勝利のためのテニス技術特集 ~ボレー編~

出典:Pixabay

ボレーといえばネットプレーの基本中の基本としてスクールや部活などで教わった方が多いかと思います。しかし単純なようで奥が深いボレーは打ちたいところになかなか打てず、歯がゆい思いを何度もさせてくれます。

今回はそんなボレーをもっと正確に打てるようになるための情報をご紹介します。チャンスボールをネットに引っ掛けて絶望していた自分にさよならしましょう!

ボレーの基本情報

そもそも「ボレー」とは何なのでしょうか。辞書でその意味を調べると 「テニスで、相手の打球が自陣の地面に落ちないうちに打ち返すこと。」とあります。

つまりネット前だろうがベースラインだろうがノーバウンドで返球したものはすべてボレーであるといえます。

テニスの王子様に登場する青春学園の大石君が得意としている「ムーンボレー」は「ノーバウンドで打ち上げたロブがベースライン付近に落ちる」という異常な技術を使っていることが分かりますね。

またボレーには名称が多く存在します。ボールの高い・普通・低いそれぞれの位置で打つときに、ハイボレー・ミドルボレー・ローボレーと呼びます。 ストロークのようにラケットをスイングしてボールに順回転を与えるボレーのことを「ドライブボレー」と呼びます。

ボレー成功のコツ

パンチするように打つは間違い!?

「パンチのような打ち方」は様ざまな打ち方があるボレーの感覚の中の1つですが、テニス初心者が正しいボレーの打ち方の練習でパンチするように打つことはあまりオススメできません。

高めで遅いボールをボレーするときには有効なパンチボレーですが、そんなチャンスボールはなかなかきません。限定的な場面で使えるものではなく、幅広く応用できる技術を身につけると成長速度は飛躍的に伸びるでしょう。

打球の勢いを吸収するように

速いボールに対応しようとすると思わずボールに対して力任せにラケットを振ってしまいがちです。そうするとボールを思った方向に安定して打つことができないので注意しましょう。

「当てるだけ」という感覚で打球の勢いを吸収するようにボレーを打ちましょう。打球をキャッチするように、と考えると分かりやすいでしょう。

ボレーの感覚を改善する方法

普段の練習で意識するべきポイントはどこにあるのでしょうか。この項目ではボレーを良い感覚で打つために意識するべきポイントを紹介しています。

インパクトの瞬間は腕を固定する!

野球のキャッチボールを想像してみてください。グローブをしっかり固定しないとボールをキャッチすることはできません。ボレーの感覚としてはこのキャッチボールに非常によく似ています。

最初は無理にラケットを振る必要はありません。スイートスポットに当てるだけ、打球の勢いを殺すだけで充分ですのでまずはインパクトの際に腕を固定することをしっかり意識しましょう。

「打つ」ではなく「押す」

スイートスポットに当てるだけ、という感覚が身についたら次のステップに進みましょう。ラケットをインパクトに合わせて動かすことで打球をコントロールします。

このとき重要なのは決して打とうとはせず「押す」イメージでラケットを振ることです。回転をかける必要はないのでしっかりボールをラケットに乗せる様に、打ちたい方向へラケットを押し出しましょう。

ゆっくり、やさしく

速いボールに対応するときにもゆっくり、やさしくタッチすることを念頭においておきましょう。しかしこれは非常に難しいので、ボレーをするためにネット際に移動するときは対戦相手の状況をよく見て判断しましょう。

ラケットの面の向きに注意!

ボレーにおいてインパクト時のラケットの面の向きは大事です。ラケットが上向いていたら打ち上げてしまい、チャンスボールになってしまいます。特に足元に沈む打球の場合ロブ気味になってしまいがちなので注意しましょう。

中段から下段にかけてのボレーの場合、ラケットヘッドを寝かせなくてはいけません。ヘッドが立っていると打球にラケットが負けてしまい、勢いを吸収することができません。

ボレーに慣れてきたらスライス気味にラケットを振ることでよりタッチをやわらかくすることができます。ただしラケット面が上向きになりがちなのでロブ気味の打球にならないように注意しましょう。

ボレー改善のためのドリル

これからボレーを覚えたい方はまず何から始めたらいいのか分からないかと思います。この項目ではボールをやさしくキャッチする感覚を養う練習ドリルを紹介しています。

ラケットでリフティング

スイートスポットでボールを捉えるための最初の練習としてボールをラケット上でリフティングするドリル練習がおすすめです。

打ち上げるボールの高さを変えて、高く打ち上げたボールの勢いを吸収する感覚を養いましょう。ラケットの表面と裏面の両方を織り交ぜながら行うとよりよいでしょう。

慣れてきたら回転をかけながらリフティングを行いましょう。横回転をかけながら真上に打ち上げる感覚を養うことでボレーに応用することができます。

ラケットでボールを受け取る練習

近距離で誰かにボールを山なりに投げてもらい、それをラケットに当てるだけのドリル練習です。返球する必要はなく、まずは当てることのみを意識して取り組みましょう。

フォアハンドとバックハンドの両方を10~20回繰り返しましょう。

ボレーでやさしく返球

誰かに山なりに投げてもらったボールをボレーで同じように山なりに返すドリル練習です。ネット越しである必要はありません。

投げてもらう人の立ち位置を変えることで、ボールコントロールの練習につながります。その際ドリルをこなしている人の体の向きは変えないようにしましょう。

浮かせたボールをキャッチ

このドリルは最初は難しく感じるかもしれませんが、徐々に上達を感じられるようになります。

誰かに投げてもらったボールのスピードを吸収し軽く上に浮かせた後、ラケットを握っていない側の手でそのボールをキャッチします。

このドリルはボールをしっかり見ること、やさしくタッチする感覚、スピードを吸収する感覚を学ぶことができます。

ネット越しで実践練習

より速いボールに対応するためにネット越しで球出しもラケットでやってもらいましょう。上記のドリルで覚えた感覚を思い出しながら、打ち返しましょう。

コーンなどの打ち返す場所の目標があるとなお良いです。目標に対してラケットの面を押し出すようにしてボールをコントロールしましょう

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ボレーを駆使して攻撃の要にしよう!

ボレーを決めるためには技術だけでは不十分です。対戦相手の打ち返してくるコースを読んだり、またはボレーを決めるためのコースに打たせる作戦など様ざまな要因が重なって有効な攻撃につながります。

サーブ&ボレーが有名ですが、このように強いストロークで返すことが難しい状況でボレーチャンスはやってきます。

正確なボレー技術を持っているだけで、対戦相手にプレッシャーをかけることができますし、コートを広く使って多様な戦略を展開できます。

正確なボレーを修得してサービスゲームのキープ率を上げ、大会で優勝を目指しましょう!