される前提のものです。そして相手の芯を外すことを意識することで有利な状況を作らせない、という部分にこだわっています。
「読まれたら終わり」であるゆえに諸刃の剣ともいえるこの戦術ですが、パワーヒッター相手に勝つための西岡の「答え」の1つが垣間見えますね。
「小さな巨人」の活躍を応援しよう!
どうしても「錦織圭」という存在と比較されてしまいがちな西岡ですが、錦織とは全く違った魅力と強さを持っていることがお分かりいただけたと思います。
2020年には東京オリンピックが控えています。西岡も日本代表として活躍が期待されますね。
「身長はテニスの実力に関係ない」
小さな巨人が世界中の同じ悩みを持つ少年たちの光になってくれることでしょう。
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- kuroino
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