セリーナ・ウィリアムズは長いテニスの歴史の中で、男女を通じてシングルス及びダブルスで「キャリア・グランドスラム」を達成した唯一の選手です。キャリア・グランドスラムとは、キャリアの中で世界4大大会の全てで優勝することです。
生涯獲得賞金は9000万ドルを超えており、これは全ての女子プロアスリートの中でナンバーワンの賞金額です。
まさに生きる伝説…
そんな彼女にも女性アスリートならではの悩みや苦労があったようです。世界最強のアスリート、セリーナ・ウィリアムズはその壁をどう乗り越えたのか?そこには学ぶべき強さやセリーナの魅力が隠されていました。
セリーナ・ウィリアムズ基本情報
名前 | セリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams) |
国籍 | アメリカ |
出身地 | アメリカ・ミシガン州サギノー |
生年月日 | 1981年9月26日 |
身長 | 175㎝ |
利き手 | 右 |
バックハンド | 両手打ち |
プロ転向年 | 1995年 |
ツアー通算 | 95勝 |
1981年9月26日、テニスコーチである両親の元に生まれました。5歳で姉と共にテニスを始め、14歳という若さでプロに転向後、1999年全米オープンでは驚異の17歳で4大大会の初優勝を達成し、世界にその名を轟かせます。
2002年から2003年の間にグランドスラムで4大会連続優勝、2006年は怪我で試合出場が出来ませんでしたが、2007年全豪オープンではノーシードから勝ち上がり、見事に優勝しました。
2012年には、ロンドンオリンピックで金メダルを獲得し、上述の「キャリア・グランドスラム」を達成しました。
セリーナ・ウィリアムズ強さの秘密
パワフルなショット
セリーナが圧倒的なパワーを持っているのは周知の事実ですが、それはただ単に怪力だから生み出されているわけではありません。ではこの前人未到のパワーはどうやって生み出されているのでしょうか。
その秘密は、非常に早いストロークの準備です。セリーナはどんな状況でも素早くストロークの準備に入るため、スピードボールに対して他の選手に比べ圧倒的に余裕があります。
そのためリターンでもフルスウィングでパワフルな打球を生み出すことができるのです。
パワーだけじゃない、パーフェクトサーブ
セリーナは女子テニス界に「スピードテニス」の強さを証明した最初の人物と言われています。その所以とも呼ばれるのは時速200キロを超えるフラットサーブです。男子にも負けないフラットサーブは彼女の最も有名な武器として知られています。
しかし本当の強さはフラットサーブだけではありません。スライス、スピンサーブの抜群の安定感が200キロ越えのフラットサーブの威力を倍増させています。
セカンドサーブでも決して甘いコースにはこないサーブがどれほどの脅威となっていたかはもはや計り知れません。
勝利への飽くなき執着
セリーナに最も似合わない言葉、それは「慢心」でしょう。その理由をご説明します。
グランドスラムを幾度となく制覇してきた彼女が悔しさのあまりラケットを叩きこわした試合、それはグランドスラムでもなく、しかもシングルスでもない、北京OPのダブルスの試合でした。さらに格下相手に圧倒的にリードしている場面でも、欲しいポイントを獲得した時は雄叫びをあげ、気持ちを前面に出しています。
凡人としては理解ができません。なぜ、彼女は小規模の試合でもここまで気持ちをぶつけられるのか?これこそが「プロフェッショナル」たる所以、彼女の強さの秘密ではないでしょうか。
勝利へのこだわりを感じるセリーナの言葉
“I can’t become satisfied, because if I get satisfied, I’ll be like, “Oh, I’ve won Wimbledon, I’ve won the U.S. Open. Now can I relax.” But now people are really going to be fighting to beat me.” – Serena Williams
Wealthy Gorilla
「私は満足することはないでしょうね、なぜならもし満足したら『ウィンブルドンも、全米も勝った!ちょっと息抜きしてもいいかなあ』ってなっちゃう。でも今も他の選手たちは私を倒すために本気で戦いを挑んでくる。」
絶対に負けるつもりはないんだという飽くなき勝利への強いこだわりが伝わってくるセリーナの名言です。現状に満足してはいけないということを改めて考えるきっかけになるのではないでしょうか。
長女を出産、セリーナの描く理想の母親
自身が経験した辛い過去
怪我を乗り越え、誰もが認めるアスリートとしての成功を手にしたと思われるセリーナですが、彼女は今に至るまでにとても辛い過去を経験していることをご存知でしょうか。
9月20日、セリーナがネット上に公開した「母に宛てた手紙」の中に彼女の悲痛な過去が記載されていました。
セリーナはその生まれつきの恵まれた体格について、「まるで男のようだ」「女性でこの肉体はありえない、ドーピングをしているに違いない」「男に近いんだから、男子の大会に参加するべきだ」などという罵詈雑言をデビューしてから今に至るまで受け続けてきたとのことです。
人格否定とも言えるこの世間の発言にセリーナは女性アスリートとしてだけでなく、1人の女性として深く傷つき、悲しみました。
セリーナを支えた母への想い
そんな傷心のセリーナを支えたのは、彼女の母親であるオラセン・プライスでした。オラセンは実の娘が心ない批判にさらされていた時、どのように世間に、娘に接したのでしょうか?
その答えは「怒らないこと」でした。手紙の中でセリーナは、「お母さんはどうやって世の中への怒りを抑えてきたの?」という記載がありました。そしてさらに「お母さんのおかげで、どんな困難も【挑戦】だと思うようになれた。」とあります。
セリーナは母親から「どんな困難や心ない批判も怒りではなく向上心につなげる」ことの重要さを学んだのでしょう。この精神的な支柱と哲学が彼女の偉業を後押ししたのは間違いありません。この手紙から、母親の偉大さを世界中が知った瞬間でした。
我が子へ伝えたい「強さ」とは
セリーナは自分の体格、筋肉質そっくりに生まれてきてくれた我が子オリンピアに感動しながらも、「この子が私と同じ辛い目にあったらどうすれば良いのか」という悩みも抱えていました。
手紙の中でセリーナは「お母さんから学んだ不屈の精神を、オリンピアにも教えてあげたい」と語っています。もしかしたらオリンピアも自分と同じ苦しみを味わうかもしれない、そんな時に自分がどうやってその困難を乗り越えてきたか、「理想の母親」であるオラセンに近づきたいというセリーナの気持ちが伝わってきます。
セリーナから学ぶ「ありのままの自分」
2015年に米スポーツ・イラストレイテッド誌の「今年最も優れたスポーツ選手」に選ばれた時、セリーナは「自分が “自分のチアリーダー” になるべき。ありのままの自分を支えてあげて」と世間に呼びかけています。
人は皆何かしらの個性を持っています。それは誇るべきことで、世間からどんな風に暴言を吐かれようとも自分の個性を愛すべきという、セリーナの強いメッセージが伝わってきます。
今年38歳の「生きる伝説」がどこまでその伝説を描き換えていくのか、セリーナとオリンピアに目が離せません。
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